コラム

身近で始められるエシカル消費 オーガニックワインのすすめ ~メルシャン「オーガニックワイン オンラインセミナー」

メルシャンは2021年4月13日、サステナブルな社会の実現に向けたオーガニックワイン市場の拡大に向けた取り組みと、産直tabeloopとともに行うキャンペーンについての説明会を、オンラインで開催した。

今回は、説明会の中から、メルシャンがオーガニックワインを重視している理由、そしてビオディナミ農法を実践しているフランスのつくり手、ドメーヌ・カズについて紹介する。

メルシャンがオーガニックワインで伝えたいこと

オーガニックワインとは、有機栽培のぶどうからつくられ、栽培や醸造に対して定められた厳格な条件をクリアし、認証機関で承認されたワインのことだ。

メルシャンは「わたしにイイこと、みんなにイイこと。」を掲げて、オーガニックワイン市場をけん引している。今回の説明会では、メルシャンがオーガニックワインを通じて実現したいことについて、同社マーケティング部ブランドグループの仁保麗氏により説明された。

マーケティング部ブランドグループの仁保麗氏

オーガニックワイン=エシカルな商品

社会や環境に配慮した消費行動に対する意識は世界で広まりつつある。特にSDGs(持続可能な開発目標)の12番目のターゲット「つくる責任 つかう責任」を進めるためには、「エシカル消費」という概念が有効と言われている。エシカル消費とは、地球環境や人、社会、地域などを考慮してつくられたものを購入・消費する行動のことだ。オーガニック製品の購入はエシカル消費の1つと考えられている。

メルシャンでは、ぶどう100%でつくられるワインは農作物であると考え、オーガニックワインは「未来に目を向けたエシカルな商品」だと考えている。

フランスでは、2023年には消費されるワインのうち5本に1本がオーガニックワインになると見込まれている。日本の輸入スティルワインに占めるオーガニックワインの割合も2020年には5.5%となり、2015年の2.7%から2倍以上に成長した。

メルシャンでは、つくり手がどのようなビジョンを持ち、ワインを手掛けているのかを重視している。その思いを消費者に伝えることで、オーガニックワインを手に取るきっかけになればと考えているそうだ。

オーガニック&ビオディナミ実践ワイナリー「ドメーヌ・カズ」

メルシャンと10年以上のパートナーシップを持ち、フランス最大級のオーガニック&ビオディナミを実践するつくり手が、ドメーヌ・カズだ。

スペインとの国境に近いルーション地方で1895年に創立され、1997年から周囲に先駆けてオーガニックおよびビオディナミを実践している。現在は、ディズニーランド4つ分に当たるという220haの広大な畑全てで、ビオディナミに取り組んでいる。

ビオディナミとは、「自然な環境で土壌と植物を保全し、価値を与える取り組み」から始まっており、オーガニックからさらに踏み込んだ農法のことだ。

ドメーヌ・カズでは、次世代にワイン産業のバトンをつないでいきたいという強い思いを持っており、他のワイナリーとパートナーシップを強化して、技術や専門知識、経験を提供し、ビオディナミ普及による品質向上や環境配慮に貢献している。

つくり手からのメッセージ

説明会では、ドメーヌ・カズの取締役社長であるリオネル・ラヴァイユ氏からの動画メッセージも披露された。

ドメーヌ・カズの取締役社長リオネル・ラヴァイユ氏

メッセージから一部を抜粋して紹介しよう。

ドメーヌ・カズでは、1997年にビオディナミ農法を開始しました。私たちは畑の土壌に向き合うことはとても重要だと考えており、次世代の人たちが住みやすい世界をつくっていくためにオーガニックやビオディナミ農法に取り組むことが重要だと信じています。オーガニックやビオディナミに取り組むことで、土壌が元気になり、ぶどうが健やかになります。そうしてワインの品質も向上するのです。ですから、私たちはケミカルなものの使用をやめて、自然由来のものに切り替えました。これがドメーヌ・カズの最も重要な戦略、哲学であり、20年以上継続しています。

始まりは、純粋においしいワインをつくりたいという思いであり、育てたぶどうが最大限に表現されているワインをつくるために、オーガニックは必要な選択肢だった。

その地に根差すつくり手として、ワインに関わる全ての人、そして未来の人が幸せになることを重視した結果、オーガニックやビオディナミを選択することになったという。

身近なところからエシカル消費を

オーガニックワインなどのオーガニック食品を選択することは、SDGsの中で「つくる責任、つかう責任」に当たるエシカル消費の1つだ。近年では、メディアでエシカル消費が取り上げられることも増えている。電通が実施した「エシカル消費 意識調査2020」によると、新型コロナウイルス感染症対策による自粛期間で、エシカル消費を意識するようになった人は30.9%。しかし、実践している人は6.5%にとどまっている。

同調査により、エシカル消費に対して、「よく分からない」「どんな行動がエシカル消費につながるのか分からない」と感じている人が多いことが分かっている。食品は日常生活で身近なカテゴリーだと言えるだろう。

そこで、メルシャンが身近に始められるエシカル消費として提案しているのが、産直食品とオーガニックワインが並ぶ食卓だ。

次回は、メルシャンが産直tabeloopとともに実施するキャンペーンについて紹介する。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ