メルシャンは2022年9月14日、スタートアップワイナリーへのコンサルティング事業を開始すると発表した。シャトー・メルシャンで培ったワインづくりのノウハウを活用し、持続可能な日本ワイン産業の振興を目指す。
2018年にワイン法(果実酒等の製法品質表示基準)が適用されて以来、日本で収穫したぶどうのみを使用し、日本国内でつくられたワインを「日本ワイン」と呼ぶことになった。そうした影響などもあり、日本ワイン市場は2015年から2021年で約1.5倍(国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」より)に拡大。ワイナリーの数も、増加を続けている。
一方で、日本のワイナリーの多くは小規模であり、国内ではぶどう栽培や醸造技術、マーケティング、販売などに関して学べる機会が少ない。そのため、特にスタートアップワイナリーは、運営に課題を抱えることが多い。
そうした日本ワイン産業が抱える課題を解決するため、メルシャンは新たにスタートアップワイナリーへのコンサルティング事業を開始する。同社は、日本で初となる民間のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツとしており、日本でも有数のワインづくりの経験と人的財産、ワイン販売のノウハウを有している。それらの強みを生かし、ぶどう栽培からワインの醸造・生産、マーケティング・販売など、各ワイナリーが抱える課題解決に向けた包括的なコンサルティングにより、スタートアップワイナリーを支援する。
既に、岩手県と宮城県の計4つのワイナリーにコンサルティングを実施している。岩手県のMKファームこぶし、アールペイザンワイナリー、宮城県の仙台秋保醸造所、南三陸ワイナリーが、ぶどうの見極め方や醸造方法などのコンサルティングを受けている。
メルシャンでは今後、ワイナリーの支援に加え、日本ワイン産業の持続的な成長に向けたパイプラインとなることを目指すとしている。
<関連リンク>
スタートアップワイナリーへのコンサルティング事業を開始