メルシャンは2019年9月4日、新しく発売する欧州産オーガニックワイン4種類のテイスティング会を開催した。経済連携協定(EPA)の発効で関税が撤廃された欧州産ワインの中でも、ナチュラルさと環境への取り組みから、関心が高まるオーガニックワイン。なぜ今、“旬”を迎えているのか。同イベントでは、オーガニックワインの人気の理由と、4つのオーガニックワインのつくり手が取り上げられ、その特徴や魅力について解説された。
今回はその中の1つ、イタリアの「コロンバ・ビアンカ」を紹介する。
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シチリア最大級のオーガニックワイン生産者組合「コロンバ・ビアンカ」
イタリアのシチリア島で最大級の生産者組合となる、コロンバ・ビアンカ。その名は、イタリア語で“白い鳩”を意味する。オーガニックワインの生産者としては、シチリア島にとどまらず、イタリアでも最大級の規模を誇っている。
アプリなどのデジタルツールを活用し、ぶどう栽培を徹底的に管理・効率化することで、圧倒的にコストパフォーマンスの良いワインを生み出している。
コストパフォーマンスに重点を置いたイタリアのワインガイド『ルカ・マローニ』(2019年度版)では、同ワイナリーのトップレンジのワインが満点を獲得。満点のワインは全体の0.5%以下にとどまるが、コロンバ・ビアンカでは、スタンダードレンジのワインについても90点以上を獲得している。コストパフォーマンスの良さと、品質の良さで高い評価を受けるオーガニックワインのつくり手だ。
オーガニック栽培が盛んなシチリア島
ぶどうの生育期のシチリア島は、雨が少なく、日照時間が長いという好条件に恵まれている。まさに、オーガニック栽培に適した気候だ。
コロンバ・ビアンカが島内に所有する7500haのぶどう畑のうち、オーガニック栽培を行っているのは全体の4分の1に当たる1800haだ。しかし数年後には、4000haがオーガニック認証を受ける予定だという。オーガニック栽培を進めることで、持続的な環境保全ができるだけでなく、生産物の価値が高まり、労働者にしっかりとした給料を提供できるというメリットもある。
シチリア島では、オーガニック栽培が環境的にも経済的にも良い影響を与えると考え、未来を見据えたワインづくりが行われている。
1000円以下の日本オリジナルワイン「ラ・コロンバ・ピッコラ」
メルシャンでは、コロンバ・ビアンカと共同で、日本オリジナルワイン「ラ・コロンバ・ピッコラ」を開発。日本国内でボトリングすることで、品質を保ちながら、コストパフォーマンスに優れたオーガニックワインを生み出した。
赤はシラーを100%、白はカタラットを100%使用。“酸とアロマの際立つワインづくり”という同ワイナリーのモットーが味わえるワインだ。海産物をよく食べるシチリア島の食文化は、日本とよく似ている。海からのミネラルを感じるワインは、日本食にも合わせやすい。
品質の高さで評価を受ける生産者による、確かなオーガニックワインが1000円以下で味わえる「ラ・コロンバ・ピッコラ」。これまで“高いから”とオーガニックワインを避けていた人にも、手に取りやすい1本だ。