伝統を重んじるローヌの重鎮ワイナリー「ポール・ジャブレ・エネ」は、人の手による農作業と、有機肥料によるぶどう栽培を徹底。ワインを洞窟で熟成させるなど、最高の手法でつくられる「ラ・シャペル」を筆頭に、揺るがぬ地位を持つ。
本コラムでは、そんなこだわりを持ってワインづくりを続けるポール・ジャブレ・エネについて、ご紹介していこう。
ポール・ジャブレ・エネの歴史
「ラ・シャペル」と洞窟熟成
1834年、アントワーヌ・ジャブレ氏により設立されたポール・ジャブレ・エネ。ローヌ渓谷のエルミタージュという最高に恵まれた土地で、高品質のワインを生み出し続けている。
ポール・ジャブレ・エネを代表する赤ワインは「ラ・シャペル」だ。なお、同名の白ワインはしばらく生産中止になっていたが、2006年より生産再開された。
このラ・シャペル赤の1961年ヴィンテージは、ワイン・スペクテイター誌において「20世紀の神話的12本」の1本に選ばれている。
2006年にはシャンパーニュ地方のフレイ家が買収。現在は女性醸造家のカロリーヌ・フレイ氏が醸造を担当している。
ポール・ジャブレ・エネのワインづくり
徹底した手作業へのこだわり
ポール・ジャブレ・エネの自社畑は100haほど。この畑では、伝統的な農法でぶどうが栽培され、ほぼすべての工程が手作業だ。中には特殊な技術を要するものもあり、熟練したスタッフが活躍している。除草剤の使用は禁止し、有機肥料を利用する。
そうしたこだわりを持って育てられるぶどうの中でも、ラ・シャペルには非常に収量を抑えた畑で栽培したシラーを使用している。
熟成のためだけの洞窟
1992年、ポール・ジャブレ・エネはラ・シャペルなどの同社最高級クラスのワインを熟成させる場所として、17haという広さの洞窟を購入した。
この洞窟は紀元前121年にローマ人により掘られ、1886年まで採石が行われていた。今ではエルミタージュの観光名所となって、多くのワインファンを魅了。1200を超す木樽が熟成され、出荷の瞬間を待っている。
ポール・ジャブレ・エネのおすすめワイン
ローヌワインの素晴らしさを100年以上の長きにわたって伝えてきたポール・ジャブレ・エネ。コスパの良い価格帯から、ラ・シャペルなどワイン愛好家垂涎のワインまで、人気のワインが数多くある。
・パラレル45
・エヴィデンス・パー・カロリーヌ
・コルナス ドメーヌ・デュ・サン・ピエール
・クローズ・エルミタージュ レ・ジャレ
・ジゴンダス ピエール・エギュイユ
・ジョエル・ロブション・コレクション クローズ・エルミタージュ
・エルミタージュ ラ・シャペル