本当はシャンパンが好きだけど、なかなか高くて手が出ない。でも、安いスパークリングワインを買って「失敗した……」と後悔したことは、ワイン好きなら1度は経験することだろう。
失敗の内容は実にさまざま。「すぐに泡がなくなった」「発泡が弱かった」「甘過ぎた」「質が悪く悪酔いした」など、このあたりが代表的なものだろうか。そんな経験を経て、「やっぱりシャンパンじゃないとダメだ」と感じたこともあるかもしれない。
しかし、世の中にはシャンパン以外にも実に魅力的なスパークリングワインが多くつくられている。
良質で泡立ちもよく、エレガントなスパークリングワインを探すには、どうすればいいだろうか。アタリを見極めるためのキーワードをいくつかお伝えしたい。
ガス圧高めで選ぶなら「瓶内二次発酵」を狙う
シャンパンのガス圧は5気圧程度と高いのに比べ、多くのスパークリングが3〜4気圧程度だ。
シャンパンの生き生きとした泡は、瓶に詰めたワインに加糖をし、瓶内で二次発酵させる工程により発生する。ただ瓶内二次発酵は、瓶の暴発を防ぐため、発酵と熟成には非常に手間のかかる工程を必要とする。
世界にはシャンパン方式の瓶内二次発酵を経てリリースされるスパークリングワインが他にも多くある。代表的なものとして、イタリアのフランチャコルタが挙げられる。他にもスペインのカヴァやドイツのゼクトの一部も瓶内二次発酵でつくられ、比較的強めな泡立ちが特徴だ。
しっかりした泡立ちを望むなら、説明に「瓶内二次発酵」もしくは「シャンパーニュ製法」などの記載がある1本を選ぼう。
甘口・辛口で選ぶなら、「ブリュット」「セック」などの言葉を探す
シャンパンは液体の中の残糖度が決まっていて、その中でも極辛口や辛口などに分けられる。スパークリングワインの味わいは実にさまざまで、極辛口から甘口まで多くの種類が流通している。
極辛口から甘口まで、自分が苦手なものを引き当てないように、「ブリュット」「セック」といった言葉を覚えておこう。
「ブリュット」は辛口、「エクストラ・ブリュット」は極辛口、「デュミ・セック」は半辛口、「セック」は中甘口くらいのニュアンスと考えるといい。
なお、少し甘めであっても良いつくり手のものはすっきりとしているため、甘口という言葉だけで購入を避けるのはもったいない。
味わいで選ぶなら、ぶどう品種に注目
ワインを選ぶときに、「ブラン・ド・ブラン」という言葉をよく見掛けると思う。「ブラン・ド・ブラン」とは、シャルドネやピノ・ブランなどの「白ぶどうのみを使用してつくられた」という意味だ。フレッシュな酸味を持つ白ぶどうでつくられたスパークリングは、概ねキレのある爽やかな味わいとなる。
一方、「ブラン・ド・ノワール」とはピノ・ノワールやピノ・ムニエに代表される黒ぶどうのみでつくられたワインのこと。一般的に、こっくりとした深みのある味わいとなる。
多くのスパークリングワインが白ぶどうと黒ぶどうをブレンドしてつくられている。この白と黒ぶどうのバランスによって味わいが想像できるようになっていくので、購入の際にはぶどう品種もチェックしてみよう。