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イタリア・トスカーナ地方で1970年代以降に起こったムーヴメント「スーパータスカン(スーパートスカーナ)」。これまでにスーパータスカンを代表するサッシカイアとオルネライアについて紹介してきた。
今回は、サッシカイア、オルネライアと並び称される「ソライア」について取り上げていきたい。
サッシカイアとオルネライアはボルドースタイルのブレンドをしているのに対し、ソライアはサンジョヴェーゼをブレンドしているのが大きな特徴だ。ソライアとはどのようなワインなのか、その歴史と特徴を詳述していこう。
アンティノリの遊び心から生まれたソライア
名門アンティノリの持つワイナリー、テヌータ・ティニャネロは、「ティニャネロ」「ソライア」という2つのスーパータスカンを醸造している。
ティニャネロはサンジョヴェーゼを主体とし、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンド比率を2割近くにした構成。このブレンド比率を「そのまま引っ繰り返したらどうなるか?」という遊び心から生まれたのが「ソライア」だ。
ソライアはカベルネ・ソーヴィニヨンが7割強、サンジョヴェーゼ2割にカベルネ・フランを加え、ぶどうの出来の良い年のみつくられる。
ソライアはリリースされてしばらくは異端視されたが、海外で非常に高い評価を得た。今ではイタリア国内でも再評価され、最も価値のあるワインのひとつとなっている。
白い石を使用した土壌作り
アンティノリは「アルベレーゼ」という白い石を使用した土壌作りで知られている。この方法は、細かく砂利状に砕いた白い石を地表から20cm程度の深さまで撒く。すると地中の水はけが改善され、太陽光を反射するという利点も得られる。
サンジョヴェーゼの畑で使われる手法だが非常に手間がかかるため、このテヌータ・ティニャネロでのみ採用されている。
ソライア 味わいの特徴
「ソライア」とは、「日が当たっている」という意味の言葉だ。その名のとおり、日照量が多い場所でぶどうが栽培される。畑に撒かれた白い石により太陽光が地表からも反射し、サンジョヴェーゼのバランス良い熟成を助ける。
チョコやコーヒー、ミントなどの香り。しっかりとした骨格はあるが、優しい繊細な味わいとのバランスが絶妙だ。
ソライアのおすすめワイン銘柄
ソライア
テヌータ・ティニャネロは「ソライア」と冠するワインは、このファースト・ラベルしか醸造していない。しかも出来の良い年のみのリリースであり、希少性の高いワインだ。
ティニャネロ
テヌータ・ティニャネロが手掛けるもう1つのスーパータスカン。ソライアと同様、アルベレーゼを導入した畑でとれたサンジョヴェーゼを使用。イタリアワインとして初めて、サンジョヴェーゼの熟成に小樽を使うようになり、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランといった白ぶどうではない国際品種をブレンドするようになった。
マルケーゼ・アンティノリ キャンティ・クラシコ リゼルヴァ
アンティノリが送り出す数あるワインの中でも、「マルケーゼ・アンティノリ」=「アンティノリ侯爵」という名前を採り入れた唯一のワイン。こちらもテヌータ・ティニャネロからリリースされたもので、ソライアやティニャネロにも使用されるサンジョヴェーゼを使用した特別なキャンティ・クラシコだ。