INDEX
- 生産者と共につくったファーストヴィンテージ
- 「この人たちはいいものをつくるだろう」とコラボを企画
- 9種類のラインアップ
- 「甲州」山梨県甲州市勝沼町産甲州100%(2500円/税別)
- 「ベリーA」山梨県甲州市勝沼町産マスカットベリーA 100%(2100円/税別)
- 「富士の夢」茨城県つくば市産富士の夢100%(2600円/税別)
- 「醸し甲州」山梨県甲州市勝沼町産甲州100%(2500円/税別)
- 「ベリーA ロゼ」山梨県韮崎市穂坂町マスカットベリーA 100%(2100円/税別)
- 「北天の雫」茨城県つくば市産北天の雫100%(2400円/税別)
- 「甲州 無濾過」山梨県南アルプス市産甲州100%(2500円/税別)
- 「ナイアガラ」長野県塩尻市産ナイアガラ100%(2100円/税別)
- 「コンコード」長野県塩尻市産コンコード100%(2100円/税別)
松屋浅草において4月3日まで、東京・台東区にあるワイナリー「BookRoad ~葡蔵人~」とのコラボ企画が開催されている。会場は地階イベントスペース。開催時間は10~20時だ。
生産者と共につくったファーストヴィンテージ
御徒町にあるBookRoad ~葡蔵人~は、2017年11月にオープンしたばかり。台東区に初めてできたワイナリーだ。
ファーストヴィンテージは、ぶどうの生産者と共につくり上げたという思いが強いと言う。醸造責任者の須合美智子氏は「『こんなワインをつくりたい』という気持ちに共感してくれたり、応援してくださったりするヴィンヤードと契約をさせていただきました。ぶどうが育っている途中で畑に足を運び、糖度や収穫時期について生産者と話し合って決めました」と語る。
BookRoad ~葡蔵人~を運営するK’s プロジェクトの大下弘毅代表取締役は、山梨県のワイナリーで醸造を学んだ。いわゆる“都市型ワイナリー”を台東区にオープンした理由を聞くと、「東京にあることで、たくさんの人にワインづくりを身近に感じてもらえるからです。ワインの評価基準はお客様。たくさんの人に日本ワインのおいしさを伝えたいので、都市型ワイナリーをオープンしました」と答えてくれた。
コラボをきっかけに、台東区にBookRoad ~葡蔵人~ができたことを多くの人に知ってもらい、東京から地方や外国へのお土産に利用してほしいと考えているという。
また、大下弘毅代表取締役はワインバザールの読者へ、このようなコメントを寄せてくれた。
BookRoad ~葡蔵人~というワイナリーは葡萄(生産者)と蔵(ワイナリー)、そして人(お客様)がつながって繁栄していきたいという願いを込めて名付けました。名前の由来のように、読者の皆様とワインを通してつながっていけたらと思っております。
「この人たちはいいものをつくるだろう」とコラボを企画
今回のコラボを手掛けた松屋浅草のバイヤー、奥本亮太氏は今回のコラボについてこう語っている。
松屋浅草では、今までも台東区デザイナーズビレッジや近隣のお店などとコラボし、日頃から「地域密着」を掲げてきました。
台東区内にワイナリーを構えるという画期的かつチャレンジングな姿勢に賛同したことや、“台東区に「還元」したい”という思いが強く感じられたため、この企画を立ち上げることになりました。スタッフの皆様の人間性やワインづくりへの強い思いがBookRoad ~葡蔵人~の魅力です。
経験上、第一印象や話を伺う中で「この人たちはいいものをつくるだろう」と感じられました。まずは松屋のお客様にBookRoad ~葡蔵人~の存在を知ってもらう。そしてファーストヴィンテージながらも、きらりと光るワインをご紹介したいと考えております。
これから年々ブラッシュアップされていく過程を、お客様にも感じていただきたいです。そういった意味では、この企画がまさにスタート。同じ台東区ということもあり、共に成長していければいいなと思っています。
9種類のラインアップ
さて、実際に店頭に並ぶワイン9点をご紹介していこう。
「甲州」山梨県甲州市勝沼町産甲州100%(2500円/税別)
絞った果汁を一晩静置させ、上澄みだけを発酵させてつくったワイン。
テイスティングメモ:辛口で果実味のボリュームがあります
「ベリーA」山梨県甲州市勝沼町産マスカットベリーA 100%(2100円/税別)
果皮の色味とタンニンを抽出するために5日間醸した1本。
テイスティングメモ:軽やかな酸味と渋みのバランスが取れた赤ワイン
「富士の夢」茨城県つくば市産富士の夢100%(2600円/税別)
富士の夢は、メルローと山ぶどうを交配させたぶどう品種だ。
テイスティングメモ:甘く完熟したプルーンのような香りと色。スパイシーで濃厚な味。肉!と飲みたくなるワインです
「醸し甲州」山梨県甲州市勝沼町産甲州100%(2500円/税別)
白ワイン用の甲州を5日間醸してから搾り、タンニンと甲州の果皮の色を十分に溶け込ませた。
テイスティングメモ:タンニンを感じる辛口ワイン
「ベリーA ロゼ」山梨県韮崎市穂坂町マスカットベリーA 100%(2100円/税別)
スタッフ全員で選果して収穫し、醸造したワイン。
テイスティングメモ:発酵中からいい香りが漂いショートケーキと飲みたい!と直感したワインです。見た目によらずドライな味わい
「北天の雫」茨城県つくば市産北天の雫100%(2400円/税別)
北天の雫はリースリングと山葡萄を交配させたぶどう品種。
テイスティングメモ:少し早めに収穫し、酸を存分に感じられる1本
「甲州 無濾過」山梨県南アルプス市産甲州100%(2500円/税別)
テイスティングメモ:葡萄の果実感を瓶に詰め込みました。見た目通り濃厚な味です
「ナイアガラ」長野県塩尻市産ナイアガラ100%(2100円/税別)
テイスティングメモ:リラックスできそうなアロマティックな香り
「コンコード」長野県塩尻市産コンコード100%(2100円/税別)
テイスティングメモ:辛口のコンコードの余韻を長く楽しめる味
※各ワインの詳細はBookRoad ~葡蔵人~からの提供
一番人気は、第一号ワインの「アジロン」(山梨県甲州市勝沼町産アジロンダック100%)だった。残念ながらすでに売り切れとなっている。
アジロンを「今後BookRoad ~葡蔵人~の顔にしたい」と醸造責任者の須合美智子さんは語る。生産農家に収穫量を増やすようにお願いしており、来年はより多くの人が手に取る機会に恵まれそうだ。
コラボ企画の会場は松屋浅草の地下1階。周囲には惣菜店が立ち並ぶ一角で開催されている。
ちょうど今週末、東京ではお花見に最適のタイミングだ。BookRoad ~葡蔵人~のワインボトルには、おすすめの食材が描かれている。出来上がったときにスタッフ全員でテイスティングをして、おすすめの食材を決めているそうだ。お気に入りのワインとそれに合う惣菜を手にして、桜咲く隅田川沿いで楽しむのも粋かもしれない。