コラム

2020年はモルドバワインが大躍進、日本は赤ワインで初の金賞 〜デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2020

世界各地から多くのワインがエントリーする、世界最大のワイン・コンペティション「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)」。2020年は1万6518本がエントリーした。

このコンペは、1975年に創刊したイギリスの権威あるワイン専門誌『デキャンター』が主催し、2004年より毎年開催している。完全なブラインドテイスティングによる審査が行われるため、無名のつくり手が高い評価を得ることもあり、その受賞結果によってワイン業界の動向を見ることができる注目度の高いコンペだ。

日本が赤ワインで初の快挙達成!

DWWAでは、全エントリーワインからまず金賞、銀賞、銅賞の受賞ワインが選ばれる。日本のワインは今回、金賞1、銀賞15、銅賞28を受賞。特に、赤ワインでの金賞受賞は日本初で、大きな話題となっている。

その受賞ワインは、北海道余市郡仁木町のNIKI Hillsワイナリーがツヴァイゲルトレーベ種を使って醸造した「YUHZOME 2018」。これからの日本ワインの可能性を大きく広げる快挙といえよう。

プラチナ賞とBest in Show受賞ワイン

最初の審査で金賞を受賞したワインは再試飲され、その中からプラチナ賞受賞ワインが選ばれる。審査期間の最終日には、そのプラチナ賞受賞ワインをさらに試飲し、最終的に「Best in Show」ワインが50本選ばれる。

この栄誉を与えられるのは全エントリーワインのうち、たった0.3%。2020年はどの国のどんなワインが受賞したのか、早速見ていきたい。

モルドバワインが大躍進

今回の目玉といえるのは、モルドバワインの躍進ぶりだ。

モルドバは東ヨーロッパに位置し、古くからワインを生産している歴史あるワイン産地だ。近年、日本でも注目を集めるようになっている。

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そのモルドバワインうち、97点というハイスコアでプラチナ賞を受賞したロゼ1本と白1本が、両方ともBest in Showを勝ち取るという快挙を成し遂げ、モルドバがトップクラスのワイン産地となり得る可能性を大いに知らしめる結果となった。

貫禄のフランス、安定のイタリア

フランスワインはシャンパーニュ3本、ボルドーワイン3本をはじめ、最高スコア98点のブルゴーニュ産赤ワインのほか、アルザス、ロワール、プロヴァンスなど幅広い産地のワインがBest in Showを受賞した。

イタリアも赤ワインを中心に8本のワインがBest in Showを受賞。こちらはピエモンテ州から3本、アルト・アディジェ州から2本のほか、トスカーナやシチリア、ウンブリアの各州からも受賞ワインを輩出している。

オーストラリア、ポルトガル、スペインも健闘

近年躍進を続けるオーストラリアは、冷涼な地域の白ワインから果実味あふれる赤ワインまで、合計6本が受賞。産地は南オーストラリアが最多だ。

次に続くのはポルトガルの5本で、こちらは酒精強化ワインを中心に受賞する結果となった。スペインはシェリー2本とスティルワイン(赤)2本の計4本が受賞した。

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