コラム

日本ワインが世界に飛び立つグローバル元年に[第5回 日本ワイン祭りレポート]

2019年4月12~14日の3日間、東京・日比谷公園で「第5回 日本ワイン祭り~JAPAN WINE FESTIVAL~」が開催された。

イベントには、北は北海道、南は大分県まで、14都道府県から49のワイナリーが参加。初日こそ肌寒かったが、2日目からは晴天に恵まれ、芝生にレジャーシートを敷いて日本ワインとフードを堪能する来場者の姿も多く見られた。

当日券を求める人で長い列がつくられ、日本ワインに対する注目度の高さや、日本ワイン祭りが春の定番イベントになりつつあることを実感できた。

セミナーやスタンプラリー、映画の上映会などのイベントも多数

今回の日本ワイン祭りでは、各ワイナリーのブースやキッチンカーで、さまざまな日本ワインやワインにぴったりのグルメが提供された。他に、「L’Oven(ル・オーブン)」のパンが景品でもらえるスタンプラリー、日本ワインの魅力や日本固有のぶどう品種をクローズアップした各種セミナー、ワイン好きのための交流イベント「Japan Wine Party」など、日本ワインの愛好家から初心者まで、幅広く楽しめるイベントが用意されていた。

12日開催のセミナー「アジア・オセアニア最優秀ソムリエ“岩田渉”氏が語る、日本ワインの魅力」の特典として、テイスティングが提供された高級ワイン「ジャパンプレミアム デュオ・ダミ スペシャルアッサンブラージュ2015」(グラス1200円相当)

3種類の日本産チーズを試食できるアンケートも会場内で実施

2日目には、“現代日本ワインの父”と呼ばれる故・浅井昭吾(ペンネーム:麻井宇介)氏に憧れ、日本での本格的なワインづくりに取り組んだ3人のつくり手を描いた映画『ウスケボーイズ』の特別上映会が開催された。

上映後には、監督や主要キャストによるトークショー、ワインなどが当たる抽選会を実施。メルシャンの尾谷さんは、当日の会場の雰囲気を「本当に、熱心なお客さまが多いと感じました。映画はもちろん、その後のトークショーも食い入るように見ている方が多くいらっしゃいました」と振り返る。「日本ワインをますます好きになっていただけたのでは、と思います」と手応えを感じたそうだ。

日本ワインにはまだまだ夢がある

平成の30年間で、ワイン市場は大きく成長したものの、「まだまだ日本ワインには夢がある」ということを強調したのは、メルシャン代表取締役社長の長林道生氏だ。

開会式のあいさつで、「確実に、日本人の日常生活にワインが定着し、浸透している」とした上で、「日本ワインの存在感を高めていくために、ワインの素晴らしさやワインのつくり出す素晴らしいシーンをもっと伝えていくことを、皆さんと進めていきたい」「これから迎える令和の時代に、日本ワイン産業が大きく発展していくという夢を、ブドウ生産地やワイナリーの皆さま、そしてお客さまと一緒に分かち合っていきたいと思っています」と語った。

また、「令和」の典拠が奈良時代に編纂された万葉集であることに触れ、日本固有品種であり、OIV(Office International de la vigne et du vin:国際ぶどう・ぶどう酒機構)に登録されている「Koshu(甲州)」も、奈良時代にコーカサス地方からシルクロードを経て日本にやってきた品種であることを紹介。令和元年が「日本ワインが世界に飛び立つグローバル元年になるように」と、あいさつを締めくくった。

同じく開会式であいさつに立った国税庁審議官の吉井浩氏は、日本ワインの輸出が10~20%ほど増加していることに触れ、「つくり手の努力と、消費者の評価があってのこと」と語った。

国税庁では昨年、フランスのボルドーにあるワインの総合施設「La Cité du Vin(ラ・シテ・デュ・ヴァン)」で、主に専門家に向けて日本ワインのPRを実施している。昨年末には、農林水産省と連携してパリで日本ワインをPRし、「繊細で素晴らしい味わい」と、現地で好評を得たという。

日本ワインの明るい今後を垣間見る

日本ワイン祭りを振り返り、「若い方が多く来場されていたのが印象に残りました」と語るのは、前出のメルシャン尾谷さんだ。

また、「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー」の「桔梗ヶ原メルロー ロゼ」の評価も高く、「これからのロゼワインの可能性も感じた」という。

メルシャンは、日本ワイン祭りを支える協賛企業の1社だ。尾谷さんは、来年の開催について、次のように語っている。

「来年はオリンピックも開催され、海外からのお客さまも多数お見えになると思います。日本の方だけでなく、広く世界の方々にも『日本ワインって、こんなにおいしいんだ!』と実感していただけるように工夫していきたいと思います」

今回のイベントでは、若い層にも日本ワインが浸透しつつあること、さらには、海外からも注目が集まっていることが実感でき、日本ワインの明るい今後が垣間見えた。

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