ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(Union des Grands Crus Bordeaux:UGCB)は2023年11月20日、「ヴィンテージ2020 トレード・テイスティング」を開催した。
当日は、東京都港区の八芳園を会場に、UGCBに加盟する85シャトーが集結。コロナ禍を経て、今年は4年ぶりに生産者も来日し、“当たり年”となった自慢のヴィンテージ2020をそれぞれ披露した。
今回は、参加したシャトーの中から、ポムロール地区のシャトー・ガザン(Château Gazin)を紹介する。
シャトー・ガザンとは
ポムロール地区は、フランス・ボルドー地方を流れるドルドーニュ川右岸に位置する。ボルドーの中では小規模な地区で、格付けシャトーはないものの、全世界から高い評価を受けている、ワイン通垂涎(すいぜん)の銘醸地だ。
シャトー・ガザンは、その中でも一等地と言われるポムロール台地に畑の大部分がある。これを含む栽培面積は24.3haで、同地区では広い面積を持つため、生産量も比較的多く、手頃な価格で楽しめる。
1917年に現オーナーのニコラス・ドゥ・バイヤンクール氏の曾祖父がシャトーを購入。以来、代々受け継いで“おいしいワインを適正価格で”という信念の下でワインをつくり続けている。
現在は、伝統的な製法を守るだけでなく、有機栽培への転換やフェロモンカプセルを使った害虫駆除による減農薬など、自然環境に配慮した新しい取り組みも行っている。
シャトー・ガザンのワイン
トレード・テイスティングでは、来日した醸造責任者のミカエル・オベール氏に話を伺った。
――おすすめのワインについて教えてください。
「シャトー・ガザン」は、ポムロールでつくられる典型的なワインと言えます。ボルドーワインの中では、非常に女性的でエレガントな味わいです。
――ヴィンテージ2020はどんな味わいでしょうか。
私は2006年からシャトー・ガザンで仕事をしていますが、その中でも2020年は最も素晴らしい年になったと思っています。凝縮した果実味と滑らかなタンニン、そして複雑さを持つ、非常に質が高いヴィンテージとなりました。
「シャトー・ガザン2020」
タイプ:赤・フルボディ
品種:メルロー90%、カベルネ・ソーヴィニヨン 10%
取り扱い先:フェリシティー
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