コラム

ワイン×カジュアルが新鮮! 「サントリーワインサワー350ml缶」好調の理由

サントリーワインインターナショナル(SWI)は2021年3月30日、同年2月16日の発売以来、売れ行き好調の「サントリーワインサワー350ml缶」に関する説明会を、オンラインにて開催した。

同社執行役員で輸入・カジュアルワイン事業部長の木村靖彦氏と、同事業部課長の椎木絵理氏により、同商品の販売状況、購入者像とその反響、好調の要因などが発表された。

左:木村靖彦氏、右:椎木絵理氏

「サントリーワインサワー350ml缶」とは

「サントリーワインサワー350ml缶」は、同社がワインをより気軽に楽しんでもらいたいと開発した、新しいスタイルの缶入りワインだ。選び抜いたワインを炭酸水で割り、レモンの風味を加えることで、甘過ぎず、爽やかな味わいに仕上がっている。

最大の特徴は、手に取りやすい350ml缶という形態で販売されていること。同社ではコロナ禍以前から、ワインのハードルを下げるような製品の開発に取り組んできた。「サントリーワインサワー350ml缶」は、缶入り・炭酸というカジュアルさを持ちつつ、ワインの味わいを十分楽しめる商品となっている。

当初計画を大幅に上回る売れ行き

同社では、「サントリーワインサワー350ml缶」の2021年の年内販売計画を25万ケースとしていたが、発売から1カ月半で17万ケース販売数量と、当初計画の約7割を達成した。そのため、販売計画を1.4倍の35万ケースに上方修正した。

購入者の実態と反響

発売後の調査によると、ワインサワー缶の購入者は、ワイン購入者よりも若年層の割合が高い。40代以下の購入者の割合が、ワインは25%、RTD(Ready to Drink、そのまますぐ飲めるアルコール飲料)が49%であるのに対し、ワインサワー缶は65%となっている(期間:21/2/15~3/21週、サントリー調べ)。

また、購入者についてより詳しく見ると、ワインサワー缶の購入者はRTD購入者に比べて、ビール類、ワイン、ハイボール缶の併買率が高かった。ワインサワー缶、RTDそれぞれの購入者が基準期間の直前に何を購入したかを調べたところ、ワインサワー缶の購入者はビール類の併買率が76.0%(RTD購入者は61.7%)、ワインが40.4%(同28.9%)、ハイボール缶が33.0%(同12.5%)だった(基準期間:21/2/15~3/21、直前期間:20/12/14~21/2/14、サントリー調べ)。

購入者の反響

「サントリーワインサワー350ml缶」を実際に飲んだ人からは、次のような感想が寄せられた。「おいしい」「さっぱりしている」と味わいを高評価するコメントや、「何とか仕事乗り切った! 今日はワインの気分」「いつもと違って、ちょっとぜいたく気分」など、自分へのご褒美としてワインサワー缶を楽しむ様子が見られた。

また、同商品のポイントとなるレモンについては、「レモンひと搾りに惹かれて買ってみた」「レモンの酸味がとても良い!」と好意的だった。食事とよく合うとして、食卓のメニューとワインサワー缶を並べた写真をアップしている人もいた(リサーチ・アンド・イノベーション調べ)。

好調の3要因

「サントリーワインサワー350ml缶」の好調について、同社では3つの要因を挙げている。

1つ目として、同商品は開缶してすぐ飲めるRTD製品だが、そのRTDカテゴリーにおいて、ワインという言葉が持つ高級感や、ワインという価値が想定以上に効いているようだ。同商品の購入者100人を対象とした調査では、「サントリーワインサワー350ml缶」に期待していた価値として、1位「自分へのご褒美になりそう」、2位「ぜいたくな気分になりそう」、3位「料理と楽しめそう」など、ワインとしての価値を求める声が上位を占めている(期間:21/2/16~2/20、リサーチ・アンド・イノベーション調べ)。

2つ目の要因は、ワインが持つ“高級感”と、サワーや350ml缶という“カジュアルさ”の掛け算を新鮮だと感じた購入者が多かったことだ。

3つ目は、「レモンひと搾り」というキーワード。RTDカテゴリーでは、レモンサワーの人気が高く、同社ではこの「レモンひと搾り」がRTDユーザーの嗜好にマッチしたと見る。また、これまでワインに対して“渋い”“重い”などのイメージを抱いていた層が、レモンという言葉で「自分好みかもしれない」と試してみる気になったと考えられる。

新カテゴリー「ワインサワー」の創造

サントリーは、これまでハイボールをはじめ、レモンサワー、ジンソーダなど、「ソーダ割り文化」を醸成してきた。このソーダ割り文化をワインでチャレンジしたワインサワーについて、木村氏、椎木氏は共に「新カテゴリー“ワインサワー”を、サントリーがつくり上げていきたい」と語った。

イメージ価値の変革

新カテゴリーとなるワインサワーには、ワインとは異なるイメージ価値が必要になる。同社では、「凝縮した深い味わい」を持ち、「おしゃれな高年齢層」が「特別な日や週末、デート」で飲むワインに対し、ワインサワーのイメージを「ライトですっきりした味わい」を好む「缶酒ユーザー、若年層」が「曜日を気にせず、いつでも」飲める飲料と位置付けている。

今後の販促活動

「サントリーワインサワー350ml缶」の今後の販売活動について、椎木氏から上半期のスケジュールが発表された。

2021年5月~6月は、冷やしたり氷を入れたりといった、夏の飲み方提案をはじめとするサマーワイン活動を実施する。また同年7月~8月には、既存の「赤玉パンチ缶」や、自分好みに割って楽しめるコンクタイプの「割るだけワインサワー」と併せて、デジタルや店頭でのコミュニケーションを通じて、新カテゴリーの訴求を図っていくとしている。

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