コラム

ドゥルト｜70以上のシャトーと独占契約！　テロワールにこだわるトップネゴシアン～知っておきたいボルドーのつくり手

2023-02-02

INDEX

ボルドーを代表するネゴシアン、ドゥルトとは？
おすすめワイン6選

フランスワインの銘醸地として知られるボルドーには、古くからワインをつくるシャトーが数多くある。そうしたシャトーと契約を結び、トップネゴシアンとして多くのワインを送り出しているのが、1840年創業のドゥルト（Dourthe）だ。

ボルドーのネゴシアンとして70以上のシャトーと独占契約を結び、世界各地にワインを輸出するだけでなく、自社のシャトーや畑も運営。テロワールに並々ならぬこだわりを持っており、近年は環境保全にも取り組みながら、サステナブルなワインづくりを行っている。

ボルドーを代表するネゴシアン、ドゥルトとは？

1840年創業のドゥルトは、ボルドーにある70以上のシャトーと独占契約を結び、世界80カ国以上にワインを輸出しているトップネゴシアンだ。

ワイン商であるネゴシアンは、通常は自社の畑を持たず、栽培家やドメーヌからぶどうやワインを購入し、醸造やアッサンブラージュなどを行って販売する。しかし中には、自社で畑を持ってワインをつくっているところもある。

ドゥルトもそんなネゴシアンの1つで、AOC（Appellation d’Origine Controlee、原産地呼称）オー・メドックにあるメドック格付け（グラン・クリュ・クラッセ）第5級のシャトー・ベルグラーヴ（Chateau Belgrave）など9つのシャトーを運営する。さらに、畑を管理するなど、ワインづくりやワインの品質向上にも積極的に取り組んでいる。

ドゥルトの歴史

ドゥルトの歴史は、1840年にピエール・ドゥルト氏がボルドー市に構えた商店から始まる。

1929年には、ムーリ村のシャトー・モーカイユ（Chateau Maucaillou）を取得。現在にもつながる、テロワールを重視した拠点を手に入れることとなる。さらに、当時はほとんどのネゴシアンがボルドーに本拠地を置いていたが、ドゥルトは畑のあるメドックの中心に移転した。ぶどう畑に寄り添い、品質の追求に注力する姿勢が賞賛され、ドゥルトの名が広まることになる。

テロワールにこだわるぶどう畑

ドゥルトの畑は、ワインの個性や品質に大きな影響を及ぼすテロワールにこだわり、細やかな土壌分析を行って選定される。選定後は、独立専門組織との共同研究によって、各ぶどう畑の地図を作成。区画を体系的に整理して管理している。また、ぶどう樹の根元に対しては、植物生育サイクル全期間にわたってケアを行っている。こうした取り組みによってドゥルトのワインには、それぞれのテロワールの個性が繊細に表現される。

フランス農水省も認めるサステナブルなワインづくり

畑のテロワールにこだわりを持つドゥルトでは、その環境を守るためにサステナブルなワインづくりを実践している。

その取り組みはフランス政府にも認められており、2018年ヴィンテージ以降、自社の畑全てにおいて「テラ・ヴィテス（Terra Vitis）」と「HVE（High Environmental Value、環境価値重視認定）」の最難関レベル3を取得している。どちらの認証もフランスの農林水産省による規格で、取得にはテロワールに対する責任や生物多様性の保護、社会的責任などの厳守が求められる。

フランスのレストラン市場を席巻

ドゥルトのワインは、フランスにある3000店以上のレストラン市場で最も有名だといわれている。世界中で有名なフランスのレストラン・ホテルガイド『ミシュラン』の星付きホテルやレストランも例外ではなく、高級店では必ずといっていいほど、ドゥルトのワインが扱われている。

おすすめワイン6選

ドゥルトはさまざまなワインを提供しているが、おすすめのブランドワインと所有シャトーのワインを紹介する。

ドゥルトヌメロ・アンブラン

「ヌメロ・アン」は、レストラン市場でNo.1になることを目指してつくられた、ドゥルトのフラッグシップワインブランド。ボルドー大学のドゥニ・デュブルデュー教授と共に開発に取り組み、1988年に発売された。「ボルドーの白ワインに革命をもたらした」とも言われ、ボルドー産のソーヴィニヨン・ブランに特徴的なかんきつ系の鮮やかなアロマを持つ。

ぶどう品種：ソーヴィニヨン・ブラン
味わい：白・辛口
参考小売価格：2550円