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AOCポイヤックとは? シャトー・ペデスクローの2つのヴィンテージと共に解説 ~「メドックワイン マスタークラス 2023」レポート⑧
コラム

AOCポイヤックとは? シャトー・ペデスクローの2つのヴィンテージと共に解説 ~「メドックワイン マスタークラス 2023」レポート⑧

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発行者
株式会社バザール
編集
Wine Bazaar編集部
連絡先
お問い合わせ・プレスリリース送付

メドックワイン委員会は2023年9月26日、ホテル日航大阪(大阪市中央区)で、メドックの比類なきテロワールと多様性を改めて発見するマスタークラスを開催した。

今回は、AOCポイヤックの解説とシャトー・ペデスクロー(Château Pédesclau)の2020・2015ヴィンテージをテイスティングしたパートを紹介する。

講師を務めたのは、ホテルニューオータニ大阪のフランス料理店「SAKURA」でソムリエとして活躍する田中叡歩(あきほ)氏だ。

AOCポイヤックとは

AOCポイヤックとは? シャトー・ペデスクローの2つのヴィンテージと共に解説 ~「メドックワイン マスタークラス 2023」レポート⑧

「メドックワイン委員会資料」より

AOCポイヤックは、メドックの東側、ジロンド川につながるガロンヌ川の川沿いに広がる4つの村名AOC(Appellation d’Origine Controlee、原産地管理呼称)の1つだ。生産量の86%を、3つの第1級シャトーを含む、18のグラン・クリュ・クラッセ(1855年の格付け)シャトーが占めている。

土壌はとても痩せた砂利質で、水はけがよい。カベルネ・ソーヴィニヨンが栽培面積の3分の2を占めている。力強く、エレガントで気品のあるワインが生み出される。

シャトー・ペデスクローのワイン

今回のマスタークラスでは、シャトー・ペデスクローの2020年と2015年の2つのヴィンテージをテイスティングした。

シャトー・ペデスクローとは

AOCポイヤックとは? シャトー・ペデスクローの2つのヴィンテージと共に解説 ~「メドックワイン マスタークラス 2023」レポート⑧

シャトー・ペデスクローは、グラン・クリュ・クラッセ(1855年の格付け)第5級のシャトー。サン・テステフのクリュ・ブルジョワ・エクセプショネルのシャトー・リリアン・ラドゥイ(Château Lilian Ladouys)と第4級シャトーのラフォン・ロシェ(Lafon Rochet)、マルゴーの格付けシャトーであるシャトー・ディッサン(Château d’Issan)と同様に、クルーズ家とロレンゼッティ家が所有する。

2009年にロレンゼッティ家がシャトー・ペデスクローを取得してから、シャトーとぶどう畑が大きく変化した。新しいシャトーは、機械を使わずに100%重力で液体を移動させるグラヴィティフローを実現。同時にぶどう畑は、有機栽培の認証を受けるために大きく改革され、2022ヴィンテージから有機栽培の認証を取得している。19の土壌タイプにさまざまなテロワールを所有しており、テロワールを完璧に表現することを目指している。

ディレクターのVincent Bache-Gabrielsen氏は、「有機栽培への転換中だったが、2020年は、ワイナリーが生み出すことができた最も素晴らしいヴィンテージの1つ。カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫量が多く、メルローはとてもよく仕上がった。2015年は、少し柔らかいニュアンスのある年となった。ブレンドの6%を占めているプティ・ヴェルドが、スパイシーなニュアンスを与え、とても面白いものとなった」と説明している。

シャトー・ペデスクロー2020/2015

AOCポイヤックとは? シャトー・ペデスクローの2つのヴィンテージと共に解説 ~「メドックワイン マスタークラス 2023」レポート⑧

「メドックワイン委員会資料」より

品種構成は、2020年がカベルネ・ソーヴィニヨン56%、メルロー34%、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルド5%。2015年がカベルネ・ソーヴィニヨン52%、メルロー42%、プティ・ヴェルド6%。いずれもフレンチオーク樽(新樽率60%)で、16カ月熟成させている。

2015年について田中氏は、「2016年と同様に、ビッグヴィンテージ。1~4月は、雨が平年よりも35%多かった。これは、畑の地下に水が補充できるため、よい兆候だ。6月末からだんだん暖かくなり、7月末までは日差しが強く、シャトーによっては地下水を使い切るところもあった。その後は涼しくなり、最終的には小さくて凝縮感のあるぶどうが収穫できたところが多い」と解説している。

テイスティングコメントは、田中氏によるもの。

●2020ヴィンテージのテイスティングコメント

色合いは明るい色調で、黒も入っているが紫のトーンが強い。若さがあり、青っぽさが比較的強く出ている。アタックは強いがジューシー。シルキーなタンニンが感じられ、余韻に黒系のスパイスが広がる。まだまだ熟成のポテンシャルがあるワインだ。

●2015ヴィンテージのテイスティングコメント

深みのあるガーネット色。香りの第1印象から複雑さがある。プティ・ヴェルドが比較的多いので、黒系の果実やオレンジピールのような甘い香り、スイートスパイスの香りが感じられる。熟成による香りや、まだ熟成の可能性を感じる第1アロマ(果実由来の香り)がある。ヴィンテージの強さがあり、シルキーなタンニンながらボリュームが強いので、熟成の可能性が5~10年ほどあるのではないかと感じられるワインだ。

今回は、ガロンヌ川の川沿いに広がる4つの村名AOCの1つ、AOCポイヤックを紹介した。次回は、AOCポイヤックより下流(北)にあるAOCサン・テステフのパートをご紹介する。

【関連記事】「メドックワインマスタークラス 2023」レポート
①メドックの比類なきテロワールを田中叡歩ソムリエが解説! AOC・3つの格付け・段丘・土壌・品種を知ろう
②AOCメドックとは? シャトー・カステラの2つのヴィンテージと共に解説
③AOCオー・メドックとは? シャトー・ミカレの2つのヴィンテージと共に解説
④AOCムーリスとは? シャトー・モーカイヨーの2つのヴィンテージと共に解説
⑤AOCリストラックとは? シャトー・カプデの2つのヴィンテージと共に解説
⑥AOCマルゴーとは? シャトー・プジェの2つのヴィンテージと共に解説
⑦AOCサン・ジュリアンとは? アミラル・ド・べイシュヴェルの2つのヴィンテージと共に解説

編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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著者 / 

鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ

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