世界で1人当たりのワイン消費量が多い国はどこか――。こう聞かれて思い浮かべるのは、イタリアやフランス、スペインなどのヨーロッパのワイン産出国か、チリやアルゼンチンといったワイン新興勢力の国々ではないだろうか。
しかし、実際はとても意外なランキングとなった。
世界最小の国が最大の消費量
The Wine Instituteが2015年11月に発表したところによると、1人当たりのワイン消費量が最も多かったのは、バチカン市国となった。
バチカン市国と言えば、イタリアのローマにある世界最小の国。国全体が世界遺産として登録されていることでも知られている。819人しかいないこの国だが、実に1人当たり54.26Lもワインを消費しているそうだ。
その理由についてForbesでは、コムニオン(聖餐)と呼ばれるキリスト教の儀式でパンとワインを口にすることと、住民の年齢が高く大人数で食事をする習慣があることを挙げている。
キリスト教でワインは「キリストの血」と考えられているため、他のアルコールを飲む住民が少ないことも理由かもしれない。
2位以下も意外な国が続々ランクイン
2位:アンドラ(46.26L)
スペインとフランスの国境にあり、ピレネー山脈中枢に位置するアンドラ。人口は8万4000人だ。
3位:クロアチア(44.20 L)
知る人ぞ知るワイン産地のクロアチア。古代ギリシャからワインづくりが伝わり、古くからワイン文化が根付いている。
4位:スロベニア(44.07 L)
フランスやドイツよりもぶどう栽培とワイン醸造の歴史が古いと言われるスロベニア。年間8000万~9000万Lのワインが生産されている。
5位:フランス(42.51L)
質の高さや知名度、ワイン文化でおなじみのフランスは、意外にも5位となった。
6位:ポルトガル(41.74 L)
7位:スイス(40.49 L)
8位:マケドニア(40.41 L)
9位:モルドバ(34.18 L)
10位:イタリア(33.30 L)
上位10カ国はすべてヨーロッパ勢となった。そのうち4カ国が中央~東ヨーロッパというのは興味深い結果だ。
11位以下はオーストリア、ウルグアイ、ギリシャ、スウェーデン、ドイツと続き、上位15カ国中14カ国がヨーロッパとなっている。
日本は2.73L
日本の1人当たりの年間消費量はたったの2.73L。これはシンガポール(3.23 L)より少ないものの、中国(1.18 L)の倍以上。台湾(0.90 L)、韓国(0.72 L)の3倍以上だ。アジア各国の中では上位に入っている。