コラム

日本人気NO.1ワインも! ジャーニーズ・エンドのお手軽ワイン3本 ~「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」レポート⑪

南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。

同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。

今回は、ジャーニーズ・エンド(Journey’s End)から出展されていた7本のワインの中から、デイリーやちょっと特別な日に楽しみたい、お手軽な価格帯のワインを紹介する。なお、同時に出展されていたジャーニーズ・エンドのプレステージワインについては、別の記事で紹介している。

【関連記事】
エアラインや国内高級ホテルにも選ばれるジャーニーズ・エンドのプレステージワイン3本 ~「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」レポート⑥

ジャーニーズ・エンドのワイン4本

テイスティングコメントは、ジャーニーズ・エンドの公式ホームページを翻訳したもの。

ジャーニーズ・エンド シャルドネ 2021

輸入元のシーズンワインによると、ジャーニーズ・エンドのワインの中で、日本で一番人気だという1本。

フリーランジュースのみを使用し、300Lのフレンチオーク樽で発酵させている。50%は蔵付き酵母を使用し、フレンチオーク樽(新樽率15%)で8カ月間熟成させる。マロラクティック発酵(MLF)はせず、あえてはつらつとした自然な酸味を備えさせている。

【テイスティングコメント】
明るい緑がかった麦わら色。繊細なかんきつとオレンジの花が感じられる。滑らかな口当たりとはつらつとした余韻を持つ、果実味豊かなワインだ。バランスのよい樽が、幾層にも重なる複雑さをもたらしている。ミネラルと塩分の香りが自然に組み込まれている、ユニークなコースタルスタイルのシャルドネ。

Journey’s End Chardonnay 2021
アルコール分:13.5%
品種:シャルドネ100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:3600円(税別)

ウェザーステーション ソーヴィニヨンブラン 2021

ジャーニーズ・エンドで最も標高が高く、海岸線から9kmに位置する畑のぶどうを使用している。きれいな酸と繊細な果実味を保つために、早朝に手摘みで収穫している。

さらに、香りを抽出するために8時間のスキンコンタクトを行い、ステンレスタンクで4カ月間、澱を毎週撹拌(かくはん)しながら熟成させている。

【テイスティングコメント】
グリーンがかった淡いレモン色。グレープフルーツと青リンゴの香りが、ソルティなミネラル感とほんのりと感じるキウイフルーツによって引き立てられている。中盤で重量感とまろやかな口当たり、バランスの取れた自然な酸味が口の中を満たし、フレッシュさと余韻の長さをもたらしている。

Weather Station Sauvignon Blanc 2021
アルコール分:13.5%
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
生産地:コースタル・リージョン
参考小売価格:2700円(税別)

ザ ハンツマン シラーズ 2021

シラーを主体とした、ローヌブレンド。シラーズの30%に対しては、カルボニックマセレーション(二酸化炭素が充満する状態のタンクに入れて、ぶどうを発酵させること。ボージョレ・ヌーボーなどで行われている手法)を行い、残りは20~25℃で約15日かけて発酵させる。酸をまろやかにするMLFを経て、大樽で12カ月間熟成させる。

【テイスティングコメント】
スミレ、ラズベリー、綿菓子など表現力豊かな香りがあり、シナモンスパイスがほんのりと感じられる。赤系と黒系のベリーのジューシーな層と柔らかなパウダー状のタンニンが口の中で広がる。夏にぴったりなレッドブレンドだ。少し冷やして、バーベキューのお供にも。

The Huntsman Shiraz 2021
アルコール分:13.5%
品種:シラーズ73%、ムールヴェードル17%、グルナッシュ10%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:2700円(税別)

ジャーニーズ・エンド V5 カベルネ・フラン 2020

花崗岩を含む粘土質土壌(Tukulu)で育てたぶどうを手摘みで収穫した後、5000Lのオープンタンク樽で自然発酵させている。酸を和らげるMLFを経て、2年使用のフレンチオーク樽で14カ月間熟成している。

【テイスティングコメント】
凝縮感のある完熟したチェリー、風味豊かなオリーブ、野生のフィンボス(西ケープ州独特の灌木地帯)の特徴が香りから感じられ、樽由来の甘いシナモンスパイスによってまとめられている。海岸沿いらしいフレッシュさ、地中海のミネラル感、ソフトでパウダリーなタンニン、そして長い余韻を伴う素晴らしいバランスが口の中に広がる。

Journey’s End Cabernet Franc 2022
アルコール分:14.0%
品種:カベルネ・フラン100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:3600円(税別)

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ