コラム

日本で飲めるワイン、最もおいしいのは? 「日本で飲もう最高のワイン2019」発表

今やヨーロッパやアメリカに引けを取らないワイン消費国となった日本だが、その歴史はまだまだ浅い。世界中のワインが市場に出回っているわけではなく、簡単に入手できるワインばかりでもない。

そのような中で、日本で飲めるワインの中から最もおいしいワインを探し出すことを目的とするワイン品評会がある。それが「日本で飲もう最高のワイン」だ。2011年に初回が開催されて以来、今年で9回目の開催となる。

この品評会は、他のワイン品評会の多くが審査委員をワインの専門家だけで構成しているのに対して、一般から審査員を公募しているのが特色だ。「日本で飲もう最高のワイン」の審査委員には、学識者やワイン醸造家、ジャーナリスト、ソムリエなどのワイン専門家10名のほかに、ワイン初心者を入れたワイン愛好家80名が含まれており、評価に消費者の視点を反映させている。そのため、「日本で飲もう最高のワイン」では、例年、一般のワイン愛好家の口に合うワインが数多く選出されている。

審査対象は、国産か輸入品かを問わず、日本国内で飲める全てのワイン。知名度や産地、価格などの先入観を持たずにおいしいワインを探すという方針に基づき、生産地やぶどう品種別ではなく、白と赤のタイプ別で評価する。

今回の品評会には、エチオピア、ハンガリー、セルビア共和国といった初登場の国を含む17カ国のワイン生産国が登場し、出品されたワインは合計176本に及んだ。

審査方式は次の通り。専門家と愛好家が20点満点で評価し、各々の平均点が17.5点以上のワインにプラチナメダルが授与される。15.5点以上はゴールドメダル、13.5点以上はシルバーメダルとなる。

「日本で飲もう最高のワイン2019」の審査結果は、プラチナメダルが21個、ゴールドメダルが132個、シルバーメダルが108個となった。プラチナメダルを受賞したのは、フランスやイタリアのワインだけではなく、2回目の出品となったモルドバ共和国、ルーマニアのほか、初出品のハンガリーやセルビア共和国のワインも受賞した。もちろん、フランス産ワインの質の高さは折り紙つきで、出品された21本のうち全てが何らかのメダルを受賞している。

さらに、同品評会ではメダル受賞ワインの中からベストワインを選出する。ベストワインは、白と赤の各部門において、専門家と愛好家の合計で最高得点を獲得したゴールドメダル以上のワインから選ばれる。

本年度の白ワインのベストワインは、フランスの「ピエール・ド・ランブリー シャルドネ」(辛口)、ニュージーランドの「グラッドストーン アーラー ノーブル リースリング」(甘口)、ハンガリーの「トカイ 6Pアスー貴腐ワイン」(甘口)となった。

赤ワインの中からは、イスラエルの「ベツレヘムの星 赤」がライトボディ部門、イタリアの「フォンテルートリ パディオラ」がミディアムボディ部門、モルドバの「フリーダムブレンド」がフルボディ部門で選ばれた。

さて、本記事では、ベストワインの中で、日本では珍しいモルドバ産の「フリーダムブレンド」を紹介したい。

ベストワイン 赤 フルボディ部門:フリーダムブレンド

生産国:モルドバ
価格:3900円

2011年のソ連からの独立20周年を記念し、モルドバ、ウクライナ、ジョージアの自由意志を込めてつくられた限定ワイン。鮮やかなルビー色を特徴とし、口に含むと、新鮮なチェリー、クランベリーなどの赤果実の香りに加え、プラムやスパイス、なめし皮を思わせる複雑な香りも感じられる。口当たりはベルベットのような柔らかさで、余韻が長続きする。

ぶどうは全て手摘みで、ウクライナのバスタルドが60%、ジョージアのサぺラビが35%、モルドバのララネアグラ5%と、三国の主要な土着品種が使用されている。

フレンチオーク樽で1年熟成させており、アルコール度数は13.5%。酸は5.3g/dm3で、残糖は3.4g/dm3だ。

「日本で飲もう最高のワイン 2019」では、ベストワインとは別に、日本ワインの中でのベストワインも白と赤からそれぞれ選ばれた。白ワインが「アイススウィートナイアガラ 2018」で、赤ワインは「高畠ワイナリー ローグルブルー 青おに 2016」。どちらも山形県産だ。

また、甲州100%ワインからは、「島根わいん 緑結 甲州2018」「GI山梨 甲州シュール・リー 2018」の2本が「ベスト甲州」に選ばれた。

マスカット・ベーリーAを100%使用した赤ワインから選ぶ「ベストマスカット・ベーリーA」は、山梨県の「ロリアン マスカット・ベーリーA樽熟成 2018」(ミディアムボディ)が受賞した。

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