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[ワインとおつまみ]“鉄板”の白ワインと魚介類――でも、「なんか生臭くない?」と感じてしまったときの対処法

白ワインにとって、“鉄板の組み合わせ”と言えば魚料理だろう。ただ、どちらもおいしく楽しめるはずだったのに、魚の生臭さを感じてしまった経験はないだろうか。

相性が良いはずの組み合わせで、なぜこのようなことが起きるのだろうか。既にメルシャンの研究チームが詳しく研究し、その成果が披露されているようだ。

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生臭さの原因はワインに含まれる鉄にあった

メルシャン・商品開発研究所の田村隆幸氏らは、ワインと魚介類を合わせたときに発生する生臭さの原因が、ワインに含まれている鉄にあると2008年9月に開催の「日本味と匂学会」などで発表。これは世界初の発見となり、大きな反響をもたらした。

魚介類だけで食べたときには生臭さを感じないのに、ワインと合わせたときに生臭さを感じてしまうのはなぜだろうか。研究チームはそんな問題意識を持って研究に着手。その結果、ワイン内の鉄が、魚介の脂質の酸化を促して「(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール」を発生させてしまうことを解明した。発生した(E,Z)-2,4-ヘプタジエナールを嗅覚で感知したとき、生臭みを感じている可能性があるという。

carpaccio

ワインと魚介類をおいしく楽しむには

白ワインと魚介類の組み合わせが、生臭みを発生させるとことが分かったが、なぜそんな組み合わせが鉄板の組み合わせとなったのだろうか。

白ワインと魚介類が鉄板の組み合わせとなったのには、調理方法の影響が大きいようだ。

欧米では、オリーブオイルをはじめ、油を使って魚介類を調理することが多い。香りや臭い物質のほとんどは油に溶けやすい性質を持つため、油を加えることで生臭み成分の放散を抑制できるようになり、生臭さを感じにくくなるそうだ。

Saltata di Cozze

ワインと魚介類を合わせる場合には、魚介類を油で炒めたり、揚げたりするといいだろう。生のまま楽しみたいのであれば、カルパッチョ風に仕立ててオリーブオイルを加えるなどの工夫をしてみよう。

また、鉄分の含有量が少ないワインを選ぶという選択肢もある。ワインに鉄が含まれる原因として、ぶどうが土壌から取り込む可能性、土ボコリなどがぶどうの皮について混入する可能性、醸造用の容器から溶け出す可能性などがあるという。

そういった鉄分を含有する可能性の少ないワインとして、棚仕立てで栽培して土から離れた位置で育ったぶどうを使用する「甲州ワイン」、ぶどう洗浄システムを導入して皮についた金属類を少なくしてから醸造する「カ・デル・ボスコ」のワインが挙げられる。

Tuna Fillet Carpaccio

白ワインと魚介類を合わせたときに生臭みを感じるのには、こんな理由があったようだ。

「運が悪かっただけ」「自分だけ感覚が変なのか」などと悩む必要はなく、油を使って調理するか、鉄分の少ないワインを選ぶようにしてみよう。そうすれば、白ワインと魚介類という鉄板の組み合わせを、安心して楽しむことができるはずだ。

Monkfish Carpaccio & Scampis

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