日本では長年にわたって数百円の高コスパワインが愛されてきたことから、“安うまワイン”のイメージがあるチリワイン。そんなチリワインのイメージを覆す試飲会が、2023年7月11日にザ ストリングス 表参道(東京都港区)で開催された。
それが、Wines of Chile主催の「92+チリワイン グランド・テイスティング」だ。
「92+チリワイン グランド・テイスティング」とは
「92+チリワイン グランド・テイスティング」は、国際的なワイン品評会や著名なワイン評論家から92点以上を獲得した、プレミアム・チリワインだけを揃えた試飲会だ。当日は、チリを代表する13の生産者が、40種類以上のワインを持ち寄った。
試飲会に先駆けて行われたプレスツアーでは、Wines Of Chileのアジア・ディレクターを務めるフェルナンド・ディアズ氏より、「日本には長年にわたってチリワインが入ってきているが、プレミアム・チリワインの市場はまだまだだ。今回は92点以上の点数を取った、高いレベルのワインを揃えているので、ぜひ皆さんもその品質を確かめてほしい」とあいさつがあった。
参加した13の生産者
参加した13の生産者は、以下の通りだ。
・ヴィーニャ・アロモ(Viña Aromo)
・バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ(Baron Philippe de Rothschild Maipo Chile)
・コンチャ・イ・トロ(Viña Concha y Toro)
・コノスル(Cono Sur Vineyards and Winery)
・エミリアーナ・オーガニック・ヴィンヤーズ(Emiliana Organic Vineyards)
・アラス・デ・ピルケ(Haras de Pirque)
・インヴィーナ(Invina)
・ロス・ヴァスコス(Los Vascos)
・マキ(Maquis)
・ヴィニャ・マーティ(Viña Marty)
・モンテス(Montes)
・ビーニャ・バルディビエソ(Viña Valdivieso)
・ヴュー・マネント(Viu Manent)
「フロンテラ」のコンチャ・イ・トロや自転車のラベルでおなじみのコノスル、ファミリーマートで買えるロスヴァスコスなど、ワイン初心者にもよく知られたワイナリーから、まだ日本に輸入されていないワイナリーまで、注目の生産者が名を連ねた。
2つの未輸入ワイナリー
今回参加した生産者のうち、2つの日本未輸入ワイナリーは、いずれもブースから人が途切れず、注目度の高さがうかがえた。
●インヴィーナ(Invina)
2007年にマウレ・バレーで創業。太平洋の影響を強く受け、日較差(1日の最高と最低気温の差)の大きいマウレ・バレーに5つのぶどう畑を所有しており、それぞれの多様性を表現することを目的に、ワインづくりに注力している生産者だ。
会場には、創設者でありCEOのアレックス・フーベル氏の姿もあり、アイコンワインの「OJOS VERDES」などを出展していた。テロワール由来の柔らかさのあるワインが特徴だ。
●マキ(Maquis)
18世紀にイエズス会の司祭が開墾した、コルチャグア・バレーで最も古い生産者だ。
フランス・ボルドーのグランヴァンの多くを手掛けるオープンマーケット、ラ・プラス・ド・ボルドー(La Place De Bordeaux)にも採用されている。ボルドー以外の生産者では、歴史的に高い名声を保ち、諮問委員会が認めるワイナリーしか参入できない。つまりマキは、品質と歴史がボルドーにも認められたチリの生産者といえる。
今回は、アイコンワインの「カベルネ・フラン」など4本のワインを出展していた。
かつてのチリワインのイメージは、“重たい赤、樽の効いた白”だった。今回の試飲会では、果実味やテロワールの特徴を引き出したエレガントなワインが多く、プレミアム・チリワインの“今”が感じられた。
次回以降の記事では、いくつかの生産者をピックアップし、出展されていたワインを紹介していく。プレミアム・チリワインが気になっている人は、ぜひ参考にしてほしい。