コラム

マスター・オブ・ワインが手がける、リチャード・カーショウ・ワインズの3本 ~「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」レポート⑧

   

南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA Japan)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。

同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。

今回は、マスター・オブ・ワイン(MW)が注目産地のエルギンで手がける、リチャード・カーショウ・ワインズ(Richard Karshaw Wines)だ。

リチャード・カーショウ・ワインズとは

オーナーのリチャード・カーショウ氏は、2011年に南アフリカで最初のMWとなった人物だ。イギリス出身だが、MWを目指す過程で世界各地のワインづくりに携わった後、1999年に南アフリカへ移住。大手ワイナリーで醸造責任者を務め、2012年にリチャード・カーショウ・ワインズを設立した。

彼がワインづくりの地として選んだのは、冷涼なワイン産地として知られるエルギン。海に近くて標高が高く、ブルゴーニュ品種やシラーの栽培に適した産地として知られている。目指すのは、そのワインが生まれた場所を連想させるようなワイン。特定の地、クローンの選定、クール・クライメット(冷涼産地)のワインにこだわり、MWとしての知識や経験を生かしたワインづくりを行っている。

特にシャルドネへの評価が高く、2015年にファーストヴィンテージ(2012)が『デキャンター(Decanter)』誌が選ぶ、ブルゴーニュ以外の世界のシャルドネTOP10に選出された。MWのティム・アトキン氏の「南アフリカ・スペシャルレポート(South Africa Special Report) 2021」では、南アフリカ産シャルドネ・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。

リチャード・カーショウ・ワインズのワイン

DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023では、3本のワインが出展されていた。いずれも「クローナル・セレクション」で、MWの経験や知識を生かし、特定区画の土壌や気候に合ったクローンごとに緻密な醸造でつくられたワインだ。

テイスティングコメントは、輸入元のモトックス(Mottox)によるもの。

エルギン シャルドネ クローナル・セレクション 2018

『ヴィノス(Vinous)』誌から93点、ティム・アトキンMWから92点と高い評価を受けているワイン。リチャード・カーショウ・ワインズのシャルドネを堪能したい人におすすめ。

早朝に手摘みしたぶどうを全房プレスし、天然酵母にてドライになるまでブルゴーニュ樽で発酵させる。酸を柔らかくするマロラクティック発酵(MLF)は行っていない。ブルゴーニュ樽(新樽率39%)で11カ月熟成している。

【テイスティングコメント】
抑制されたスタイルで、ミネラリックかつ白果実の風味の繊細さが魅力です。オートミールや樽由来の要素が綺麗に溶け込み、高い酸、程よいボリュームを持つ焦点の定まったワインです。

Elgin Chardonnay Clonal Selection 2018
アルコール分:13.0%
品種:シャルドネ100%
生産地:エルギン
参考小売価格:7810円(税込)

エルギン シラー クローナル・セレクション 2017

マスタークラスでも紹介された、南アフリカの冷涼産地を代表するシラー。

手摘みしたぶどうを選果し、除梗したものを天然酵母のみでオープンタンクにより主発酵。その後、オーク樽にて酸を和らげるマロラクティック発酵(MLF)を実施する。93.4%をフレンチオーク樽(新樽率41.5%)にて17カ月、6.6%をエッグタンクにて熟成させている。

【テイスティングコメント】
繊細さがあり、正確性に富んだシラーです。細やかなタンニンがバランスを整え、黒果実の果皮や潰した白コショウのスパイス感、ヨード系のニュアンスを持つ素晴らしい赤ワイン。

Elgin Syrah Clonal Selection 2017
アルコール分:13.5%
品種:シラー100%
生産地:エルギン
参考小売価格:7480円(税込)

エルギン ピノ・ノワール クローナル・セレクション 2019

南アフリカで最も信頼される評価ガイド『プラッターズ・ワインガイド(Platter’s Wine Guide)』の2022年版で95点、ティム・アトキンMWで2021年・2022年に93点と、高く評価されている。

手摘みしたぶどうを選果し、オープンタンクに除梗、破砕したぶどうを入れ、その上に未破砕ぶどうを投入。3日間のマセレーション後に発酵させる。87.5%は3種類のフレンチオーク樽(新樽率22.4%)で10~11カ月、12.5%はエッグタンクで熟成させている。

【テイスティングコメント】
フローラルかつ新鮮な赤果実のアロマと、細かな心地良いタンニンを持ち、非常にストラクチャーが整ったワインです。黒果実、ザクロ、バラ油、ラズベリーなどのフレーバーが魅力です。

Elgin Pinot Noir Clonal Selection 2019
アルコール分:13.5%
品種:ピノ・ノワール100%
生産地:エルギン
参考小売価格:8470円(税込)

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ