INDEX
日本で最も長い歴史を持つワインメーカーのメルシャンは2023年3月20日、「メルシャン“ブレンドワイン”セミナー」を実施した。セミナーでワインの楽しみを広げる提案として挙げられたのが、レッド・ブレンドと呼ばれているブレンドワインだ。
この記事では、レッド・ブレンドとはどんなワインなのか、そしてメルシャンの新商品についての内容をピックアップして紹介する。
アメリカ発祥のレッド・ブレンドとは
レッド・ブレンドとは、複数の赤ワイン用ぶどう品種をブレンドしたワインのこと。凝縮した果実感やほんのりと感じる甘み特徴的だ。アメリカからブームが始まり、今やワインのスタイルの1つとして定着している。
ワインの伝統国では、法律によってブレンドに使用される品種が決められているが、新しいワイン産地では、法律にとらわれずに、ブレンドすることができる。そんな自由な挑戦の中で生まれたのが、レッド・ブレンドだ。
ブレンドワインとは
そもそもブレンドワインとは、一般的に複数のぶどう品種を使ってつくるワインのこと。一方、1つのぶどう品種でつくられたワインは、単一ワインと呼ばれている。
有名なブレンドワインの産地は、ボルドー(フランス)、シャンパーニュ(フランス)、キヤンティ(イタリア)など、伝統的にワインがつくられてきた国に多い。いわゆるワインの伝統国では、その地にもともとあった土着のぶどう品種を使って、ワインづくりがスタートしたという背景がある。
また、ブレンドをするメリットとして、次の3つが挙げられる。
・複数の個性が補い合って、複雑な味わいをつくり出すことができる
・複数の要素が調和することで、表現の広がりや厚み、深みが出せる
・ヴィンテージによる収穫量や品質のぶれを補ったり、熟成期間を調整できたりと、ワインの品質を安定させることができる
セミナーでは、音楽に例えて「ブレンドワインはオーケストラ、単一ワインはソリスト」と表現されていた。ブレンドワインと単一ワインは、それぞれに魅力があるもの。好みや食事によって選ぶといいだろう。
レッド・ブレンドの広まり
2000年代初頭に、カリフォルニアのナパ・バレーで誕生したレッド・ブレンドは、凝縮した果実感、滑らかなタンニン、甘やかさを生み出す高めのアルコール度数を特徴とし、その大胆な味わいが人気となった。当初のレッド・ブレンドの価格帯は25ドル(約2700円)程度と、比較的高めだった。
2010年代につくり手が増え、2013~2014年に発売された新商品のうち、41%がレッド・ブレンドとなり、10~12ドル(約1000~1200円)程度の商品も登場。レッド・ブレンドは、“手の届くぜいたく品”となった。
2020年代に入ると、売り場にレッド・ブレンド専用コーナーが出現。平均価格は10ドル(約1100円)程度と手頃だが、中には100ドル(約1万1000円)を超えるプレミアム商品も登場した。アメリカの赤ワイン市場では、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールといった人気の品種に次いで、第4位にレッド・ブレンドがランクイン。赤ワインのスタイルとして定着した。
※日本円は当時の為替レートを参照
今やその人気は、アメリカを飛び出し、イギリスやオーストラリアなどでも高まってきている。
レッド・ブレンドが人気の理由
産地や品種によって味わいが異なるのがワインの魅力だが、そこが難しさとなり、選びにくいと思われてしまうことも多い。しかし、凝縮した果実感やほんのりと感じる甘みが特徴のレッド・ブレンドは、味わいが分かりやすい。
品種や産地、飲み頃といったワインの難しさを取り払ったこと、加えて味わいが好まれたことで、レッド・ブレンドはワインの新規ユーザーに受け入れられた。
「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド」が進化
「メルシャン・ワインズ」とは
「メルシャン・ワインズ」とは、世界のパートナーと共に、メルシャンが培った技術・知見を生かし、日本のユーザーの嗜好に合わせた“感動のおいしさ”の提供を目指すブランドだ。持続可能なワインづくりを重視した、エシカルな商品でもある。気軽に、そして自由にワインを楽しんでもらうようにと、コストパフォーマンスが良い点も魅力だ。
現在は、「ラグジュアリー・コレクション」シリーズの「ボルドー」、「ディスカバー」シリーズの「ブレンズ パーフェクト・ブレンド」、「クオリティ」シリーズの「サニーサイド オーガニック」の3つのシリーズが展開されている。
【関連記事】
3つのシリーズが出そろった! サステナブルでコスパ抜群の「メルシャン・ワインズ」とは
レッド・ブレンドを意識した進化とは
「メルシャン・ワインズ」の中でも、レッド・ブレンドを意識して進化したのが、「ブレンズ パーフェクト・ブレンド」だ。これまで「レッド」「ホワイト」の2種類を展開しており、いずれも華やかなスペイン産ワインとふくよかなオーストラリア産ワインをブレンド。2つの国、3つのワイナリーのワインをブレンドしてつくられている。
【関連記事】
2つの国のワインをブレンドしてつくるという、新しい価値観で誕生した「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド」
進化のポイントの1つが、“味わいの分かりやすさ”だ。
2023年3月上旬には、従来の「レッド」「ホワイト」を、「マイルドレッド」「マイルドホワイト」に変更。ラベルから味わいが想像しやすいように進化した。
もう1つの進化が、“選択肢の追加”だ。新しい選択肢として同月22日に発売されたのが、「リッチレッド」だ。芳醇なイタリア産ワインとふくよかなオーストラリア産ワインをブレンドし、“リッチで芳醇な味わい”を目指した。シチリア最大級のオーガニックワイン生産者であるコロンバ・ビアンカが、イタリアのワインを手掛けている。
2つのレッド・ブレンドの味わいは
それでは、「ブレンズ パーフェクト・ブレンド」の「マイルド レッド」と「リッチ レッド」の味わいをチェックしてみよう。
メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド マイルド レッド
果実味豊かでまろやかなコクがあり、渋味が穏やかでバランスの良い、飲みやすい味わい。安定のおいしさという言葉がぴったりの1本だ。酸味もあるが、果実味がマイルドにしてくれており、普段はワインを飲まない人にも親しみやすい味わいになっている。
日本の家庭料理とも相性が良く、煮物や照り焼き、お好み焼きまで、味付けや味の濃さにかかわらず楽しめる。
メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド リッチ レッド
「マイルド レッド」に比べると、渋味や飲み応えがアップした1本。辛口フルボディタイプの味わいで、凝縮した果実感と複雑味を楽しめる。熟したぶどうの香りと厚みのある味わい、そして渋味や心地よい後味の余韻を楽しめるリッチで芳醇な味わいだ。アルコール分も14.0%と高め。
「あくまで日本のお客様がおいしく感じられ、日本の家庭料理と合わせやすい範囲の中で追及した」としているだけあり、豚の西京漬けといった家庭料理にもよく合う。滑らかなタンニンのある上品な味わいだが、野菜料理にもしっかり寄り添ってくれる。リッチな味わいのワインを飲んでいるという満足感を、日常の食卓にプラスしてくれるワインだ。
世界的に人気が高まりつつあるレッド・ブレンド。スーパーなどで気軽に手に取れる「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド」で、人気の理由を確かめてみてはいかがだろうか。