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「第4回日本ワインMATSURI祭」が2018年4月に東京・日比谷公園で開催された。同イベントに参加した18都道府県56ワイナリーの中から、注目のワイナリーをいくつか紹介していきたい。
今回紹介するのは、大分県からの参加となった安心院葡萄酒工房。イベント開始時から行列もできていた人気ブースだ。
自信の1本を含む3種類のワインを用意
安心院葡萄酒工房が用意していたのはスパークリング、白、赤の3種類だ。安心院産のぶどう100%にこだわったすべてのワインが、2日目を終えるまでに完売した。営業部の後藤直樹さんにそれぞれのワインの特徴を話していただいた。
安心院スパークリングワイン(白・極辛口)
安心院産シャルドネを100%使用し、一番のフラッグシップワインだという1本。天候に恵まれたイベント初日には、行列もできるほどの人気ぶりだった。
「きりっとした酸味が特徴の極辛口スパークリングワインです。ステンレスタンク熟成の後、国内では希少な瓶内2次発酵で優しい自然な泡を溶け込ませました」
安心院ワイン ソーヴィニヨン・ブラン(白・辛口)
安心院産ソーヴィニヨン・ブランを100%使用した辛口白ワイン。
「ハーブのような香りとすっきりとした飲み口が特徴です。日本ワインMATSURI祭が春先の開催だったこともあり、のごどしが良い、爽やかな白の辛口があるとお客様も喜んでいただけるのではと思いました。白い花束を思わせる香り、優しい口当たりで爽やかな酸を感じるやや辛口。熟成感も感じられ、他の2種類と異なる味わいが楽しめます」
安心院ワイン 小公子(赤・辛口)
安心院葡萄酒工房が一番力を入れている赤品種「小公子」を100%使用。安心院葡萄酒工房の自信がうかがえる1本だ。
「ヤマブドウ由来のスパイシーさがある香りと、しっかりとした酸味があります。今後の日本ワインの赤の印象を変える可能性がある赤ワインです」
「いいちこ」よりも長い歴史のある安心院のワイン
安心院葡萄酒工房は、麦焼酎「いいちこ」で有名な三和酒類の洋酒部門。三和酒類はもともと、大分県宇佐市の日本酒の蔵4社が合同でつくった会社だ。
安心院(あじむ)という土地でつくられた安心院ワインが発売されたのは1974年で、「いいちこ」の発売は1979年。実は、安心院葡萄酒工房のワインの方が、「いいちこ」よりも長い歴史を持つ。
自社農園を拡大
安心院は町自体が盆地となっており、昼夜の寒暖差があるため、ぶどう栽培に適しているという。現在は自社農園の拡張を進めており、2018年には総面積10haにも及ぶ新しいぶどう畑が誕生した。
安心院葡萄工房のワインについて、後藤さんは次のように語ってくれた。
安心院葡萄酒工房では、安心院産ぶどう100%を使用したワインにこだわっております。日本固有の品種である小公子や欧州系の品種であるテンプラニーリョやタナなど、さまざまな品種を栽培しており、チャレンジをし続けております。
弊社はこれからも、安心院の地で収穫したぶどう、大地の恵みを大事にして、お客様に喜んでいただけるワインをつくってまいります。
日本ワインの地域や品種の多様性に加えて、歴史あるワイナリーが挑戦を続けていることを実感させてくれた安心院葡萄酒工房。「来年は1商品当たりの数量を増やして参加したいと思います」とのことなので、来年も日本ワインMATSURI祭で会えそうだ。