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Wine Spectatorが1999年1月に発表した「Wines of the Century(20世紀を代表するワイン)」。20世紀にリリースされた数多くのワインの中から、厳選された12本のワインを1本ずつ紹介していく。
Wine Spectatorに選び抜かれた12本とは、一体どんなワインなのだろうか。第10回となる今回は、ポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペル 1961年を紹介していく。
「ポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペル 1961年」はどんなワイン?
ポール・ジャブレ・エネは、フランス・ローヌ渓谷のエルミタージュに、1834年に設立されたワイナリーだ。
ほぼすべてが手作業という伝統的な農法と有機肥料によるぶどう栽培を徹底。ワインを洞窟で熟成させるなどの特徴がある。
「ラ・シャペル」はポール・ジャブレ・エネを代表する赤ワイン。収量を抑えた畑で栽培したシラーを使用している。
1961年は非常に暑く、1エーカー当たり1t程度しかぶどうを収穫ができなかったという。目標としていた収量の4分の1ほどだ。しかしその結果、とても濃厚なぶどうが出来上がった。
多くのワイナリーは1961年のぶどうの濃厚さに対処しきれず、熟成に苦労した。しかし、ジャブレ氏は濃厚なぶどうを上手く扱い、20世紀を代表するワインを生み出したのだ。
「ポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペル 1961年」に対する評価
ポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペルに対して、ロバート・パーカー氏は100点をつけている。2000年6月のWine Advocate誌の中で、「このフルボディで滑らかな口当たりのよい1961年は不滅だ」と表現している。また、ジャンシス・ロビンソン氏も20点満点をつけている。
Wine Spectator誌も「アロマとフレーバーの個性が紡ぐ層は、ほかに比べるものがない。フルーティでベルベットのようなタンニンが口の中を満たす。満点にふさわしい完璧なワインだ」と100点満点をつけている。
「ポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペル 1961年」にまつわるエピソード
高い評価を受けているポール・ジャブレ・エネ エルミタージュ ラ・シャペル 1961年。その分、価格は非常に高騰している。
2007年にロンドンで開かれたオークション“クリスティーズ”に12本入りのケースが出品された際には、12万3750ポンド(約1867万円)で落札された。これは12本ケースの価格で歴代3位の記録となった。
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洞窟で熟成、「20世紀の神話的12本」に選ばれた「ラ・シャペル」を手掛けるポール・ジャブレ・エネ ~ 解説:ローヌ名門ワイナリー