2023年7月11日、Wines of Chile主催の「92+チリワイン グランド・テイスティング」がザ ストリングス 表参道(東京都港区)で開催された。プレミアム・チリワインは世界的に注目されており、同展示会には国際的なワイン品評会などで92点以上の評価を受けたワインのみが出品された。
展示会に出品したワイナリーの1つ、アラス・デ・ピルケ(Haras de Pirque)は、イタリアの老舗ワイナリーであるアンティノリ(Antinori)の所有するワイナリーだ。今回は、アラス・デ・ピルケが手掛ける2本のプレミアムワインを紹介する。
アラス・デ・ピルケとは
アラス・デ・ピルケは、イタリアのアンティノリ・ファミリーが所有するワイナリー。アンデス山脈の麓に位置し、サステナブルで洗練された高品質なワインを生産している。また、もともとのオーナーが競走馬を所有していたことから、エチケットには馬が描かれている。
2014年以降は、イタリアのアンティノリが100%所有。アンティノリは、イギリスの『ドリンクス・インターナショナル(Drinks International)』誌が選ぶ「世界で最も賞賛されるワインブランド2023」で第1位に選ばれた老舗ワイナリーだ。1970年代には、「ティニャネロ」や「ソライア」といったイタリアを代表するスーパータスカンをリリースしている。
アンティノリは、アラス・デ・ピルケの恵まれた土地と素晴らしいワイナリーにほれ込み、購入を決意。現マルケーゼ・アンティノリCEO兼醸造責任者であるレンツォ・コタレッラ氏を派遣し、栽培・醸造の改革を行った。培った経験や技術を生かしながら、テロワールの力を引き出すようなワインづくりを行っている。
アラス・デ・ピルケの92+プレミアムワイン
それでは、出品されていたアラス・デ・ピルケのワインを見ていこう。いずれのワインも現在、エノテカワインショップ、通販サイトのみでの販売となっている。レストラン、小売店での取り扱いはない。
アルビス2018
アラス・デ・ピルケのトップキュヴェ。「アルビス」は、アンティノリの社長であるアルビエラ・アンティノリ氏の愛称だ。
使用するのは、最上区画で栽培したぶどうをさらに厳選したもののみで、最高品質にこだわっている。発酵はオーク樽を使用して20日間行っているが、カベルネ・ソーヴィニヨンについては、発酵開始前に自然酵母とともに低温浸漬を施し、ブレンドした上で、フレンチオークの新樽で18カ月間熟成させている。
熟成感がしっかりと出ており、果実のパワフルさだけではなく、全体的なバランスのよさが感じられるワインだ。長い熟成のポテンシャルを秘めた1本だといえる。
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン70%、カルメネール30%
生産地:マイポ・バレー
参考小売価格:6500円(税別)
評価:「ヴィノス(Vinos)」93点、「ジェームス・サックリング(James Suckling)」92点
ガランタス・カベルネ・フラン2018
自社畑で有機栽培したぶどうのみを使用しており、欧州連合(EU)のオーガニック認証であるユーロリーフを取得している。手摘みで収穫したぶどうをステンレスタンクとフレンチオークの大樽に入れ、3~5日間の低温浸漬によって果実のアロマを引き出している。自然酵母のみを用いて発酵した後、フレンチオーク樽で14カ月間熟成させている。
熟成感がありながらフレッシュさを感じる味わいで、マイポ・バレーの冷涼なテロワールを表現している。清涼感のあるミントの香りや果実の凝縮感、きれいな酸が印象的で、アラス・デ・ピルケの「フレッシュできれいなワインをつくりたい」という思いが感じられる1本だ。
品種:カベルネ・フラン85%、カルメネール15%
生産地:マイポ・バレー
参考小売価格:4500円(税別)
評価:「ワイン・スペクテーター(Wine Spectator)」92点、「ヴィノス」92点、「ジェームス・サックリング」92点
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