ボルドーワイン委員会は2021年2月5日、フランスのボルドー地方におけるワイン用ぶどうの新品種6種が、国立原産地名称研究所(INAO)より、使用を正式に承認されたと発表した。赤ワイン用ぶどう4品種、白ワイン用ぶどう2品種で、気候変動への適応力が注目されており、気温上昇や生育サイクル短縮による水分ストレスにも適応できるという。
フランスでは、ワインなどの品質や産地を保護するため、「AOC(Appellation d’Origine Controlee)」が制定されている。日本語では「原産地統制呼称制度」などと呼ばれるが、アペラシオンごとに使用するぶどう品種や栽培方法に規定が設けられている。
ボルドーではこれまでに、AOC規定により赤ワイン用基準品種6種、白ワイン用基準品種8種が認められている。しかし、近年の気候変動などから、その影響を軽減できる新品種の導入を検討しており、過去10年間で52種以上ものぶどうが査定を受けてきた。今回、その中から6種のぶどう品種が正式に承認されることとなった。
正式承認されたのは、赤ワイン用品種「アリナルノア(Arinarnoa)」「カステ(Castets)」「マルスラン(Marselan)」「トウリガ・ナショナル(Touriga Nacional)」と、白ワイン用品種「アルヴァリーニョ(Alvarinho)」「リリオリラ(Liliorila)」の計6品種。「気候変動への適応において注目すべき新品種」と命名された。
現時点では地方全植栽面積のうち5%が栽培上限とされ、2021年から植栽を開始する予定だ。各ワインのブレンドでも10%が上限となっており、フランスの法律にのっとり、ボルドーワインのラベル上に新品種が記載されることはないという。
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