2017年2月に開催された「NAGANO WINE FES. in TOKYO」。ワインバザール編集部ではこれまで、長野県に本拠を置く地場のワイナリーを中心に紹介してきたが、ここからは長野県でワインづくりに取り組む大手ワインメーカーを紹介していこう。
今回は伊勢志摩サミットで長野産ぶどうを使ったワイン2アイテムを提供したメルシャンへのインタビューを掲載する。
長野で育てたぶどうを使った2アイテムを伊勢志摩サミットに提供
――メルシャンはNAGANO WINE FES. in TOKYOに、1回目から参加していると伺いました。
日本でワインと言えば、山梨県が非常に有名ではあります。しかし、私どもはここ数年NAGANO WINE FES. in TOKYOに参加しておりまして、長野県への注目も年々、非常に高まってきていると感じます。
長野県でワインづくりに取り組むワイナリーの数は増えてきておりますし、国内外のワインコンクールでも長野産のワインが高く評価されることが多くなってきているように思います。
G7伊勢志摩サミット2016においても、メルシャンが長野で育てたぶどうからつくった「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード オムニス 2012」と「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ 2014」という2アイテムが各国の要人に提供されました。メルシャンからは「シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ 2013」というアイテムも提供しました。サミットを機に、メルシャンの長野ワインの品質が認められたという手応えを感じております。
――メルシャンのおすすめナガノワインは?
「長野シャルドネ アンウッデッド」でしょうか。サミットで提供された「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ」のセカンドワインになります。ぶどうとしては、北信地区、高山村、須坂市、長野市豊野町で育てたシャルドネを使っています。
長野シャルドネ アンウッデッドは樽を使わず醸造しました。その分、樽の香りがワインに移らず、シャルドネ本来の味わいが分かりやすくなっています。樽を使わないとなると、すっきりした味わいをイメージする方が多いと思います。そのイメージをいい意味で裏切り、長野シャルドネ アンウッデッドはしっかりとした果実味があるところが特徴のワインです。
――長野でのワインづくりについて、今後の展望を伺えないでしょうか。
山梨県では日本固有のぶどう品種「甲州」を使ったワインを中心に生産していますが、長野県ではシャルドネやメルローなど、ヨーロッパ系品種のぶどうを栽培しています。
現在、ワインを醸造する拠点は山梨県に置いていますが、今後、長野県でのぶどう栽培を拡大していく計画です。2003年には長野県上田市の「椀子(マリコ)ヴィンヤード」で植栽を開始しました。今度は長野県塩尻市において農業生産法人「メルシャンヴィティコール塩尻株式会社」を設立し、2017年春からぶどうの植栽に取り掛かります。
2020年には東京オリンピックが開催されます。オリンピックを機に、日本で育てたぶどうを使って日本で醸造した「日本ワイン」に、ますます注目が集まることでしょう。メルシャンも長野でのぶどう栽培を拡大するなど、東京オリンピックに向けて日本ワインの普及・発展に貢献していきたいと考えております。