コラム

初めてのプレミアム・チリワインにおすすめ! バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリのプレミアムワイン4本 ~「92+チリワイン グランド・テイスティング」レポート⑪

2023年7月11日に、ザ ストリングス 表参道(東京都港区)で開催された、Wines of Chile主催の「92+チリワイン グランド・テイスティング」。ワイン業界関係者に向けて、世界的に注目度の高いプレミアム・チリワイン、特に国際的に92点以上の評価を受けたワインのみが出品された。

同展示会に出品した生産者の中から、今回はバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ(Baron Philippe de Rothschild Maipo Chile)の4本のプレミアムワインを紹介する。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリとは

「チリにおけるフィリップ・ド・ロートシルト男爵の後継者にふさわしい」と、Wines of Chile アジア・ディレクターのフェルナンド・ディアズ氏から紹介のあったつくり手だ。

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリは、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの3代目当主だったフィリピーヌ男爵夫人(バロネサ・フィリピーヌ)が、チリへの進出を決めて2003年に設立したワイナリー。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドは、フランス・ボルドー地方の5大シャトーの1つに数えられる、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有している。

マイポ・チリの特徴は、テロワールとぶどうの個性を最大限に引き出すワインづくり。“最高を目指すためには努力を惜しまない”というボルドーでの姿勢を受け継いでおり、ディアズ氏の紹介通り、「チリにおけるフィリップ・ド・ロートシルト男爵の後継者にふさわしい」ワイナリーと言える。

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バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリの92+プレミアムワイン

それでは、出品されていたバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリのワインを見ていこう。

エスクード・ロホ・シリーズ

「エスクード・ロホ(Escudo Rojo)」は、スペイン語で「赤い盾」を意味する。ロスチャイルド(赤い盾)のファミリー名を冠したこのフラッグシップワインには、チリに根付くワインになるようにという思いが込められている。

コストパフォーマンスが非常に良く、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ、さらにはチリのプレミアムワインを初めて味わう人におすすめのシリーズだ。

エスクード・ロホ・グラン・レゼルヴァ 2021

ボルドー品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランに、チリの代表品種であるカルメネール、シラーがブレンドされたワイン。フレンチオーク樽(新樽率25%)にて、12カ月間熟成させている。

濃厚な果実香だがエレガントな印象のワインで、酸味や果実感、タンニンの滑らかさのバランスがよく、長い余韻が楽しめる。

ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン39%、カルメネール39%、シラー9%、プティ・ヴェルド7%、カベルネ・フラン6%
生産地:セントラル・バレー
参考小売価格:2860円(税込)
評価:「ジェームス・サックリング(James Suckling)」93点、チリのワインガイド『デスコルチャドス(Descorchados)』92点

エスクード・ロホ・レゼルヴァ・シャルドネ2020

6カ月間、フレンチオーク樽とステンレスタンクで半量ずつ熟成させている。みずみずしさとコク、複雑味が味わえるワインだ。温度が上がるとクリーミーさが感じられ、時間による味わいの変化も楽しめる。後味にほんのりと感じられる苦味は、幅広い料理と相性が良い。

ぶどう品種:シャルドネ100%
生産地:カサブランカ・バレー
参考小売価格:2145円(税込)
評価:「ジェームス・サックリング」92点

エスクード・ロホ・オリジン2019

ボルドーのつくり手として抱いている「カベルネ・ソーヴィニヨンにとって最適な場所でワインづくりをしたい」という思いから、カベルネ・ソーヴィニヨンが理想的に成熟するマイポ・バレーのぶどうを使用したワイン。

フレンチオーク樽(新樽率30%、残りは1回使用樽)で12~14カ月熟成させている。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリが表現する、カベルネ・ソーヴィニヨンを堪能できる1本だ。

ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
生産地:マイポ・バレー
参考小売価格:4950円(税込)
評価:『デキャンター(Decanter)』92点、『デスコルチャドス』94点

エスクード・ロホ・バロネサ・ピー2019

チリへの進出を決めたフィリピーヌ男爵夫人に捧げる、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリの最高峰ワイン。2018年にファーストヴィンテージが誕生するまでに、2000年頃から畑の開拓やテロワールの地質調査を進めるなど、長い時間をかけている。

フレンチオーク樽(新樽率60%)で15カ月間熟成させている。濃厚さだけではなく、バランスと複雑さが感じられる。数量限定で希少価値の高い商品だ。

ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン78%、カルメネール6%、プティ・ヴェルド6%、カベルネ・フラン5%、シラー5%
生産地:マイポ・バレー
参考小売価格:8800円(税込)
評価:「ジェームス・サックリング」97点

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ