2019年5月7日(火)まで、寺⽥倉庫が運営するイベントスペースB&C HALL(東京・天王洲アイル)にて、「GEORGIA Homeland of Wine 世界最古のワイン ジョージアワイン展」が開催されている。
ジョージア国立博物館所蔵の展示物もあり、8000年を超える長いワインの歴史を感じながら、試飲も楽しめる。ジョージアワインファンも初心者も楽しめるイベントだ。
世界最古と呼ばれるジョージアワインとは
大相撲の栃ノ心関の出身地としても知られるジョージア(旧・グルジア)は、東西の文明が交わる国だ。約8000年前からワインがつくられていたとされており、「ワイン発祥の地」ともいわれている。
[関連記事]ジョージアワインは「原点にして頂点」。H&Nワインジャパン・本間代表に伺ったその特徴と魅力
2013年12月に和食がユネスコ世界無形文化遺産に登録されたが、それと同じ日に、クヴェヴリを使ったジョージアの伝統的なワインづくりも文化遺産に登録されている。
埋め込まれているのがクヴェヴリ。2階試飲スペースの展示物
3月15日に行われた記者会見において、ジョージア国家ワイン局 ダヴィト・トケマラゼ局次長は、ジョージアワインの特徴を次のように説明している。
フランスやイタリアワインとの違いはいくつかあるが、古い製法が途切れずに続いていることが大きな特徴。また、スキンコンタクトが長いため、ぶどうのよいところをしっかりと吸収したワインだ。
この短い文章の中に、ジョージアワインに注目が集まっている理由が説明されている。
ひとつは、「古い製法が途切れずに続いていること」。古くから受け継がれた製法は非常にナチュラル。自然派・健康派のワインファンを納得させる品質のワインが出来上がる。
また、「スキンコンタクトが長い」という説明は、白ワイン用ぶどう品種の使い方に由来している。白ワインをつくる際には果汁のみを発酵させるのが一般的だが、ジョージアではワイン用ぶどう品種をつぶしてクヴェヴリに詰め、土の中で房ごと発酵させてきた。このつくり方を受け継ぎ、世界各地でつくられているのが「オレンジワイン」だ。
[関連記事]オレンジワインのイロハを学ぼう ~ ジョージア生まれイタリア育ち? 日本で買える人気のワインは?
また、「ほかの国にはない独自の品種がたくさんあり、世界で最も品種の多様性がある国だ」ともトケマラゼ局次長は付け加えていた。
「世界最古のワイン ジョージアワイン展」の見所
寺田倉庫が運営するB&C HALLで開催されている「GEORGIA Homeland of Wine 世界最古のワイン ジョージアワイン展」は、フランスのボルドーにあるワイン総合施設ラ・シテ・デュ・ヴァンで開かれた展示会だ。日本での開催に続いて、今後は世界各地をまわる計画だという。
会場内では、「クレオパトラの涙」とも称される世界最古のワインの文化や歴史がパネルで解説され、ジョージア博物館の所蔵品などが展示されている。
運河に面した近代的なホールに陳列された考古学的な展示品の数々は、ワインファンだけではなく古代文明ファンもワクワクすることだろう。
1階にはクリスタルでできたぶどうのオーナメントが飾られた木もある。3月15日のメディア内覧会や16日には、ジョージアの合唱団「Basiani(バシアニ)」がこの木の下で美声を披露した。
【開催日程】
2019年5月7日(火)まで
隔週月曜日(4月8日、4月22日)休館
*変更の場合あり
【開館時間】
11:00~18:00 (平日の金曜日は20:00まで)
*最終入場は30分前まで
*期間中の一部併催イベントによっては時間変更あり
【会場】
寺田倉庫B&C HALL(東京都品川区東品川2-1-3 寺田倉庫)
*天王洲アイル駅より徒歩4分
【入場料】
1000円(税込)
*ジョージアワイン展特製の非売品パンフレット付き(52ページ)
*未就学児は無料
試飲ができるのは2カ所
会期中にジョージアワインの試飲ができる場所は2カ所ある。
1つ目は展示会の2階にある試飲スペースだ。どんなワインが飲みたいのか伝えて選んでもらってもいいし、ぶどう品種ごとに飲み比べてみてもいいだろう。混雑しているとゆっくり楽しめないので、空いている日に当たればラッキーだ。
もうひとつの場所は、隣接するT-Passageだ。
ジョージアワインの輸入販売を手掛けるh&n WINE Japanが出展しているショップなので、試飲して気に入ったワインを購入して帰ることも可能だ。ジョージアワインの専門店なので、より専門的な話が聞けるのもワインファンにはうれしい。
「世界最古のワイン ジョージアワイン展」は、試飲なしなら1時間ほどで見学できるコンパクトな展示会だ。アートの街・天王洲アイルとともに、“ワインの原点”という芸術を楽しんでみてはいかがだろうか。