アサヒビールとエノテカは2017年3月7日、2017年のワイン事業戦略説明会を開催。2016年の実績と2017年の戦略を披露した。
5年間で約4倍に成長したワイン事業
アサヒビールのワイン事業は、2007年より9年連続で成長を続けている。2016年のワイン事業の売上は、アサヒビールとエノテカを合わせて401億円。前年比で19%増、5年前と比較して約4倍の規模へと拡大した。
家で楽しむお酒の第2位となったワイン
また一昔前、ワインは「クリスマスなどのイベント時に飲むお酒」というイメージだったが、アサヒビールが2016年に実施した調査によると、ワインは家でよく飲むお酒として、ビールに次ぐ2位になったとアサヒビールの平野伸一代表取締役社長は説明。「まだまだワインは伸びる」と強気の姿勢を示した。
2017年の戦略。発売予定の新商品は?
そうした背景から、アサヒビールは2017年、ワイン事業で前年比5%増の420億円を目指し、ワインの総需要の拡大を目指すという。
輸入ワインNo.1の売上を誇り、デイリーワインユーザーの拡大に貢献している「アルパカ」シリーズでは新しい商品を展開。中~高級ワインに強いエノテカとは、今後も営業や商品両面での協働をさらに進めていく考えだ。
国産ワインのラインアップとしては、新商品としてワインらしい味わいにこだわった「サントネージュ 摘みたての贅沢」を発表。4月11日に発売予定だ。500円以下の商品が多い国産ワイン市場で、600円~700円の価格での販売を想定しているという。新しい国産ワインのおいしさや楽しみ方を提案していくそうだ。
中長期計画として示された北海道でのぶどう栽培
さらにアサヒビールは、良質なぶどう原料を確保するため、北海道でピノ・ノワールなどのぶどう栽培を開始する計画があるという。2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降を見据えた中長期計画だ。
地球温暖化に伴い、フランスなどでのぶどう栽培に悪影響が及ぶのではないかと懸念する声もある。その分、イギリスなどでのぶどう栽培が盛んになってきているというが、日本でも山梨・長野といった地域以外に北海道でのぶどう栽培も盛り上がっていくのだろうか。