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数百円で買えるワインと、数万~数十万円もするワイン――ワインの価格はピンキリだ。一体、何が違うとそんなに価格差が生じるのだろうか。
さすがに数万~数十万円もするワインは、「実績」「産地・つくり手のブランド力」など、高くなる理由も分かりそうだ。しかし、1000円のワインと2000円のワイン、3000円のワインとで味はどう違うのだろう。1000~2000円くらいの価格差は、ワインの味わいにどのような違いをもたらすのだろうか。
そこで今回は、海外情報サイト「Wine Folly」のインフォグラフィックを基に、価格から予想されるワインの味わいについて、詳しく取り上げていきたい。
超コスパから逸品まで、価格帯におけるワインの特徴
「Wine Folly」では、アメリカにおけるワインの価格帯を次の9つに区分している。
超コスパ・ワイン(4ドル以下)
コスパ・ワイン(4~10ドル)
大衆向けワイン(10~15ドル)
プレミアム・ワイン(15~20ドル)
スーパー・プレミアム・ワイン(20~30ドル)
ウルトラ・プレミアム・ワイン(30~50ドル)
高級ワイン(50~100ドル)
超高級ワイン(100~200ドル)
逸品ワイン(200ドル以上)
この区分に沿って、それぞれの価格帯のワインの特徴を見てみよう。
超コスパ・ワイン(4ドル以下)
この価格帯には、大量生産できる製造ラインと世界中に販売網を持つ大手ワイン会社が販売しているワインが多い。
ブランド名で言うなら「ガロ ファミリー ヴィンヤード」「サターホーム」「クレイン・レイク」などだ。
また、ボックスタイプの大容量ワインもこのカテゴリーに当てはまる。
超コスパ・ワインは基本的に、大量に収穫したぶどうを使い、いくつかの収穫時期・品種・産地のぶどうをブレンドしてつくられたワインとなる。
コスパ・ワイン(4~10ドル)
この価格帯のワインには、大規模な産地、大手ワイナリーがつくる手頃なワインがそろう。
4~8ドルのワイン(ブランド名で言えば「ベアフット」「リンデマン」「イエローテイル」など)は、味わいを整えるために補糖されることが多いようだ。
9~10ドルのワインは基本的な品質を満たしていて、デイリーワインとして親しまれているものが多い。
大衆向けワイン(10~15ドル)
アメリカでは最も人気がある価格帯のワイン。「カベルネ・ソーヴィニヨン」といった表記があれば、その味わいがきちんと感じられる。
ぶどう品種や産地を生かした標準的な品質のワインが多く、初心者にもとっつきやすい。
この価格帯で買うなら、お薦めはオーク樽を使用していないタイプの白ワインだ。オーク樽や熟成期間を要する赤ワインはコストがかかるので、この価格帯で高品質なものを提供するのは難しいそうだ。
プレミアム・ワイン(15~20ドル)
産地の特性を生かしたフレーバーやアロマが感じられる良質なワインが多い。
優れたヴィンテージや評価の高いワイン、地域性に特化したワインなど、さまざまな種類がそろう。
特に、中規模のワイナリーが手作業でぶどうを収穫し、オーク樽で熟成した高品質な赤ワインは、この価格帯の狙い目だろう。
スーパー・プレミアム・ワイン(20~30ドル)
この価格帯は、中規模のワイナリーがつくり出す素晴らしいハンドメイド・ワインのスタート地点と言える。これくらいの価格になってくると、つくり手のこだわりが感じられるワインが増えてくるのだ。
ピノ・ノワールのように人気があって、かつ栽培や製造に技術を要するぶどう品種を使ったワインを飲んでも、納得のいく味わいを楽しめるだろう。
ウルトラ・プレミアム・ワイン(30~50ドル)
高いクオリティと洗練された味わいで、貯蔵する価値のあるワインが見つかる。
高級ワイン(50~100ドル)
世界でもトップクラスの生産者が手掛ける高品質のワインが集まる。
希少なぶどう畑、珍しい年代物、レイティングの高さなどの理由で高値になることもあるそうだ。
また、シャンパーニュ、レッド・マウンテン、オークヴィル、ボルゲリなど、産地のブランド力が値段を引き上げることもある。
超高級ワイン(100~200ドル)
一流の産地で、世界的にも指折りのワイナリーがつくり出したワインがこの価格帯となる。
逸品ワイン(200ドル以上)
世界の頂点とも言うべきワイナリーがつくるごく少数しか流通しない希少性の高いワインがこの価格帯に入ってくる。
安いワインにするか、高いワインにするか。あなたがワインを買うときの目安にしてもらいたい。
ただ、値段はあくまでもワインの価値を決めるひとつの指標。どんな味わいが好みか、誰とどこで楽しむかなど、その時々に応じた価値あるワインを見つけてほしい。