INDEX
ナパヴァレー・ヴィントナーズの駐日代表・小枝絵麻氏が編み出した“ペアリング方程式”。食材や調理法などを当てはめるだけで簡単に優れたペアリングが可能になるという優れものだ。
前々回はその詳しい説明、前回は赤ワインと料理とのペアリングの実践例を紹介した。今回のコラムでは、実際の料理を方程式に当てはめ、どのワインとペアリングするのが良いか、白ワインを例に取りながら見ていこう。
1. 海老のマリネ レモンゼスト × シャルドネ
ヴィネガーでマリネしたピンチョススタイルの海老を、シャルドネに合わせるケースについて考えてみよう。
まずは方程式に当てはめてみる。かっこの中は、ポイントの数だ。
[食材]海老(1)+[調理法]マリネ(1)+[味つけ]塩(1)=3ポイント
これをシャルドネに合わせるためのブリッジ食材は、ずばりレモン。そのさわやかさが、海老とシャルドネとをうまくなじませる。
2. 自家製サーモンのマリネ ディルドレッシング × ソーヴィニヨン・ブラン
魚介にソーヴィニヨン・ブランに合わせたいときは、ライムやハーブがぴったり。
マリネしたサーモンのシンプルな一皿の方程式は、このようになる。
[食材]サーモン(2)+[調理法]マリネ(1)+[味つけ]塩(1)=4ポイント
サーモンにぴったりのディルを添え、ソーヴィニヨン・ブランとのコーディネートは完璧だ。
3. マリネした乾燥イチジクとオリーブ、アプリコット × ヴィオニエ
白ぶどうの中でも独特のインパクトと味わい深さを持つヴィオニエには、ドライフルーツやマンゴー、はちみつなど凝縮した甘みが好相性だ。
アプリコット、2種のオリーブ、ドライイチジクのこの一皿は、ペアリング方程式に当てはめると次のようになる。
[食材]野菜・乾燥果実(2)+[調理法]マリネ(1)+[味つけ]オリーブオイル(2)=5ポイント
フルーツの甘さとオリーブの塩気が、ヴィオニエの華やかな味わいでさらに引き立つ組み合わせだ。
4. 鮪のタタキ クリスピーなパルメザンチーズ、りんごチップ添え × シャルドネ/泡
表面だけを炙りタタキ状にしたマグロに、チーズでアクセントを加えた一皿。
[食材]マグロ(2)+[調理法]グリル(2)+[味つけ]パルメザンチーズ(2)=6ポイント
マグロとチーズというと、ピノ・ノワールあたりを合わせても良い感じがする。しかし今回はブリッジ食材にりんごを加えたことで、シャルドネのりんごのアロマとうまく合わせたアイディア勝ち。チーズの香ばしさをスパークリングに合わせてもおいしい。
この“ペアリング方程式”を開発した小枝さんは今後、スイーツとワインのペアリングも積極的に紹介していきたいとのこと。チョコレート×カベルネ・ソーヴィニヨンなど、夕食のワインをそのままデザートまで楽しめそうな提案もあった。
この“ペアリング方程式”を使って、皆さんも多彩なペアリングをどんどん楽しんでみてはいかが?