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2015年、フランスワインを抜いて輸入量ナンバー1となったチリワイン。若飲みタイプのものが多くて購入してすぐ楽しめる、価格がお手頃といった理由から、日本での消費が伸びているようだ。
日本はチリと経済連携協定(EPA)を結んでいるので、チリからの輸入品にかける関税率が年々減少している。2019年にはゼロになる見込みなので、今後ますますお安くチリワインを手にすることができるようになるかもしれない。
ただ、これだけチリワインを飲む機会が増えていても、チリのワイナリーを知る機会は少ないように感じる。そこで、チリワインをさらに身近に感じてもらえるようにするために、日本でもよく見掛けるワインをつくり出す有名ワイナリーを紹介していこうと思う。
自転車マークの「コノスル」 ニューワールドワインの魅力を発信し続けるワイナリー
「南の円錐」という意味がある「コノスル」。南向きの円錐形をした南米大陸からニューワールドワインの魅力を発信するというビジョンの下、1993年にチリのマイポ・バレーに設立された。
常に革新的なワインづくりに取り組み、チリ初となるスクリューキャップの導入や、有機栽培などをいち早く実践するつくり手だ。
そんなコノスルが産するワインは、コストパフォーマンスに優れているとして、国内外で高く評価されている。
コノスルのワインには、手ごろな値段の「ヴァラエタル」や、有機栽培のぶどうを使用した「オーガニック」、樽熟成した「レゼルバ」など、さまざまなシーンに対応できるよう、多くのシリーズが用意されている。
チリワインに対する評価を押し上げた「モンテス」 チリ初のプレミアムワイン生産者
モンテスは、ヨーロッパと比べて後れを取っていたチリのワイン産業を改善し、世界で愛されるワインをつくろうとチリワインのスペシャリスト4人が1988年に設立したワイナリーだ。
初リリースの「モンテス アルファ カベルネ ソーヴィニヨン」は、「欧米へ逆輸入されたワイン」として有名。欧米諸国は、品質の高さに驚嘆し、ロンドンのワインコンクールでは金賞を受賞。これにより、チリワインの質の高さが実証され、チリワインに対する評価が上がった。
モンテスが産するワインは、世界各国の有名レストランや、航空会社の機内ワインに採用されている。
ボルドー最高峰の流れをくむ「ロス ヴァスコス」 バロン・ド・ロートシルトに見出されたワイナリー
ボルドーに劣らぬワインを産すると言われるロス ヴァスコス。もともとは、チリに移住したバスク系スペイン人によって1750年に創設されたワイナリーだ。1980年代、そのロス ヴァスコスに転機が訪れる。
フランスのボルドー地方で最高級の赤ワインを産すると評されるドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトが、チリでのワイン生産に着手しようと多くの醸造所を調査。その結果、ロス ヴァスコスに白羽の矢を立てたのだ。
1983年から畑の管理方法から醸造、貯蔵に至るまで、知識と技術を導入。ボルドーの流れをくむワイン「ロス ヴァスコス カベルネソーヴィニヨン」をチリで生産することに成功した。ラベルには、ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトのロゴである5本の矢とRが描かれている。
アルパカシリーズが有名! チリワインを世界に広めた「サンタ・ヘレナ」
かわいいアルパカのシルエットが目をひくチリワインが「アルパカ」シリーズだ。それを産するのは、1942年に設立されたサンタ・ヘレナ。早くから海外に進出し、チリワインを世界に広めたパイオニア的な名門ワイナリーだ。
気軽にチリワインを楽しめるようにとの思いから「アルパカ」シリーズをつくり出した。同シリーズには、現在、カベルネ・メルロー、シャルドネ・セミヨン、カルメネール、ソーヴィニヨン・ブラン、ロゼ、スパークリング・ブリュットの6種類がある。