コラム

高級ワインと低価格ワインの違いとは? 特徴を知ってよりワインを楽しもう

赤や白、ロゼ、スパークリングなど、さまざまな種類があるワイン。生産地も世界各地にあり、手頃なものから高級なものまで、価格帯も幅広い。中には数万円、数十万円という高級ワインもあるが、低価格ワインとの違いはどこにあるのだろうか。

高級ワインと低価格ワインの違い

高級ワインと低価格ワインの違いは何かを考える際、どんな要素を思い浮かべることが多いだろうか。一般的には、低価格ワインと比較して、高級ワインは「味がおいしい」「希少性がある」「ヴィンテージものだ(長い年月を経て価値が高まっている)」などを思い浮かべる人が多いだろう。

もちろん、これらも該当するが、他にも高級ワインと低価格ワインには、「製造コストの違い」「評価やブランドの違い」「生産数による市場価値の違い」といった要素がある。

製造コストの違い

高級ワインと低価格ワインで、気づきやすい違いの1つが価格だ。価格に差がつく要因として、高級ワインと低価格ワインとでは製造にかかるコストの差が挙げられる。

ワインの製造コストには、以下のようなものが関わってくる。

・地理的要因

ぶどうをどの国のどこの畑で育てるのかで、土地、人件費、輸送費などが変動する。高級ワインであれば、おのずと良質な畑が求められ、その結果、製造コストが上がる。

・ぶどうの樹

ぶどうの樹は、収穫するごとに収穫高が減少し、定期的な植え替えが必要。また、高級ワインの原料にするためには、1本当たりの収穫量を絞らなければならないので、その分、多くの樹が必要となることから、製造コストが上がる。

・製造方法

ワインの製造にはさまざまな機械が必要となる。最新の技術を用いるために、最新の機械を導入した結果、導入費用が高額になることもある。さらに、高級ワインは樽の管理も重要であり、管理や新品の樽を買う費用がかさむ。

評価やブランドの違い

5大シャトーのワインや、ロマネ・コンティ、ドン ペリニヨンなどの有名ワインは、名前だけで「高級」「おいしい」「貴重」「ハイクラス」などのイメージを与えることに成功した、ブランド力の高いワインと言える。有名になるには、伝統に裏打ちされた製法や良質な原料はもちろんのこと、広告による宣伝や有名評論家から高評価を得ることも重要になる。特に、有名評論家に試飲を依頼する場合は、試飲の機会を設定するだけでもコストがかかってくる。

また、ある高級ワインを富裕層が何らかの理由で買い占めた場合も、需要と供給のバランスが崩れて、価格が高騰することがある。その後、供給が戻らない状態で人気が出れば、価格が高い水準のままになることも珍しくない。

生産数による市場価値の違い

そもそも、ほとんどの高級ワインは生産数が少ない。その理由は、原料となるぶどうの収穫量が少ない、生産に手間がかかる(熟成ワインだと完成するのに数十年かかることも)ことが挙げられる。

こうなると、必然的に次のような流れが構築される。

「生産数が少ない→市場に出回る数が少なくなる→高値でも買いたい人が増えていく→市場価値が上がる」

高級ワインが高級ワインたるゆえんは、生産数の少なさにあるとも言えるだろう。また、天候不順のため、ぶどうの収穫量が例年より少なくなってしまえば、価格がさらに高騰することもある。

高級ワインの選び方

高級ワインの選び方にはいくつか基準があるが、よく用いられるのが「価格」「産地」「ぶどうの品種」「合わせる料理」だ。

高級ワインを求める理由がはっきりしていればしているほど、選びやすくなる。それぞれの基準について詳しく解説する。

価格で選ぶ

どこからが高級ワインに属する価格帯なのか、明確に決まっているわけではないが、多くの場合5000円ぐらいからが高級ワインだと言われる。とはいえ、高価格帯のワインには数百万円するものもあるため、その範囲は非常に広い。予算と相談しながら選ぶと良いだろう。

産地で選ぶ

産地から高級ワインを探すのも良いだろう。高級ワインの産地は、世界中に点在している。代表的な産地を以下にまとめてみた。

・フランス

言わずと知れた高級ワインの名産地で、かの有名な5大シャトーやロマネ・コンティは全てフランス産。特に、ボルドーやブルゴーニュで盛んである。

・イタリア

フランスと並ぶ高級ワインの名産地で、古代より「エノトリア・テルス」(ワインの大地)の異名を持つ。

・カリフォルニア(アメリカ)

個性豊かな産地が点在するアメリカの中でも、カリフォルニア州のナパやソノマといった地域では高級ワインが生産されている。

ぶどうの品種で選ぶ

産地と同様に、ぶどうの品種も数多くあり、味わいや香りが異なる。赤ワインの原料となるぶどうの代表的な品種を以下にまとめたので、品種から高級ワインを選ぶ際の参考にしてほしい。

・カベルネ・ソーヴィニヨン

重厚な味わいのワインには欠かせない赤ワイン用の品種。複雑かつ繊細な香りと、しなやかなタンニン、芳醇な味わいが魅力。

・ピノ・ノワール

幅広いワインを生み出す品種で、色合い、味わい、ベリーのような香り高さが人気。

・ネッビオーロ

バローロやバルバレスコに使われる品種。酸味とタンニンが強めで、長期熟成させるワインによく用いられる。

・サンジョヴェーゼ

キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、スーパータスカンのブレンドに使われる品種。コクのある高級ワインができることで支持を集めている。

・メルロー

タンニンがしなやかで、エレガントな風味のワインができる。香りは、熟したプルーンやプラムによく似ている。

合わせる料理で選ぶ

合わせる料理によって、ワインはより楽しめる。ここでは、赤ワインと白ワインについて紹介する。

・赤ワイン

赤ワインは、飲み口の濃淡で「ライトボディ(軽口)」「ミディアムボディ(中口)」「フルボディ(重口)」にカテゴリ分けされる。ライトボディなら、さっぱりとして脂の少ない料理、ミディアムボディなら程よい味付けの料理、フルボディなら濃厚な料理がよく合う。

・白ワイン

白ワインには、大きく分けて甘口と辛口の2種類がある。甘口にはさっぱりとした魚料理、辛口には辛味のある料理や揚げ物などがおすすめ。

高級ワインが購入できる場所

高級ワインは、以下のような場所で販売している。

高級ワイン・ヴィンテージワイン専門店

全国各地、特に大都市圏には高級ワインやヴィンテージワインを専門に扱う店が点在している。中でも、ヴィンテージワインを購入したい場合は、ヴィンテージワイン専門店で購入すると良いだろう。

品揃えはもちろんのこと、ワインに詳しい販売員やオーナーなどが常駐していることが多く、相談すれば欲しいワインの特徴から最適な1本を案内してくれるのも専門店ならではのメリットだ。また、専門店にはワイナリーから正規取扱店として認定を受けているところもあり、そういった専門店では品質にも安心して購入できるだろう。

オンラインショップ

前述した専門店の中には、オンラインショップを同時に展開しているところもある。すでに欲しいワインが決まっていたり、複数本購入したいが持って帰るのが大変だったりする場合は、実際に店舗に行かなくても購入できる通販はとても便利だ。ショップによっては、一定額以上で送料無料になったり、会員限定の特典があったりするので、その辺りを考慮して選ぶのも良いだろう。

高級ワインには、手間やコストをかけた生産体制、産地やブランド力など、低価格ワインにはない要素がある。それらを経て至極の1本が完成し、その結果、価格も価値も高いワインとなる。専門店やオンラインショップで、自分好みの、あるいはプレゼントのための特別な1本を探してみよう。

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関西大学卒 専業ライターを夢見て日々執筆する複業ライター。酒と肉と旅行と昼寝が好き。