コラム

オレンジワインのイロハを学ぼう ~ ジョージア生まれイタリア育ち? 日本で買える人気のワインは?

   

「オレンジワインって、このごろよく聞くけど、一体何のことかわからない」という方も多いのではないだろうか。

オレンジ色の液体は、柑橘を使っているわけではなく、世界最古とも言われる伝統的な製法で作られるぶどうのワインだ。様々な料理に合わせられるオレンジワインについて、わかりやすく解説しよう。

オレンジワインとは?

オレンジワインのルーツ

Tchotiashvili Vineyards Kakheti Rkatsiteli 2013
近年、取り上げられることの多くなったオレンジワイン(アンバーワインとも呼ばれる)は、文字通りオレンジがかった外観が特徴だ。このオレンジワインは、ジョージアで生まれたとされている。

ジョージアは、トルコとロシアに挟まれた小さな国で、2015年まではグルジアと呼ばれていた。同国は黒海に面しており、ロシアとの国境にはコーカサス山脈が走る。2018年1月に大相撲で初優勝を果たした栃ノ心の祖国としても知名度が上がった。

ジョージアは世界最古のワイン生産地とも言われ、温暖な気候を生かしたワインづくりが今でも盛んに行われている。特徴としては、400を超えるぶどうの原種が残っていること。ツィナンダリ、キンズマラウリ、サペラヴィやルカツィテリといった土着品種を、昔ながらの手法でワインに醸造している。

オレンジワインの醸造方法

Sighnaghi in Kakheti (Georgia)
ジョージアではかねてより、つぶしたぶどうを素焼きの甕アンフォラ(クヴェヴリ)に詰めて土の中に埋め込み、地中で房ごと発酵させてきた。この製法は、ワイン醸造の起源とも言われる。

白ぶどうをこのように発酵させると、果皮の色が液体に移り、オレンジがかった色合いに。また通常白ワインには感じられないタンニンやスパイスのニュアンスが加わり、独特の風味を持つ味わいとなるのだ。

この醸造法に衝撃を受け、インスパイアされたイタリアなどの生産者たちが、自らの国でもオレンジワインを作り始め、次第に優れたワインが生まれてきた。

製法としては、開放されたタンクでぶどうの皮を一緒に漬ける方法と、密閉された環境で皮の成分を抽出する方法と、大きく二つに分かれる。基本的には、黒ぶどうを使って白ワインのように作るロゼワインと逆で、オレンジワインは白ぶどうを使って赤ワインのように作る、と覚えておこう。

オレンジワインの主な産地

Alazani valleys
現在、オレンジワインの生産地として有名なのは、ルーツのジョージアはもちろんのこと、オレンジワインのブームに火をつけたイタリアが挙げられる。加えて、アメリカのカリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、日本でも多く作られている。地中に甕を埋める伝統製法を採用している作り手もおり、その多くは自然派の生産者だ。

オレンジワインの特徴

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オレンジワインと一言で言っても、その味わいは千差万別だ。さっぱりとした白ワイン寄りのものもあれば、とろりとした濃厚なものもある。

カテゴリーは白ワインに入るが、原産地呼称制度の枠外にあるものが多いため、かなり自由に作られている。

オレンジワイン全般に共通する特徴を挙げるとすれば、白ワインの範疇にありながら、赤ワインの特徴である「タンニン」や「スパイス感」「複雑味」を持ち合わせているということ。

そのため、通常では白ワインと合わないとされてきた様々な食材や料理にも、程よく合う。

では、オレンジワインと料理との相性を見ていこう。

オレンジワインと料理のマリアージュ

薄赤色〜オレンジ色の食材

ワインと食事(食材)を合わせる基本中の基本は「色を合わせる」こと。つまりオレンジワインには薄赤〜オレンジ色のものを合わせると、間違いがない。ゆえに、ロゼワインのマリアージュ食材と似ている。

具体的には、サーモンやまぐろ、かつおなどの魚や、生ハム、豚肉など。料理法は、シンプルなソテーやグリルでも良いし(グリルした焦げ目とオレンジワインのタンニンは相性が良い)、トマトソースやバルサミコ、クリーム煮など多少味の強さやボリュームのあるものにも合う。

フォアグラやアジア料理

他に、フォアグラのテリーヌにはちみつをかけたものやドライフルーツとも相性が良い。また、白ワインや赤ワインでは味のバランスが取りにくいアジア料理全般、オイスターソースや八角を使った中華料理にも非常に合わせやすいのでおすすめだ。

おすすめのオレンジワイン

最後に、値段的にも味的にもトライしやすい、おすすめのオレンジワインをいくつかご紹介しよう。


ベシーニ クヴェブリ スペシャルリザーブ


生産国:ジョージア
つくり手:ベシーニ
参考価格:2,700円

ジョージアのオレンジワインの入門編として最適な一本。甕容器アンフォラの中で半年間発酵させる伝統的な製法で作られ、ほんのりオレンジがかった色と、キンモクセイや紅茶のようなニュアンスが加わっているのが特徴だ。適度に近代的な技術も用いて、エレガントでモダンなスタイルに仕上げているため、飲みやすい。
参考価格:2,700円

デナーヴォロ・カタヴェラ


生産国:イタリア
つくり手:デナーヴォロ
参考価格:2,600円

オレンジワインの一大ブームを引き起こした、イタリアはエミリア・ロマーニャで作られた一本をご紹介。マルヴァージア、オルトゥルゴ、マルサンヌの3品種を使用、フレッシュで飲み心地の良いスタイルに仕上げている。グレープフルーツのようなニュアンスが特徴で、揚げ物などにも合わせやすい。

ココファーム・ワイナリー甲州 F.O.S.


生産国:日本
つくり手:ココファーム・ワイナリー
参考価格:3,000円

意欲的なワイン作りの姿勢に、熱狂的なファンも多いココファーム・ワイナリー。すっきりしたイメージの甲州種を用いて、パワフルなオレンジワインを作り出した。はっさくや熟したカリン、干し柿のような旨味といった様々な要素が複雑に絡み合う。

はっきりとしたアタックのあるワインで、はちみつソースのスペアリブなどにぴったりだ。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身