コラム

禁酒法時代にも途切れなく続いた家族経営ワイナリー「ウェンテ」 ~ カリフォルニアワイン スプリング・テイスティング2019

2019年3月14日、カリフォルニアワイン協会(CWI)によるプロ向け試飲会「カリフォルニアワイン スプリング・テイスティング2019」がホテル雅叙園東京(東京都目黒区)で開催された。43社のインポーターが参加し、世界各地から集まった600種類以上のワインの中から、注目すべきワイナリーをご紹介したい。

ワイナリーの紹介

ウェンテ

生産地:カリフォルニア州リヴァモア・ヴァレー
特徴:1883年に、ドイツから移住したカール・ウェンテ氏が設立したワイナリー。1920年から約13年間続いた禁酒法時代にも、ミサ用のワインの醸造を許可され、途切れることなく続いた数少ない1社だ。カリフォルニアでは、最も古い家族経営のワイナリーとして知られている。
ウェンテの特徴は、自社畑のぶどうのみを使用していること。また、カリフォルニアのワイナリーが使用しているシャルドネのおよそ8割は、2代目のアーネスト・ウェンテがフランスから持ち帰った「ウェンテ・クローン」をルーツにしている。

おすすめワイン

ウェンテ モーニング・フォグ シャルドネ

ぶどう品種:シャルドネ
特徴:“カリフォルニア・シャルドネのルーツ”とも呼ばれるウェンテにとって、重要な位置付けのワイン。朝霧の影響で、きれいな酸が感じられる。樽熟成とステンレス熟成のものを同バランスでブレンドしている。果実感と香ばしさのバランスが秀逸。
参考価格:2300円

ウェンテ リヴァバンク リースリング

ぶどう品種:リースリング
特徴:モントレーのアロヨ・セコAVAで栽培されたリースリングを使用している。この地域は、モントレー湾から吹き抜ける風の影響で冷涼な気候となっており、酸味と甘みのバランスが良好。中甘口で、ライチなどのアロマが魅惑的だ。
参考価格:2300円

ウェンテ チャールズ・ウェットモア・リザーヴ カベルネ・ソーヴィニヨン

ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン主体
特徴:このカベルネ・ソーヴィニヨンは、1882年に米初代農務長官チャールズ・ウェットモアがボルドーのシャトーマルゴーから買い付けた苗木に由来するという。ジューシーな黒果実感にスパイスのニュアンスもあり、飲み応えと滑らかさの両方が楽しめる。
参考価格:3600円

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身