コラム

「第7回サクラアワード2020」の受賞ワインが出そろう

2020年3月10日、「第7回サクラアワード2020」の最高賞であるダイヤモンドトロフィー、特別賞グランプリが発表された。これで、同年2月14日に発表されたダブルゴールド、ゴールド、シルバー受賞ワインと合わせて、受賞ワインが全て発表された。

「サクラアワード」とは

今年で7回目を迎えた「サクラアワード(“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards)」は、2014年から開催されているアジア最大規模のワインコンペティションだ。「日本の食事に合ったワインの選出」「日本のワイン消費量を増やす」「女性の活躍の場を拡大する」を目的として始まった。審査員は全員、日本のワイン業界で活躍している女性が務める。2020年は、延べ560名の審査員が、29カ国から出品された4333アイテムのワインを審査した。

審査員はブラインド・テイスティングで審査し、100点満点で評価する。今年は、ダブルゴールド(平均点が93~100点)に256アイテム、ゴールド(平均点が88~92点)に957アイテム、シルバー(平均点が83~87点)に836アイテムが選ばれた。ダブルゴールドを受賞したワインの中から、最終審査によって選出されるダイヤモンドトロフィーには、49アイテムのワインが選ばれた。

受賞ワイン紹介

先に記した通り、ダイヤモンドトロフィーは、ダブルゴールド受賞ワインの中から選出される。特別賞は17あり、ゴールド以上を受賞したワインから選ばれる。ベスト国産ワイン賞以外の特別賞は、高評価を得た対象ワイン10アイテムに与えられ、その中で最高得点を獲得したワインがグランプリに輝く。

特別賞受賞ワイン

「女性ワインメーカー賞」
女性ワインメーカー賞は、女性ワインメーカーが手掛けたワインの中で、高評価を得たワインの醸造家10名に与えられる賞。その中で最高得点のワインをつくった醸造家がグランプリを受賞する。今年のグランプリには、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーのチーフワインメーカー、ジュヌヴィエーヴ・ジャンセン氏が輝いた。

「ロゼワイン賞」
ロゼワイン賞を受賞したのは、フランス6アイテム、アメリカ2アイテム、チリと日本が1アイテムずつ。同賞を受賞した日本ワインは、五ヶ瀬ワイナリー(宮崎県)の「五ヶ瀬ワイン キャンベルアーリー」だ。グランプリには、フランスのレ・フレール・ラフィットが産する「ル・プティ・ガスコン・ロゼ 2018」が選ばれた。

「ベスト国産ワイン賞」
ベスト国産ワイン賞は、世界のワインと肩を並べる品質を誇る国産ワインに与えられる賞で、今年は4アイテムが受賞した。受賞ワインは、エーデルワイン(岩手県)の赤ワイン「ゼーレ・オオハサマ・メルロー樽熟成」、北海道ワインの白ワイン「北海道限定 旅路」、五ヶ瀬ワイナリーの「五ヶ瀬ワイン キャンベルアーリー」、朝日町ワイン(山形県)の赤ワイン「マイスターセレクション・キュヴェ・マスカットベーリーA 赤」となっている。

「コストパフォーマンス賞」
コストパフォーマンス賞は、1000円以下、1001円~1500円、1501円~2500円の3つの価格帯別に選出されるもので、各価格帯にて高得点を獲得したワインそれぞれ10アイテムが受賞する。

今年は、1000円以下の部門では、白ワイン4アイテム(チリ2、アメリカ1、ブルガリア1)と、赤ワイン6アイテム(フランス4、ポルトガル2)が受賞した。

1001円~1500円の部門では、白ワイン4アイテム(アルゼンチン、モルドバ、ルーマニア、アメリカ各1)、赤ワイン3アイテム(イタリア2、スペイン1)、ロゼワイン2アイテム(チリ、フランス各1)、スパークリングワイン1アイテム(ニュージーランド)が受賞した。

1501円~2500円部門の受賞ワインは、白ワインが4アイテム(イタリア2、チリ1、南アフリカ1)と赤ワイン5アイテム(スペイン2、オーストラリア1、南アフリカ1、アメリカ1)、スパークリングワイン1アイテム(ドイツ)となっている。

新しい4つの特別賞

「いつも飲みたいスパークリングワイン賞」
いつも飲みたいスパークリングワイン賞は、今年から新たに加わった特別賞。小売価格2500円以下のスパークリングワインから選出される。今年は、スペインとイタリア産が2アイテムずつ、フランス、ドイツ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ産の各1アイテムが受賞した。グランプリにはイタリアのカンティーナ・ディ・カステルヴェトロが産した「ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ・セッコN.V.」が輝いた。

「珍しい古来品種や土着品種賞」
珍しい古来品種や土着品種賞も、今年から新たに加わった特別賞。一般的には知られていない、古くから伝わる土着品種や希少品種からつくられたワインに与えられる。今年は、白ワイン1アイテム(スロバキア)、赤ワイン7アイテム(ジョージア6、ブラジル1)、スパークリングワイン1アイテム(ジョージア)、デザートワイン1アイテム(スロバキア)が受賞した。同賞では、ジョージアの土着品種であるサペラヴィ(100%)からつくられた赤ワインが5アイテムも選出されている。グランプリは、ジョージアのグラミシヴィリ・マラニが産したスパークリングワイン「グラミシヴィリ・マラニ・グランド・リザーブ・ブリュット 2015」が獲得した。

「フォーティファイドワイン賞」
フォーティファイドワイン賞も今年から新たに加わった特別賞。ポルトガル産 の7アイテム、オーストラリアの2アイテム、フランスの1アイテムが受賞した。グランプリに選ばれたのは、オーストラリアのスタントン・アンド・キリーン・ワインズが産した「ラザグレン・マスカット」だ。

「デザートワイン賞」
アイスワインなど甘口のデザートワインに与えられるデザートワイン賞も、今年新設された特別賞だ。今年は、フランスとハンガリー産が各3アイテム、イタリアが2アイテム、スロバキアと日本の各1アイテムが受賞した。この賞を受賞した日本産ワインは、ひるぜんワイン(岡山県)の「岡山ピオーネ」で、グランプリにはフランスのヴィニョーブル・マリー・マリアが手掛けた「ルッツ 2016」が輝いた。

「和食・アジア料理に合うワイン賞」特別賞

「寿司に合うワイン賞」
寿司によく合うワイン賞を受賞したのは、白ワインが1アイテム(イタリア)、ロゼワイン1アイテム(フランス)、スパークリングワイン8アイテム(フランス6、オーストラリア1、ドイツ1)。グランプリを獲得したのは、フランスのサントル・ヴィニコル・シャンパーニュ・ニコラ・フィアットが産するスパークリングワイン「ニコラ・フィアット・ヴィンテージ・キュヴェ・スペシャル・ブリュット2013」だ。

「天ぷらに合うワイン賞」
天ぷらに合うワイン賞は、白ワイン4アイテム(ドイツ、アルゼンチン、イタリア、アメリカ各1)、ロゼワイン1アイテム(チリ)、スパークリング5アイテム(フランス2、ドイツ1、イタリア1、ニュージーランド1)が受賞。グランプリには、ドイツのドイチェス・ヴァイントアEGが産する白ワイン「ヴァイントア・ソーヴィニヨン・ブラン・ファルツ2018」が輝いた。

「すき焼きに合うワイン賞」
すき焼きに合うワイン賞を受賞したのは、全て赤ワイン。イタリア、日本、スペイン産が2アイテムずつ、ポルトガル、アルゼンチン、フランス、ウルグアイのワインが各1アイテム選ばれた。グランプリは、ポルトガルのカザ・レウヴァスが産する「アトランティコ・レゼルヴァ2017」。なお、同賞を受賞した日本産ワインは、朝日町ワイン(山形県)の「マイスターセレクション・キュヴェ・マスカットベーリーA 赤」と、シャトー酒折ワイナリー(山梨県)の「マスカットベリーA 樽熟成 キュヴェ・オギハラ」だ。

「焼き鳥に合うワイン賞」
焼き鳥に合うワイン賞を受賞したのは、白ワインが1アイテム(アメリカ)、赤ワイン8アイテム(アルゼンチン4、イタリア2、オーストラリア1、日本1)、ロゼワインが1アイテム(フランス)。グランプリにはフランスのヴィニュロン・ピエール・ドレが産するロゼワイン「ボジョレー・ラ・ローズ・ナカラット2019」が輝いた。同賞を受賞した日本産ワインは、朝日町ワインの「マイスターセレクション・キュヴェ・マスカットベーリーA赤」。

「鉄板焼きに合うワイン賞」
鉄板焼きに合うワイン賞を受賞したのは、全て赤ワインだ。フランスの3アイテム、アルゼンチンとオーストラリアのそれぞれ2アイテム、南アフリカ、イタリア、チリの各1アイテムが選ばれた。グランプリは、南アフリカのノーブル・ヒル・ワイン・エステートが産する「シラー 2017」が受賞した。

「寄せ鍋に合うワイン賞」
寄せ鍋に合うワイン賞を受賞したのは、白ワインが6アイテム(イタリア2、アメリカ2、フランス1、ドイツ1)、赤ワイン1アイテム(ニュージーランド)、ロゼワイン1アイテム(フランス)、スパークリングワイン2アイテム(フランス、ジョージア各1)。グランプリには、イタリアのパラディンが産する白ワイン「ボスコ・デル・メルロー・ソーヴィニヨン・ブラン・トゥラーニオ2018」が選ばれた。

「韓国料理に合うワイン賞」
韓国料理に合うワイン賞は、赤ワイン9アイテム(オーストラリア3、フランス2、ポルトガル2、アメリカ1、イタリア1)、スパークリングワイン1アイテム(イタリア)が受賞。グランプリに輝いたのは、オーストラリアのウェイクフィールド・テイラーズ・ファミリー・ワインズが産する赤ワイン「セント・アンドリューズ・カベルネ・ソーヴィニヨン2017」だ。

「中華料理に合うワイン賞」
中華料理に合うワイン賞を受賞したのは、白ワイン1アイテム(アメリカ)、赤ワイン4アイテム(オーストラリア2、アルゼンチン1、フランス1)、ロゼワイン4アイテム(フランス2、アメリカ1、チリ1)、スパークリングワイン1アイテム(フランス)。グランプリは、アメリカのワイナリー・エクスチェンジが産するロゼワイン「ブレッド・アンド・バター・ロゼ 2018」が獲得した。

「タイ料理に合うワイン賞」
タイ料理に合うワイン賞は、白ワイン5アイテム(イタリア2、フランス1、ポルトガル1、スペイン1)、ロゼワイン3アイテム(フランス、アメリカ、スペイン各1)、スパークリングワイン1アイテム(ドイツ)、デザートワイン1アイテム(イタリア)が受賞した。グランプリにはイタリアのヴィーニャ・トラヴェルソが産するデザートワイン「モスカート・ローザ2016」が選ばれた。

ダイヤモンドトロフィー

ダブルゴールドに選ばれたワインの中から、より優れた最高のワインに与えられる賞。エントリー数の約1%が受賞している。

【関連リンク】
“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 2020 結果発表!

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