コラム

アサヒビール、国産ワインの新ブランド「サントネージュ 摘みたての贅沢」。目指したのは、これまでにない「満足できる国産ワイン」

ワイン事業戦略やデイリーワイン「アルパカ」の好調さなどについて語られたアサヒビールの発表会。同社はその発表会の中で、国産ワインの新ブランド「サントネージュ 摘みたての贅沢」も発表した。

すべて収穫後24時間以内に破砕・搾汁したぶどうを使用し、さらに醸造工程においても酸素との接触を最小限に抑えることで、“豊かな果実感”と“ぶどうの香り”にこだわったワインだ。

同社の平野伸一代表取締役社長が「今までにない国産ワイン」と表現したこの商品。一体、どこが「今までにない国産ワイン」なのか、詳しく取り上げていこう。

アサヒビール社内の醸造家が設計

摘みたての贅沢は、輸入したバルクワインを贅沢に使用。ワインの本場であるフランスのボルドー大学でワインづくりを学んだアサヒビールの醸造家がブレンドすることで、軽い味わいの多い国産ワインが多い中、よりコクのあるワインらしい味わいを目指した。

また、24時間以内に破砕・搾汁したぶどうを使用するのは、一般的な作り方でもあるが、原料の調達先から報告書や証明書を取るほど徹底して管理しているという。

国産ワインにしては高めの価格

摘みたての贅沢の価格は、国産ワインの売れ筋が500円以下になっている中で、600~700円の小売価格を想定している。

国産ワインとしては高いが、「アルパカ」シリーズなど、同じ価格帯のデイリーワインと国産ワインでは愛好家の棲み分けがされているため、十分に勝算があると考えているようだ。

なぜ味わいにこだわったのか

輸入ワインに押されがちだという国産ワイン。アサヒビールでは1000人以上に調査を実施した結果、国産ワインが縮小傾向にあるのは「国産ワインに満足する商品がない」と考える層があることに注目した。

国産ワインの市場は1000万箱程度。そのうち400円以下が300万箱、無添加ワインなどが400万箱、2000円以上の日本ワインが200万箱、残りはクッキングワインなどだという。

安さや機能重視の国産ワインが多い中で、食卓で飲まれる国産ワインを目指したのが摘みたての贅沢なのだ。

自慢の味わいは?

アサヒビールが自信を持って送り出す摘みたての贅沢。2017年ワイン事業戦略説明会にて、記者への試飲も用意されていた。

赤は豊かな香りとしっかりとした果実味、そしてコクのあるまろやかな味わいだった。

白は発表後に飲んだため温度が上がってしまい、特徴である酸味と甘みのバランスがぼやけてしまっていたが、改めてキリリと冷やして飲んでみたい華やかな香りのワインだった。やや辛口に仕上がっており、食事に合わせやすいワインだ。

摘みたての贅沢は、4月11日より全国で発売される。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ