コラム

旬の食材にぴったり! 家飲みワインとの組み合わせ方【春~初夏のワイン編】

長い冬が終わり、やっと訪れた春に心踊る人も多いだろう。スーパーも毎日の食卓も、がらりと春模様になったのではないだろうか。

春の食材は冬の間にパワーを蓄え、春の訪れとともに土から顔を出すため、みずみずしい水気と甘さを包有し、また土の匂いを感じさせる。力強さと繊細な魅力をシンプルに味わいたいところだ。

そんな春野菜の味わいを倍増させてくれるワインを選んでみよう。

山菜

まさに土の香りを味わえる山菜たち。野性的ではあるが新芽はまだえぐみが少なく、苦味を楽しんで食べることができる。

シンプルにゆでたり、蒸したり、天ぷらにしたり、さまざまなスタイルで楽しみたい。

山菜の天ぷら

そんな山菜にぴったりなのは――

「ソーヴィニヨン・ブランの白」

特にフランスのボルドーやロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは、青草の香りとグレープフルーツのような苦味とともに、はつらつとしたフレッシュさが特徴。爽やかで涼しげな味わいが、相乗効果をもたらしてくれる。

同様の理由で、ホタルイカに合わせるのにもぴったりだ。

Sauvignon Blanc

新玉ねぎ

この時期の玉ねぎはみずみずしく柔らかく、辛味が少ないためにサラダなどに使うのがオススメだ。

水にさらさずともしゃっきりとした口当たりが気持ちよく、量もたくさん食べられる。

玉ねぎは毒素を排出してくれる成分も含んでいるので、デトックスをするためにも積極的に食べたい野菜だ。

オニオンシーザーサラダ

新玉ねぎのサラダに合わせたいのは――

「ミュスカデの白」

オリ引きをせず、フレッシュな上澄みだけを瓶詰めしたシュール・リー製法で作られるミュスカデのワインは、くせのないピュアな果実味が魅力だ。

レモンドレッシングで楽しむ新玉ねぎのサラダは、この時期だけの贅沢。スモークサーモンを加えればおもてなしに出しても恥ずかしくない一品に。キュッと冷やして昼飲みのおつまみにするのもいい。

イタリア・ピエモンテのガヴィなども、引き締まった品のいいドライさで同じように使えるワインだ。

2010 Muscadet Sèvre et Maine Sue Lie

春キャベツ

口にすると思わず笑みがあふれる優しい甘さの春キャベツ。普段のキャベツと違って葉が柔らかく、たくさんの水分を蓄えている。

生はもちろん、軽くソテーしたり蒸したり、ちょっと塩を加えて甘さを存分に引き出してもおいしい春キャベツ。魚介やベーコンと合わせてパスタに仕立ててもおいしい野菜だ。

そんな春キャベツには――

「南仏のロゼ」

辛口ではあるが、白ワインよりも果実味を引き出したロゼ。南仏のものはぶどうがより果実味豊かに香り、ぶどうの甘味が軽やかに舌の上を転がる。春色のロゼは気持ちまで楽しくしてくれる。

La Bastide de Jourdan

タケノコ

春食材の定番といえばこれ! 米ぬかで丁寧にアク取りしたタケノコは、炊き込みご飯にしても土佐煮にしても、本当においしく食べられる。

しかし、優しい甘味を感じさせるタケノコは、合わせるワインを間違うと風味が台無しになってしまう。こんな繊細な食材には――

春野菜の12品目サラダ

「シャブリの白」

シャルドネの果実味がタケノコの甘さとマッチして、実に美しくマリアージュ。同じシャルドネでも、シャブリのようにミネラル感のある端正なワインがぴったり。タケノコ特有のアクをさっぱりと洗い流してくれる。

春から初夏の食材は、滋味深い繊細な味わいを楽しむものばかり。ぜひ家飲みでも、最高のマリアージュを探してみてほしい。

Chalkboard Wine Bottle Vase

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身