Wines of Germany 日本オフィスは2023年12月21日、ドイツワインの2023ヴィンテージについて発表した。2023年は、ほとんどのぶどう品種がほぼ同時に成熟し、効率を上げた収穫で並外れた品質を確保できたという。
ドイツ・ワインインスティトゥート(DWI)が調査した各生産地のヴィンテージレポートによると、2023年は極端な干ばつや大雨に加え、9月でも30℃に達するような酷暑に悩まされ、健全なぶどうの収穫が課題となった。収穫量は、ぶどうの品種と降雨分布により、地域的にも個々の場所でも大きく変動している。全国的には880万hlと推定され、前年を3%下回る結果となった。
全体の収穫量は減ったものの、リースリングとシルヴァーナー、国際的な赤ワイン品種は高品質となった。また、新しい耐菌性の品種は病原菌に対して高い耐性を示している。
例えばフランケンでは、収穫期間に夏のような天候が続き、健康で熟したぶどうを収穫できた。いくつかの場所では、14日ほどで主要な収穫が完了するなど、最速の収穫となった。主要品種のシルヴァーナーは、気候の変化に対応し、アロマティックでエレガントな品種特性が現れたワインに仕上がるという。
リースリングについては、モーゼルとラインガウで強みを発揮した。モーゼルでは、暖冬や干ばつ、大雨といった極端な気候にリースリングがうまく対応。モーゼルヴァインe.V.会⾧のヘニング・ザイベルト氏が「2023年はモーゼルの年だった」と評価するほど、果実味に加えて酸味と甘みの比率も理想的となった。さらに貴腐が発生したことで、最高品質の貴腐ワインをつくる機会にも恵まれた。
ラインガウでも、ラインガウ生産者協会の会⾧ペーター・セイファルト氏が「リースリングが今年の勝者であることは明らか」と述べているように、特に標高の高い畑で健全かつ素晴らしい品質のぶどうを収穫できた。高品質の甘口ワインも生産されている。
2023年は13の産地の多くで短期間で収穫が行われたが、入念な選別で健康なぶどうを収穫できた。ヴィンテージ最初の若いワインは、既に果実味が豊かで、引き締まっていて繊細な酸味があるとしている。
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ドイツワイン 2023ヴィンテージ