南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。
同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介する。
第4回目となる今回は、南アフリカの固有品種ピノタージュのつくり手として、世界的に高い評価を得ているカノンコップ(Kanonkop)だ。
カノンコップとは
カノンコップは、赤ワインの銘醸地ステレンボッシュで、1990年代から世界的に高い評価を受け続けているワインメーカーだ。1910年創業で、ヴィンヤードには樹齢50年を超える古樹木もある。
イギリス・ロンドンで開催される国際ワイン評価会「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC)」で、世界最優秀ワイン醸造家に4回(1991年、1999年、2008年、2015年)、南アフリカ最優秀ワイナリーに5回(2005年、2008年、2009年、2013年、2015年)選出されている。
栽培するぶどうの半数を占めるのが、ピノ・ノワールとサンソーを掛け合わせた南アフリカ特有の品種ピノタージュだ。手掛けたピノタージュは、IWSCで1990年代から5回ほどトロフィーを獲得。ピノタージュの品質にこだわり続けている。
カノンコップのワイン2本
DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023で出展されていたのは、ピノタージュを使用した2本となる。南アフリカを代表するつくり手のワインを味わいたい人、代表品種であるピノタージュを堪能したい人に、おすすめのワインだ。
テイスティングコメントは、輸入元のマスダ提供の資料による。
カノンコップ ピノタージュ 2020
2012ヴィンテージは、IWSCでピノタージュのトロフィーを獲得した。凝縮感と丸みのある果実味があり、バランスのよい樽感がそれを支えている。滑らかなタンニン、きれいな酸のある、エレガントなスタイルで、ボルドーワインのような端正さもある、まさにピノタージュの最高峰を味わえる1本だ。
最高で樹齢62年の古樹を含むピノタージュを使用し、オープンタンクで発酵させている。225Lのフレンチオーク樽(新樽75% 2年目樽25%)で16カ月熟成させている。
【テイスティングコメント】
若いヴィンテージでは、赤い果実、プラムなど、複雑でフルーティーな香り。熟成すると、森の土などの香り。滑らかで心地良い酸味、凝縮した果実味、しっかりと太いボディ。細やかで上品な渋味。エレガントなスタイル。新樽にも負けない力を持っているが、パワフルさが前に出すぎているわけでもない。酸味、果実味、ボディの全ての要素がマックスでバランスよく保たれている。
Kanonkop Pinotage 2020
アルコール分:14.0%
品種:ピノタージュ100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:7500円(税抜)
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カノンコップ カデット・ピノタージュ 2020
よりリーズナブルに、カノンコップが表現するピノタージュを味わいたい人におすすめのワインだ。ステレンボッシュらしい凝縮感と美しい酸のある果実を、柔らかな味わいに仕上げている。
樹齢は5~20年と若めの畑で収穫されたピノタージュを使用し、オープンタンクで発酵を行っている。そして225Lのフレンチオーク樽(2~3年目の旧樽)で14カ月熟成させている。
【テイスティングコメント】
赤い果実、プラム、チョコレートなどの香り。なめらかで心地よい酸味、凝縮した果実味、程良くしっかりしたボディ。細やかで上品な渋み。エレガントなスタイル。フィニッシュはドライで余韻も長い。
Kanonkop Kadette Pinotage 2020
アルコール分:14.5%
品種:ピノタージュ100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:3100円(税抜)
マスダの南アフリカワイン専門店で見る
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