コラム

コスパ抜群! イタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」を徹底解説

「プロセッコ(Prosecco)」は、イタリアが誇るスパークリングワインの1種だ。フランスのシャンパン(シャンパーニュ)、スペインのカバ(カヴァ)と並ぶ、世界三大スパークリングワインとして知られる。

ワインを飲む人ならよく目にするプロセッコだが、他のスパークリングワインとの違いや特徴については知らないという人も多いのではないだろうか。そこで今回は、プロセッコの基本情報からおすすめのボトルまで、まとめて徹底解説していく。

プロセッコとはどんなワイン?

プロセッコは、フルーティーな味わいで飲みやすく、ワイン初心者にもおすすめだ。価格帯もお手頃とあって、近年世界中で人気が高まっている。2013年には、シャンパンを抜いて世界で最も売れたスパークリングワインとなり、2020年は年間約5億本が生産されている。

プロセッコの産地

プロセッコは、主にイタリアのヴェネト州でつくられる。ヴェネト州の中でも、特にトレヴィーゾ県のコネリアーノ地区とヴァルドッビアーデネ地区での生産量が多い。2019年には、その美しい景観などから、両地区のプロセッコ栽培丘陵群がユネスコの世界遺産に登録された。

ここで栽培されるぶどうは、日当たりが良く、アドリア海やアルプス山脈からの風による冷却効果によって良い影響を受け、酸を保ちつつ完熟する。こういった土地特有の利点があって良いぶどうがつくられ、プロセッコの品質が保たれる。そのため、「プロセッコ」の名称は、EUの原産地名称保護制度により守られ、この2地区でつくられるプロセッコは、DOCGに格付けされている。

使用するぶどう品種

プロセッコは、グレラを85%以上使用する必要がある。その他に、最大15%まで、グレラ・ルンガ、ヴェルディゾ、ペレラ、ビアンチェッタ、シャルドネ、ピノ・ノワールをはじめとするピノ系品種をブレンドすることが認められている。それらの中から、土着品種のぶどうについて紹介しておこう。

グレラ
プロセッコの主要品種。2009年までプロセッコという名称だったが、ワイン名を守るためにこちらの名前に変更された。フルーティーな味わいが特徴。

グレラ・ルンガ
グレラの名が入っているが、別の品種。やや縦長の実で、グレラに比べてスパイシーなアロマを持つ。

ヴェルディゾ
卵形の実で、かんきつ系のアロマと強い酸味が特徴の品種。

ペレラ
ペレラは洋ナシという意味。名前の通り、洋ナシのようなアロマを持つ。

ビアンチェッタ
冷涼な年でも熟すことができる早熟の品種で、ブレンドのバランスを取るために用いられる。

プロセッコの格付け

プロセッコの格付けは、大きくはDOCG(統制保証原産地呼称)とDOC(統制原産地呼称)に分けられ、DOCGの方が格上となる。基盤となるのはプロセッコDOCで、全生産量の66%ほどを占める。DOCGにはコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコとアゾーロ・プロセッコがある。



コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコには、コネリアーノ地区とヴァルドッビアーデネ地区の限られた畑でつくられるスペリオーレ、スペリオーレの中でも特に優れた43の村からつくられるリヴェ、プロセッコ最高の畑とされているカルティッツェがある。

プロセッコのロゼが解禁に!

プロセッコはこれまで白のみがDOCで認められていたが、2021年1月より、プロセッコのロゼが解禁された。スパークリング・ロゼの世界的な人気を意識しての展開ということだが、プロセッコ・ロゼへの注目度は高い。欧州やアメリカで販売が開始され、日本でも購入が可能だ。

プロセッコ・ロゼはピノ・ノワールを最大15%まで使用しており、より飲みやすくなっている。桜をイメージさせる美しい色味もあって、パーティーなど華やかな場で活躍しそうだ。ただし、こちらは前述したDOCGプロセッコではなく、その1つ下の格付けとなるプロセッコDOCのみの生産となっている。

プロセッコとシャンパン、他のスパークリングワインとの違いは?

シャンパンとともに世界三大スパークリングワインに数えられるプロセッコだが、その違いはどこにあるのだろうか。イタリアのその他のスパークリングワインとの違いも見ていこう。

シャンパンとは製造方法が違う

ほとんどのプロセッコは、密閉式タンク方式で製造される。これは、大きな密閉式のステンレスタンクを使って短期間で発酵させる方法で、大量生産が可能。そのため、プロセッコは安価で販売することができる。また、ワインが酵母に触れている時間が短いので、フレッシュな味わいに仕上がる。

一方のシャンパンは、瓶内二次発酵という方法で製造される。これは、アルコール発酵後のワインをボトルに詰めて、長時間かけてゆっくりと発酵させる伝統的な方法。瓶の中で長時間酵母に触れるため、香ばしい香りがワインに現れる。

他のイタリア産スパークリングワインとの違いは?

イタリアには、プロセッコ以外にもいくつかスパークリングワインがあるが、その違いについて解説しておこう。

まず、プロセッコは、主にヴェネト州でつくられる辛口のスパークリングワイン。醸造に密閉タンク方式が用いられることが多く、フレッシュでフルーティーな味わいが特徴だ。

プロセッコと同じく、その飲みやすさで人気の「アスティ」は、ピエモンテ州でつくられる甘口のスパークリングワイン。一般的なワインと比べて、アルコール度数は低めになっている。

【関連記事】
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「フランチャコルタ」は、ロンバルディア州でつくられる辛口のスパークリングワイン。プロセッコとは製法が違っていて、シャンパンと同じ瓶内二次発酵という伝統的な製法でつくられる。

ちなみに、よく耳にする「スプマンテ」は、イタリアのスパークリングワインの総称。銘柄ではないので覚えておこう。

Amazonやコストコ、カルディで購入できる! おすすめのプロセッコ5選

ここでは、Amazonやコストコ、カルディのネットショップで購入できるプロセッコを厳選して紹介する。

カークランドシグネチャー プロセッコ DOCG イタリア

コストコのプライベートブランド「カークランドシグネチャー」のプロセッコ。スッキリしたフルーティーな味わい。

飲み口:辛口
アルコール度数:11%
参考小売価格:848円(税込)
コストコで見る

アストリア プロセッコ・ロゼ ミレジマート2020

カルディでも人気の、プロセッコのロゼ。ベリーやアプリコットを思わせるアロマと豊かな果実味で飲みやすい、注目の1本。

飲み口:やや辛口
アルコール度数:11%
参考小売価格:1650円(税込)
カルディで見る

ミオネット ヴァルドッビアーデネ DOCG プロセッコ スペリオーレ エクストラドライ

サントリーワインインターナショナルが、2019年より発売しているプロセッコ。プロセッコらしいフレッシュで軽やかな味わいが楽しめる。コスパが良いのも魅力。

飲み口:やや辛口
アルコール度数:11%
参考小売価格:1870円(税込)
Amazonで見る

ヴィッラ サンディ プロセッコDOC

イタリアのグルメ専門の出版社ガンベロロッソでの最高評価をはじめ、ドイツのワイン評価誌で「プロセッコ」の1位に輝いた1本。青リンゴやメロンのアロマで、柔らかな泡立ち。キリッとした酸味も感じられる。

飲み口:辛口
アルコール度数:11%
参考小売価格:1414円(税込)
Amazonで見る

ボッテガ ヴィーノ ディ ポエーティ プロセッコ

細かい泡立ちで、キリッとした飲み口のプロセッコ。マンゴーなど南国フルーツが合わさったような酸味と、レモンやシトラスの渋みも感じられる。食前酒にもおすすめ。

飲み口:辛口
アルコール度数:11%
参考小売価格:1850円(税別)
Amazonで見る

イタリアが誇るスパークリングワイン、プロセッコ。フルーティーな味わいで飲みやすく、値段も手頃なため、世界中で飲まれている。コスパが良いので、日常使いの1本に加えてみてはいかがだろうか。

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About the author /  KYOKO
KYOKO

出版社勤務を経てフリーランス編集ライターに。旅、グルメ、美容を中心に執筆や編集を行っている。大酒飲みで、旅先でご当地酒を飲むのが好き。最近はビオワインにハマリ中。