ワインは貯蔵の方法次第で状態が大きく変わる。ワインを保存するためのワインセラーがあれば気にしなくてもいいだろうが、自宅のスペースなどの関係で持っていない人もいるはずだ。
それではワインセラーがない場合、買ってきたワインを保存する際には、どんなところに気を付ければいいのだろうか。
ポイント1:冷蔵庫なら野菜室がベスト
ワインの保存には、冷たく、暗く、振動のない場所が理想的だ。
家庭なら冷蔵庫に入れておくのがいいだろう。温度変化が少なくて、ドアポケットと比べて振動の少ない「野菜室」での保存がオススメだ。
明かりの影響を受けないように新聞紙でワインボトル全体を巻いて、横にして保存するといい。
冷蔵庫の中では比較的温度が高めの野菜室だが、それでもワインには温度が低過ぎる。飲むしばらく前に外に出しておいて、適温に戻してから飲むようにしよう。
ポイント2:コルクを保護しよう
ワインを保存するときには、コルクの状態にも気を配ろう。コルクの乾燥を防ぎ、周囲の匂いをワインに移さないように注意しよう。
コルクは75%程度の湿度に保つのが理想的だ。コルクが乾燥すると開栓時にぼろぼろになってしまったり、瓶とコルクの間に隙間ができて空気が入ってワインが劣化したりしてしまう。
コルクの部分をラップで巻いて横に寝かせて保存すれば、コルクの乾燥や匂い移りを防ぐことができる。それでも匂い移りが気になるようなら、匂いが強いもののそばに置かない方がいいだろう。
冷蔵庫に入らないなら……
このような点に気を付けてワインを保存してもらいたいが、冷蔵庫にワインを入れるスペースがなかったときにはどうすればいいのだろうか。
保存場所として、ワインの保存に最適な13℃程度で、暗い場所を探してみよう。冷蔵庫に次ぐ候補としては床下収納がいいだろう。もし床下収納がないのなら、「北側」「低層階」「暗い」をキーワードに場所を探してみよう。発泡スチロールの箱があれば、断熱性が高いので新聞紙を巻いて保存するのもお勧めだ。
とはいえ、高温多湿の夏に、常温で長時間保存するのは避けたいところだ。寒い時期に冷蔵庫以外で保存する場合にも、暗い場所で、あまり温度が下がり過ぎない場所を選ぶようにしよう。ボトルによっては光の影響を受けにくい、黒や緑のボトルに入っているものもあるが、それでも直接明かりに当たらないようにした方がいい。
また、周りに匂い移りがするものがないかどうかも注意しておこう。カビ臭さも移ってしまうので注意が必要だ。
長期保存・熟成にはワインセラーが必要
このように考えていくと、記念日のワインを長期間保存する場合や長期熟成をさせる場合には、やはりワインセラーが欲しいところだ。温度を低く保つ冷蔵機能だけではなく、冬でも適温に保ってくれるヒーター機能の付いたワインセラーがオススメだ。
また、入れるときにはコルクの乾燥を防ぐため、ワイン瓶の底を手前にして保存するようにしよう。