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多様性に富むガルナッチャ/グルナッシュは“テロワールを映す鏡” ~スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート②
コラム

多様性に富むガルナッチャ/グルナッシュは“テロワールを映す鏡” ~スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート②

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発行者
株式会社バザール
編集
Wine Bazaar編集部
連絡先
お問い合わせ・プレスリリース送付

スペインのガルナッチャ・オリヘン協会とフランスのルーションワイン委員会は2024年11月7日、東京都港区の八芳園で「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」を開催した。

同イベントでは、両団体がEUの協力のもと共同で展開する「ガルナッチャ/グルナッシュ ヨーロッパの高品質ワインプロジェクト」の一環として、スペインではガルナッチャ、フランスではグルナッシュと呼ばれるぶどう品種についてのセミナーと、同品種でつくられたワインの試飲会を実施した。
 
今回は、セミナー「ガルナッチャ/グルナッシュの多様性」で紹介された、ガルナッチャ/グルナッシュ品種の多様性について解説する。

多様性①:クローンの多様性

多様性に富むガルナッチャ/グルナッシュは“テロワールを映す鏡” ~スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート②

グルナッシュ/ガルナッチャは、そこからさらに細かなクローンが生まれて、壮大なファミリーを形成している。このファミリーから生まれるワインは、品種ごとにさまざまなスタイルを持つが、共通する特徴は、非常にパワフルで果実感がしっかりとしているものが多いということ。

赤い品種からはアルコール度数の高いワインが生まれ、酸は少し低めになるが、フレッシュさはアロマからしっかりと伝わる。一方、白い品種は辛口から甘口まで飲み心地のいいワインになり、アニスのようなスパイスやアンズのようなフルーツ、白いフェンネルのようなニュアンスを感じることができる。

以下で、ガルナッチャ/グルナッシュから派生した5種類の代表的な品種を紹介する。

■ガルナッチャ・ティンタ/グルナッシュ・ノワール
色も淡めで、ストラクチャーもあまり強くないが、新鮮なチェリーのような赤い果実を感じ、テロワールによっては少し血液や鉄を思わせる、ブラッドオレンジのような特徴を持つワインになる。

この品種からは赤やロゼだけでなく、白ワインも生まれる。辛口のワインやフォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)のような天然甘口のワインもつくられており、汎用性に富む。

■ガルナッチャ・ペルーダ/ルドネール・プリュ
ペルーダとプリュは、「毛深い」の意。葉の部分が少し毛羽立っていることが名前の由来だ。実は青みが強く、一般的には赤に使われる。黄色いイチゴのような果実の特徴がある。

■ガルナッチャ・ティントレラ/アリカンテ・ブーシェ
アリカンテとグルナッシュ・ノワールの交配品種。他の4種の果肉が白色なのに対し、唯一赤い果肉を持つ。主にブレンドに使われることが多く、しっかりとした赤い色調をもたらす。

■ガルナッチャ・ブランカ/グルナッシュ・ブラン
白ワインに使われる白ぶどうで、非常に繊細で、ミネラル感や白い花、蜂蜜のような特徴がある。

■ガルナッチャ・ロハ/グルナッシュ・グリ
ロゼにも白にもなる品種で、味は甘口から辛口までさまざまなスタイルのワインに対応している。ガルナッチャ・ブランカ/グルナッシュ・ブランとよく似ているが、シトラス、かんきつ類、火薬や塩味を伴ったようなミネラル感を感じる骨格のしっかりとしたワインになる。

スペインでは、アラゴンでガルナッチャ・ティンタやガルナッチャ・ブランカが、カタルーニャ南部ではガルナッチャ・ティントレラ以外の4品種が主に栽培されている。フランスのルーションでは、5品種全てが見られる

多様性②:スタイルの多様性

ガルナッチャ/グルナッシュのクローン品種の多様性は、そのままワインのスタイルに反映されている。

赤、ロゼ、白、スパークリングだけではなく、フォーティファイド・ワインの重要な原料としても使われている。そのため、食事の際にはフルコースを通してガルナッチャ/グルナッシュワインだけで楽しむことができるほど、その種類はバラエティーに富んでいる。

多様性に富むガルナッチャ/グルナッシュは“テロワールを映す鏡” ~スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート②

例えば白ワインの中だけでも、軽いものもあれば凝縮度の高いものもあり、自分の好みに合う1本を探す楽しみがある。白ワインやロゼワインでも、熟成に耐え得る品質のものもある。

赤ワインには肉料理、白ワインには魚介系など、ヨーロッパで伝統的に行われてきた食事とのペアリングはもちろんのこと、非常に力強いものが多いガルナッチャ/グルナッシュワインはアジア料理などとも相性がいい。例えばライトボディの赤にはインドカレーなど、ワインのスタイルの数だけ食事との組み合わせが可能だ。

多様性に富むガルナッチャ/グルナッシュは“テロワールを映す鏡” ~スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート②

このように、ガルナッチャ/グルナッシュがさまざまなスタイルのワインを生み出すことができる理由として、あらゆるテロワールとの親和性が挙げられる。栽培地の標高は海抜0mから1200mまでとさまざまで、畑が海に近接している地域でも、乾燥した土地でもよく育つ。前述したように収量が低いという点も相まって、その土地のテロワールを映す鏡のような面がある。土壌のタイプや標高、畑の向きなど、テロワールの個性を忠実にワインに表現することができる興味深い品種なのだ。

次回は、ガルナッチャ/グルナッシュの本場スペインとフランスにおけるワインの品質と保証について紹介する。


【関連記事】スペイン&フランスの共同プロモーション「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート
ガルナッチャ/グルナッシュとは?

編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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著者 / 

大江 有起

コピーライター、雑誌の編集者などを色々経てフリーライターに。文章を書くことと、赤玉スイートワインや貴腐ワインのような甘いワインが好きです。 ワインバザールさんにてワインに興味を持ち、一般社団法人日本ソムリエ協会ワイン検定シルバー取得しました

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