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「高くても、おいしいワインを飲みたい」と思ったとき、フランスをはじめとするオールドワールドのワインを思い浮かべる人が多いだろう。
しかし、ワインバザールで先日紹介したランキングでトップだったオーパスワンのように、アメリカやチリなどのニューワールドでも最高級のおいしいワインがつくられている。
⇒【参考記事】ワイン好き200人が選んだ“一番おいしかったワイン”ブランドランキング――1位は「オーパスワン」
今回はそうしたニューワールドで最高級ワインを手掛けるつくり手のうち、アメリカ・カリフォルニアで活動しているつくり手たちに絞って、代表的なところを紹介していこう。
【オーパスワン】オールドワールドとニューワールドの巨匠2人がジョイント
オーパスワンは、カリフォルニアのナパ・バレーで、その名前を冠した高級ワイン「オーパスワン」を生み出している。
フランス・ボルドー地方の1級シャトー「シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)」を所有していたバロン・フィリップ・ド・ロートシルト男爵と、カリフォルニアワイン界のパイオニアとして知られるロバート・モンダヴィ氏が、1978年に設立したワイナリーだ。
2人のコラボレーションは、期待と注目を集め、初ヴィンデージから高価格がつき、その期待は決して裏切られることはなかった。オーパスワンでは、ぶどうの栽培から醸造、熟成に至るまで、徹底した管理の下で丁寧な作業が行われている。そのため、収穫から販売に至るまで、3年もの歳月を費やしてじっくりとワインをつくり上げている。
カリフォルニアのテロワールを生かしたぶどう栽培と、ボルドーの伝統的な醸造方法から生み出されるワインは、カリフォルニアワインの強い果実味とボルドーワインの上品さを併せ持った独特のワインに仕上がっている。
⇒【参考記事】シャトー・ムートン・ロートシルト/バロン・フィリップ・ド・ロートシルト(ロスチャイルド)
【ドミナス・エステート】オーパスワンに勝るとも劣らない最高級ワインをつくる
長年、高級カリフォルニアワインを牽引してきたオーパスワンに勝るとも劣らないとも評されるワイン「ドミナス」を産するのが、ドミナス・エステートだ。
オーパスワンと同じくカリフォルニアのナパ・バレーで「ドミナス」「ナパヌック」を生産している。
ドミナス・エステートを設立したのは、フランス・ボルドー地方の有名なワイン商、ジャン・ピエール・ムエックス氏の次男クリスチャン・ムエックス氏。1981年にナパ・バレーのワイン生産者「イングルヌック」とともに立ち上げた。現在は、クリスチャン・ムエックス氏が単独所有している。
クリスチャン・ムエックス氏は、ナパのテロワールを生かしたぶどう栽培、さらには徹底して畑を管理するボルドー式の栽培技術を取り入れた。また、ぶどう栽培から瓶詰めまでを一貫して行うドメーヌ方式をカリフォルニアで初めて導入した。
その結果、これまでのカリフォルニアワインとは異なる繊細で優雅なワインを産み出している。近年のパーカーポイントを見ると、オーパスワンよりもドミナスの方が高ポイントを獲得する傾向にある。
【ロデレール・エステート】世界1位を獲得したスパークリングワイン
ロデレール・エステートは、スパークリングワイン専門のワイナリー。フランスのシャンパーニュ地方でナンバーワンとされるメゾン、ルイ・ロデレールが「フランス以外の土地で、自社畑のぶどうだけを使用したスパークリングワインをつくろう」と1981年にアメリカ・カリフォルニアに設立した。
ロデレール・エステートは、一番搾りのぶどう果汁しか使用しないというほど、品質にこだわりを持っている。シャンパーニュと同様の製法でリザーブワインをブレンドし、2~4年の瓶内熟成をしている。カリフォルニアのテロワールが生きた果実味と本場・シャンパーニュの製法が上手く融合したスパークリングワインが生み出される。
最良のぶどうが収穫できた年だけにつくられる特別なキュヴェ「エルミタージュ・ブリュット」は、「幻のキュヴェ」とも呼ばれている。『ワインエンスージアスト(Wine Enthusiast)』誌が選ぶ年間TOP100ワインで第1位を獲得したこともあり、シャンパーニュに引けを取らない高品質のスパークリングワインと言える。