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フィラディスは、シャンパーニュの試飲イベント「フィラディス 泡フェス!2024」を、2024年4月8日に大阪、同月10日に東京で開催した。フィラディスの考える「アルチザン・シャンパーニュ」に該当する6人の生産者が来日し、それぞれのシャンパーニュを提供した。アルチザン・シャンパーニュのコンセプトについては、下記の記事で紹介している。
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今回は、来場していた生産者のうち、ピエール・パイヤール(Pierre Paillard)について紹介する。
ピエール・パイヤールとは
ピエール・パイヤールは、約250年にわたってグラン・クリュ(特級畑)であるブジーの畑を受け継いできた、歴史あるつくり手だ。来日した生産者のアントワーヌ・パイヤール氏は、兄弟のカンタン氏と共に8代目当主を務めている。
ブジーは芳醇で香り豊かなピノ・ノワールのワインを生産することでよく知られているが、ピエール・パイヤールはシャルドネも多く生産しているのが特徴だ。その理由は、代々所有している土地の中に、コート・デ・ブラン地区から続くシャルドネ向きの土壌があるから。これらの受け継いできたピノ・ノワールとシャルドネの畑を生かしたワインづくりを行っており、“シャルドネの比率が高いにもかかわらず、ブジーのお手本(Champagne by Eichelmann)”と評されている。
時間をかけて特別なシャンパーニュに
アントワーヌ氏が目指すのは、「たくさんの個性を持ち、テロワールを最高に表現したシャンパーニュ」とのこと。
全てのワインで、グラン・クリュであるブジーのぶどうを使用しており、他の村のぶどうは一切使用していない。特に重視しているのが畑仕事だ。認証は得ていないが、ビオディナミやビオロジックの手法を取り入れ、よいぶどうを選択してワイナリーでもオーガニックな手法を使用している。
ステンレスタンクで発酵とマロラクティック発酵(MLF)をした後、オーク樽で澱(おり)と共に8カ月もの長い期間、熟成させている。その後の瓶内熟成も最低42カ月と長く、「時間をかけてつくることで、私たちのシャンパーニュはさらに特別なものになるのです」と話してくれた。
ピエール・パイヤールのワイン
レ・パルセル
ヴィンテージ:NV
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
熟成:木樽
瓶内熟成期間:54カ月以上
ドサージュ:1g/L
希望小売価格:1万300円(税別)
ブジーに所有する、複数の区画のぶどうをブレンドしたシャンパーニュ。
アントワーヌ氏は、「非常にはつらつとしてエレガントなシャンパーニュなので、食前酒、ディナーやランチの最初の料理に最適です」と説明する。ミネラル感や果実感、厚みのある酸もあり、素材の味を引き出した和食にもピッタリだと感じられた。
出会えたらラッキーなワインも
会場では、流通先が非常に限られているという、なかなか出会えないワインを2本味わうことができた。いずれも単一畑のぶどうを使用したシャンパーニュだ。
ブラン・ド・ブラン・モトレット
ヴィンテージ:2019
品種:シャルドネ100%
熟成:木樽
瓶内熟成期間:42カ月以上
ドサージュ:1g/L
希望小売価格:2万6700円(税別)
1961年に植樹された単一畑「レ・モトレット」のシャルドネを100%使用。「とても芳香があり、まろやかで深みのあるシャルドネです。新鮮さと豊かな塩味も感じられます」とのこと。
ブラン・ド・ノワール・マイユレット
ヴィンテージ:2019
品種:ピノ・ノワール100%
熟成:木樽
瓶内熟成期間:42カ月以上
ドサージュ:1g/L
希望小売価格:26700円(税別)
1970年に植樹した単一畑「レ・マイユレット」のピノ・ノワールを100%使用。畑についてアントワーヌ氏は、「ブジーで最もよいエリアの畑」と自信をのぞかせていた。「とてもはつらつとしていて複雑で、豊かなピノ・ノワールです。石灰岩由来の塩味も感じられます」とのこと。オレンジピールのような食事に寄り添う苦味があり、幅広い食事に合わせやすい。
グラン・クリュであるブジーらしさ、そして代々受け継いできた畑への信頼が感じられる生産者だ。よい土地の畑で手間をかけて栽培したぶどうを使用して、じっくりと時間をかけて表現されたワインは、まさにぜいたくだと感じられた。
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①ドワイヤール|ぶどうをぜいたくに使用し、理想を追求するコート・デ・ブランのつくり手
②ランスロ・ピエンヌ|ソレラシステムを取り入れ、クラマンのテロワールを表現