南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。
同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。
今回は、キャップ・クラシック(シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のスパークリングワイン)のTOP3常連ワイナリー、ヴィリエラ・ワインズ(Villiera Wines)だ。
ヴィリエラ・ワインズとは
ヴィリエラ・ワインズは、南アフリカの銘醸地ステレンボッシュに1983年に設立された家族経営のワイナリー。生産するワインの4割がキャップ・クラシックで、赤と白がそれぞれ3割ずつとなる。テロワールを反映したヴィリエラ・ワインズのワインは、数多くの賞を受賞している。
また、南アフリカのワイン産業を語る上で欠かせない、サステナビリティにも注力している。所有する敷地面積の半分は、アフリカ固有の樹木を植林した動植物の保護区域となっており、太陽光パネル、CO₂削減の重視、10年以上も畑に農薬を散布していないなど、環境保護に取り組んでいる。
さらに南アフリカでは、働く人々の暮らしを支えるという視点も重視されており、従業員家族のための保育園や学校、所得の低い地域住民のための無料病院の運営、仕事のあっせんも行っている。
ヴィリエラ・ワインズの2本のワイン
DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023では、5本のワインが出展されていた。今回はその中から、2本のキャップ・クラシックを紹介する。
テイスティングコメントは、輸入元のアルコトレード・トラスト提供の資料によるもの。
ヴィリエラ トラディション ブリュット
南アフリカ航空のファーストおよびビジネスクラスで提供されり、2018年の「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC)」で最高銀賞を受賞するなどの実績がある、ヴィリエラを代表するキャップ・クラシックだ。
完熟する前の健康なぶどうを手摘みで収穫し、キュヴェ(高品質の果汁)のみを使用。ブレンド後、酵母とドサージュを加え、瓶内で6週間かけて瓶内二次発酵させる。それから澱とともに平均18カ月熟成させている。
【テイスティングコメント】
伝統的な、ふくよかでイースト香を感じさせる複雑かつバランスの取れた味わいは、正統派ならではのもの。爽やかな酸味と豊かな果実味があり、生き生きとはじけるような風味が広がる。
Villiera Tradition Brut
アルコール分:12.0%
品種:シャルドネ70%、ピノノワール30%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:3100円(税別)
ヴィリエラ パール・オブ・ネクター
ぶどうを手摘みで収穫し、キュヴェのみを使用している。ブレンド後、酵母と多めのドサージュを加えて瓶内で6週間かけて瓶内二次発酵させる。その後、澱とともに平均18カ月熟成させている。
多めのドサージュが果実味を強調し、甘さを感じるが、酸味とのバランスがよいので食事にも合わせやすい1本だ。
【テイスティングコメント】
果実味を引き立て、ドサージュを多めにすることで、やや甘みを帯びた芳醇な仕上がり。キレのある酸味とバランスもよく、お祝い事や食後のデザートなど、多様に楽しめる。パールはきめ細やかな泡と花の蜜を表現している。
Villiera Pearls of Nectar
アルコール分:11.5%
品種:シャルドネ100%
生産地:西ケープ州
参考小売価格:3100円(税別)
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