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“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②
コラム

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

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発行者
株式会社バザール
編集
Wine Bazaar編集部
連絡先
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日本で最も長い歴史を持つワインメーカーのメルシャンは2023年3月20日、「メルシャン“ブレンドワイン”セミナー」を実施した。セミナーでワインの楽しみを広げる提案として挙げられたのが、レッド・ブレンドと呼ばれているブレンドワインだ。

日本市場でも、カッシェロ・デル・ディアブロやロバート・モンダヴィなど、各社からレッド・ブレンドが提供されている。ここに新たに加わるのが、チリワイン「フロンテラ プレミアム」だ。チリワインのプレミアム化を目指したブランドでもあり、チリワイン、そして日本のワイン市場の再成長の鍵になると、メルシャンが期待を寄せている。

この記事では、セミナーの内容から、チリワインのプレミアム化がなぜ求められているのかについて、ピックアップして紹介する。

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

セミナーに登壇したメルシャン マーケティング部ブランドグループの水野俊介氏

日本市場におけるチリワインの現在

安くて飲みやすい味わいの“安うまワイン”の代名詞として、ワインの間口を広げてきたチリワイン。しかし、2020年をピークに販売規模は減少傾向にある。

“安うまワイン”として人気だったが停滞

チリワインは、2015年から6年連続でスティルワインの輸入数量(ぶどう酒2L未満)で第1位となっていたが、2021年にはフランスが7年ぶりに第1位の座を取り戻している。

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

停滞の理由の1つは、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、「価格が高くても自分の気に入ったものを買いたい」という、こだわりのある消費スタイルが増加したからだと見られている。

一方で好調な“プレミアム”

ワイン市場全体を見ても販売数量は減少しているが、販売金額を見るとわずかに増加している。チリワインに限らず、500円未満の低価格帯ワインの販売数量は減少傾向にあるものの、一方で好調なのが1500円未満の中価格帯のワインだ。

「フロンテラ」と同じつくり手が手掛ける、中価格帯のワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」シリーズを例に見てみよう。

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

販売規模の推移では、チリワインのプレミアムブランドとして「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、コロナ禍後も順調に伸長している。

消費者のワインに対するニーズが変わっていく中で、メルシャンでは、“安うまワイン”のイメージを脱ぎ捨てて、“高品質”であることを伝えていくことが、チリワインが再成長するために必要だと考えているという。

シャトー・メルシャン×コンチャ・イ・トロの取り組み

日本のワイン市場や消費スタイルが変わっていく中で、メルシャンは、「フロンテラ」「カッシェロ・デル・ディアブロ」のつくり手であるコンチャ・イ・トロと、新しい挑戦をスタートさせている。

コンチャ・イ・トロとは

1883年にスペインの名門貴族コンチャ家のドン・メルチョー氏が設立したコンチャ・イ・トロは、チリ最大規模のワインメーカーだ。それだけではなく、販売規模は世界第5位、自社畑の規模も南米第1位、世界でも第2位を誇る。

コンチャ・イ・トロでは、「グラバス」シリーズや「ドン・メルチョー」などの1万円を超えるプレミアムブランドも多く手掛けており、既に世界では、チリワインのプレミアム化に成功している。

また、環境に配慮したサステナブルなワインづくりを実践する最先端のワイナリーでもある。

【コンチャ・イ・トロの取り組み】
・二酸化炭素排出量:10年で50%削減。2050年までにCO₂排出量ゼロを目指す
・水資源:ワイン会社としては初めて、ウォーターフットプリント(生産から消費までの過程で使用した水の量)を測定。業界平均の50%に抑えている
・電力:100%再生可能エネルギー
・原生林4272haを保全:国とともに1500種の生態系を守っている
・廃棄物:98%をリサイクル

2021年4月には、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証「B Corp」を取得した。

チリワインのプレミアム化を目指す

メルシャンがコンチャ・イ・トロ、そしてマスター・オブ・ワイン(MW)の大橋健一氏と共に目指すのが、チリワインのプレミアム化だ。

メルシャンでは、チリワインの販売規模が減少傾向にあることが、日本のワイン市場が停滞している理由の1つであるとする。そして、チリワインのイメージを“安うま”から“高品質”に変えることが、チリワインだけではなく、日本のワイン市場を再成長させる鍵だと考えている。

そこで、コンチャ・イ・トロと手掛けたのが、「フロンテラ プレミアム」の新商品とリニューアルだ。

フロンテラ プレミアムとは

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

「フロンテラ」シリーズは、世界70カ国で愛されているブランドだ。日本でも日常で楽しめるワインとして愛されており、販売量は世界第2位を誇っている。

「フロンテラ プレミアム」は、素材・製法にこだわった本格的な上質ワインとなる。ターゲットとしているのは、週末などに少しだけぜいたくをしたい、手のかかった上質なものを味わいたいという消費者。チリワインの一般的なイメージを“安うまワイン”から“高品質ワイン”へと変革する本格的な味わいだが、価格は1000円程度で、“手の届くプレミアム”が楽しめるブランドだ。2023年3月28日に、従来の商品のリニューアルと新商品「レッド・ブレンド」を発売した。

コンチャ・イ・トロも、「『フロンテラ プレミアム』は、日本が中心となって、日本のお客様のために進化していくブランド」としている。

「フロンテラ プレミアム」のこだわり

「フロンテラ プレミアム」は、ワインメーカーが選び抜いた区画のぶどうを使用。スタンダードシリーズよりも、ぶどうの収量を3分の2に抑えることで、味わいに深みを与えている。

また、オーク樽を使用するなど、「カッシェロ・デル・ディアブロ」「マルケス・デ・カーサ・コンチャ」といった上級レンジにも通じる手間をかけることで、プレミアムな味わいを実現している。

世界に先駆けて日本で「レッド・ブレンド」を発売

「フロンテラ プレミアム」の新商品として、新たに発売された「レッド・ブレンド」。レッド・ブレンドとは、凝縮した果実感とほんのりとした甘やかさが特徴のブレンドワインで、その味わいと分かりやすさから、ワイン初心者を含めて世界的に高い人気を誇っている。

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「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」は、世界に先駆けて日本での発売となる。

気になる味わいは?

“安うま”から脱却、チリワイン再成長の鍵は“プレミアム”? メルシャンが考える戦略とは ~メルシャン“ブレンドワイン”セミナー②

“滑らか濃密”と表現されている味わいは、ブラックチェリーやチェリーのような果実の香りがあり、ジューシーさと甘やかさはまさしく“濃密”。酸もおとなしく、渋味も比較的穏やかで心地よく、“滑らか”という表現がぴったりだ。飲みやすさや親しみやすさもあり、従来の「フロンテラ」ファンの期待にも応えてくれるだろう。

MWの大橋氏は、「レッド・ブレンドに求められているものが詰まっている」と表現している。おすすめの料理は、トマトベースの料理や甘辛いタレの料理とのこと。

プレミアムな味わいでありながらも、品種に詳しくなくても選びやすいレッド・ブレンド。プレミアムなチリワインを、消費者が手に取りやすい存在に変えてくれそうだ。

編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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著者 / 

鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ

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