コラム

世界トップ100に5回選出! 赤ワインに特化した歴史的ワイナリー、ラスエンフレーデ ~「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」レポート⑬

南アフリカワイン協会(Wines of South Africa:WOSA)は2023年10月17日、年に一度の南アフリカワインの大試飲会「DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023」を開催した。同日に2回開催したマスタークラスは、申し込み多数により抽選となるほどの大盛況となった。

同試飲会のレポートでは、19社のインポーターと6社の未輸入ワイナリーが一堂に会した中から、いくつかのワイナリーとそのワインをピックアップして紹介してする。

今回は、南アフリカの銘醸地ステレンボッシュで1694年に設立されたラスエンフレーデ(Rust en Vrede)だ。

ラスエンフレーデとは

ラスエンフレーデは、南アフリカの銘醸地・ステレンボッシュにある歴史的ワイナリーだ。創業は1694年と、長い歴史を持つ。赤ワインを専門に生産する南アフリカ初のワイナリーであり、民間会社としては初めて、地下セラーを所有した会社でもある。

1977年以降は、エンゲルブレヒト家がカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーの生産に注力している。1993年、故ネルソン・マンデラ大統領がノーベル平和賞を受賞した際には、晩餐会でラスエンフレーデのワインを指名した。2000年には『ワイン・スペクテイター(Wine Spectator)』の世界トップ100に南アフリカの赤ワインとして初選出され、その後も5年間連続で選ばれ続けた。多くの実績を持つ、国内外から信頼される名門ワイナリーだ。

ラスエンフレーデのワイン

DISCOVER SOUTH AFRICA TOKYO 2023で出展されていたのは、ラスエンフレーデの「ラスエンフレーデ カベルネ・ソーヴィニヨン2019」だ。

テイスティングコメントは、輸入元のアルコトレードによるもの。

ラスエンフレーデ カベルネ・ソーヴィニヨン2019

アメリカのワイン専門誌『ワイン・エンスージアスト(Wine Enthusiast)』で、90ポイント超えを連発しているワインだ。

自社農園で栽培したぶどうのみを使用し、手作業で収穫・選別を行う。オープントップ発酵タンクにて7日間の発酵を含む21日間のマセレーションを経て、300Lのフレンチオーク樽(新樽率20%)で18カ月間熟成させている。

【テイスティングコメント】
黒に近い濃い色調。カシスや鉛筆の芯を思わせる、この品種特有のアロマとほんのりモカの香り。タンニンもしっかりとしたストラクチャーで、ポリフェノール豊かな円熟味が感じられ、濃縮した味わい。余韻も長い。ワイン&マッシュルームのソース、熟成チーズ、重厚なソー スの赤身肉料理、ステーキ、フォアグラのソテー、ベーコ ン、ラム、すき焼き、うなぎの蒲焼、ビーフシチュー、北京ダックと相性がよい。

Rust en Vrede Cabernet Sauvignon 2019
アルコール分:13.74%
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
生産地:ステレンボッシュ
参考小売価格:4640円(税別)
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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ