南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。
同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。
今回は、300年以上の歴史を持つ、ラステンバーグ(Rustenberg)だ。
ラステンバーグとは
ラステンバーグは、1682年に南アフリカの銘醸地ステレンボッシュに設立されたワイナリーだ。一時途切れることもあったが、1892年以降は継続してワインを販売している。
ラステンバーグのぶどう畑は、ステレンボッシュの中でも比較的標高が高い場所にあり、海風の影響を受ける冷涼なシモンズバーグとエルダーバーグ山脈の斜面に広がっている。
現在、醸造責任者を務めているのは、現オーナーの息子であるマリー・バロウ氏だ。30歳以下の若手醸造家に贈られる「ダイナーズクラブ・ヤング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー(Diner’s Club Young Winemaker of the year)」を、史上初となる2度(2013年、2016年)受賞。手掛けるワインは、今や30カ国以上で販売されている、歴史と実績のあるワイナリーだ。
ラステンバーグのワイン
DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023で出展されていたのは、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネを使った2本のワインだ。
テイスティングコメントは、輸入元のマスダ提供の資料による。
ラステンバーグ カベルネ・ソーヴィニヨン2021
ラステンバーグのぶどう畑の3分の1で栽培されているのが、カベルネ・ソーヴィニヨンだ。ラステンバーグが表現する“カベルネ・ソーヴィニヨンらしさ”を堪能できる。ステンレスタンクで発酵し、オーク樽(新樽率20%)にて15カ月熟成させている。
【テイスティングコメント】
カシス、プラム、ベリー系の豊かな香り。きれいな酸味。渋みは細やかで柔らかい。やや濃厚な果実味で、きめ細やかでシルキーな滑らかな味わい。オーク樽の風味は程よく、むしろ果実のうま味を楽しめる。ボディは比較的しっかりしていて、余韻は長い。エレガントで落ち着いたクラシックなボルドースタイルのカベルネ。高騰するボルドーワインの代わりとして提案できるアイテム。牛肉(ステーキ、ビーフシチュー)、羊肉などに合う。
Rustenberg Cabernet Sauvignon 2021
アルコール分:14.0%
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:2970円(税込)
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ラステンバーグ ステレンボッシュ シャルドネ2022
ラステンバーグが、「私たちのシャルドネを体現している」と表現するワイン。2022ヴィンテージは、「インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(International Wine&Spirit Competition:IWSC)2023」で95ポイントを獲得するなど高い評価を受けており、残念ながら既に売り切れてしまっている。
標高300~450mの冷涼な気候で栽培された、厳選した果実を使用。酸の残る早朝に手摘みで収穫し、全房を圧搾。300Lのオークバレルを用いて天然酵母で発酵し、酸を和らげるマロラクティック発酵を経て、フレンチオーク樽(新樽率25%)にて8カ月熟成させている。
【テイスティングコメント】
アプリコット、オレンジの皮、かんきつ類などの香り。豊かで生き生きとした酸味。繊細できれい、滑らかでややクリーミーな味わい。程よいボリューム感もあるエレガント系ワイン。合わせるならシーフード料理、クリームソースやバターを使った料理など。
Rustenberg Chardonnay 2022
アルコール分:13.0%
品種:シャルドネ100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:3960円(税込)
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