2021年のボージョレ・ヌーボー解禁日である11月18日、サントリーワインインターナショナル(SWI)は、「ジョルジュ デュブッフ ボジョレーヌーヴォー オンラインテイスティングセミナー」を開催した。
説明者は、同社輸入・カジュアルワイン事業部のチョウ アンジ氏と企画部スペシャリストでシニアソムリエの柳原亮氏。そしてフランスから、ジョルジュ デュブッフ取締役のアドリアン デュブッフ・ラコンブ氏が登壇した。
セミナーでは、SWIが取り扱う「ジョルジュ デュブッフ」ブランドのボージョレ・ヌーボーについて、その魅力や2021年の出来、味わい、料理とのマリアージュなどが伝えられた。本記事では、ボージョレ・ヌーボーの基本をおさらいしつつ、ジョルジュ デュブッフが誇るボージョレ・ヌーボーの実績を紹介する。
ボージョレ・ヌーボーとは?
11月の第3木曜日、解禁日を迎えてからその年の新酒であるボージョレ・ヌーボーを味わう文化は、日本でもすっかり定着している。そのため、ご存じの方も多いかもしれないが、簡単にボージョレ・ヌーボーについておさらいしておきたい。
ボージョレとボージョレ・ヌーボーの違い
ボージョレとボージョレ・ヌーボーは、どちらもボージョレ地区でつくられるワインだ。ただし、約半年間醸造して翌年の春以降に出荷されるボージョレに対し、ボージョレ・ヌーボーはヌーボー(=新酒)という言葉通り、その年収穫したぶどうを10月頃から1カ月間醸造し、11月上旬には瓶詰めして出荷される。ガメイというぶどう品種を100%使用することも特徴だ。
解禁日が11月の第3木曜日になった理由
1951年、フランスのワイン法では、ボージョレ・ヌーボーの解禁日は12月15日と定められていた。しかし、新酒は11月には出来ており、早く販売したいという生産者の声を受けて、1967年に解禁日を11月15日に早めることにした。
解禁日が早まったのは良かったが、15日に定めたことで、年によっては15日が安息日である日曜日に当たるなど、販売しにくい状況が生じた。そこで1985年、解禁日を11月の第3木曜日に変更し、現在に至っている。
ボージョレ・ヌーボーを世界に広めた仕掛け人
解禁日に、ボージョレ・ヌーボーを開栓して楽しむ。この文化を世界に広めた人物が、故ジョルジュ・デュブッフ氏だ。デュブッフ氏は1950年代に「LE BEAUJOLAIS NOUVEAU EST ARRIVÉ!(ボージョレ・ヌーボーがやってきた!)」のキャッチコピーと共に、ボージョレ・ヌーボーのフルーティで心躍る味わいを伝えた。解禁日の習慣は、フランス・パリから始まって、イギリスやアメリカ、世界中へと広がり、日本でもおなじみの文化となった。
“ボージョレの帝王”と称されるデュブッフ氏は、惜しくも2020年1月に逝去したが、彼の功績は次の世代に引き継がれ、彼の愛したボージョレ・ヌーボーはこれからも世界の人々を楽しませることだろう。
【関連記事】ボージョレ・ヌーボーの解禁日を世界に広めたジョルジュ・デュブッフとは? ――ボージョレ・ヌーボーのキーマンを知って解禁日をもっと楽しもう!
公式コンクールで高評価
2019年1月~2020年12月の日本国内での「ボージョレ・ヌーボー ブランド別売上ランキング」を見ると、ジョルジュ デュブッフが1位で、他社と比較して3.2倍以上の売り上げとなっている(インテージ調べ。全国SM、CVS、酒DS、ホームセンター、ドラッグストア、一般酒屋、業務用酒販店)。
もちろんフランスでの評価も高く、「リヨン ボージョレ・ヌーボー公式コンクール」において、受賞歴No.1を誇る(2002年~2020年、ジョルジュ デュブッフ調べ)。2020年のリヨンコンクールでは、上位10%のみに与えられる最高金賞をジョルジュ デュブッフのボージョレ・ヌーボーが51個中21個受賞。さらに、金賞、銀賞、銅賞を含む受賞メダル総数334個のうち173個を同社が受賞している。
次の記事では、そのジョルジュ デュブッフがつくった、2021年ボージョレ・ヌーボーの出来や味わいについて紹介していく。