INDEX
週末に飲む素敵なワインを専門店で探していて、「オーガニック」というキーワードが目に入り、つい心惹かれてしまったことはないだろうか。
自然本来の魅力を引き出そうというオーガニックワイン。注目している人も多いと思うが、どうしてもそうでないワインと比べて、ちょっとお高くなってしまう。「普段飲みには高いかな……」と見送っている人もいるかもしれない。
もっと普段飲みに使えるオーガニックワインはないものだろうか――と悩んでいた方たちには朗報だ。この春、メルシャンが1000円未満の価格帯で入手できるオーガニックワインを発売した。
メルシャンがリリースしたのは、フランス最大級のビオディナミ実践ワイナリー、ドメーヌ・カズ監修の「ベル・フルール オーガニック」と、最難関のワイン資格「マスター・オブ・ワイン」を持つサム・ハロップ氏が手掛けたスペインのワイナリー ボデガス・フォンタナの「メスタ」だ。どちらもECサイトの楽天で価格検索してみたところ、1本当たり626~777円(送料別)、12本ケースで9953円(送料込)で販売しているショップが見つかった。
それぞれ、どんな特徴があるワインなのだろうか。2018年2月20日に開催されたメルシャンの「春夏の試飲商談会」で、同社マーケティング部 輸入グループ長の山田一幸氏に話を伺ってきた。
目指したのは、1000円未満でありながら王道のオーガニックワイン
――この春、メルシャン一押しの普段飲みに使えるオーガニックワイン。どんな狙いがあって、1000円未満で入手できるオーガニックワインを販売しようと企画したのでしょうか。
ここ最近、オーガニックワインに興味を持たれるワイン愛好家の皆さんが増えてきています。ただ、アンケートでご意見を伺ってみたところ、オーガニックワインに対して「割高で手に取りにくい」といった印象を持たれている方が多いことが分かりました。
営業担当者を通して、スーパーや酒販店などの取引先にヒアリングしても、「1000円台で買えるオーガニックワインはあるものの、なかなか購入に踏み切れない方が多い。1000円以下で買えるオーガニックワインが市場に出てきたら、オーガニックワインを楽しむ方は増えるのではないだろうか」といった声があがってきていました。
[写真はマーケティング部 輸入グループ 瀧川 佳奈ブランドマネージャー]
メルシャンとしては、ワインをもっと日本人にとって身近なものにしていきたい。日本でワインの裾野を広げていく取り組みの1つとして、現状では1000円札1枚では買えないオーガニックワインが多い中で、1000円札1枚あれば買える価格で販売できないかと考えたのです。
そこで海外の数あるワイナリーの中から、1000円未満という低価格でありながら、オーガニックの魅力を十二分に堪能できるワインを生み出してくれるパートナーを探し、ドメーヌ・カズ、ボデガス・フォンタナとの商品開発をスタートさせました。
目指していたのは、親しみやすい味わいでありながら、ストーリー性のあるオーガニックワイン。オーガニックワインのジャンルは幅広く、中には個性の強いものもあります。どこか尖った特徴を持つワインよりは、全体的に高いパフォーマンスを発揮しつつ、安定的に高品質を保てるワインを生み出そう。メルシャンはフランス・パリに拠点があり、そこのメンバーとも連携しながら、フランスの「ドメーヌ・カズ」、スペインの「ボデガス・フォンタナ」と商品開発を進めてきました。
南仏ワインで週末にリラックス。フランス最大級のビオディナミ実践ワイナリー、ドメーヌ・カズ監修の「ベル・フルール オーガニック」
――まずはドメーヌ・カズの「ベル・フルール オーガニック」の特徴について教えてください。
ドメーヌ・カズは、フランス最大級のビオディナミ実践ワイナリーです。オーガニックワインに関して、これまでに培ったノウハウと技術を持っていまして、そうした彼らの知見を「ベル・フルール オーガニック」にもしっかりと反映してくれました。
本来なら、ドメーヌ・カズが手掛けるワインの価格帯はワンランク上。そこを何とか1本1000円未満で日本に届けたいと、ドメーヌ・カズに「監修」という形で協力をお願いして、共同開発で「ベル・フルール オーガニック」をつくりあげました。メルロー100%の赤ワインとシャルドネ100%の白ワインをご用意しております。
ワインの味わいは、日本の消費者に合わせて仕上げました。南仏ワインにはしっかりとした肉厚なコクがある印象がありますが、「ベル・フルール オーガニック」は非常にバランスを重視しておりまして、口当たりがよく、フローラルな香りが広がるように意識しました。
平日は仕事をがんばっている30~40代の女性に、週末ゆっくりするときに飲んでもらいたい1本です。飲んでいただくと南仏のイメージが広がり、リラックスできると思います。このワインを通して、そんな南仏の雰囲気も楽しんでもらいたいですね。
パッケージのモチーフは羊。テンプラニーリョを使いながら、良い意味でスペインらしからぬ「メスタ オーガニック」
――ボデガス・フォンタナの「メスタ オーガニック」はいかがでしょうか?
ボデガス・フォンタナはスペインのワイナリーです。マスター・オブ・ワインのサム・ハロップ氏が醸造責任者を務めていて、こちらもテンプラニーリョ100%の赤ワインとベルデホ100%の白ワインをラインアップしています。
スペインワインと言うと、どうしても「肉厚で濃いワイン」という印象を持っている方もいらっしゃることでしょう。「メスタ オーガニック」はそのイメージを良い意味で裏切ってくれて、非常に幅広い食事に合わせやすいワインになっています。
赤ワインに使っているテンプラニーリョは、非常にスペインらしいぶどう品種です。日本の食卓でも気軽に楽しめる赤ワインに仕上がっていまして、果実味が豊かです。肉系料理全般、特に煮込み系の料理に合わせやすいのではないでしょうか。白ワインは、魚介系から塩味を利かせた鳥肉や豚肉の料理など幅広く合うと思います。
「メスタ オーガニック」のパッケージには羊が描かれています。オーガニックを象徴する動物ということで羊をモチーフにしました。こうしたワインのパッケージについても、日本の皆様の好みを踏まえて、オーガニックというコンセプトが伝わり、手に取っていただきやすいデザインは導入時のポイントになりました。
――オーガニックワイン、それほど馴染みがない人は、どうやって楽しめばいいでしょうか?
「オーガニック」はワインの持つ特徴の1つでしかないと考えています。「オーガニックだからいい」ではなくて、あくまで個性の1つとしてワインを楽しんでいただきたいですね。
メルシャンとしては今回の「ベル・フルール オーガニック」「メスタ オーガニック」にとどまらず、より手に届きやすい手頃な価格で、よりいいワインを、今後も提供していけるように力を入れていきたいと考えております。
<関連リンク>
ベル・フルール オーガニック
メスタ オーガニック